強化ガラスの割れ方の特徴は?原因・割れないための対策・寿命・交換時期を解説!
    通常のガラスは割れると破片になって飛散し、素手で触ってはいけないと学校で教えられるように危険なものになります。 しかし、強化ガラスは「安全な割れ方」をする事で有名です。 この記事では強化ガラスの割れ方について解説していきます。
目次
└尖っていない小さな細かい粒子の破片
└ガラス全体が粉砕する構造
└狭い範囲に落ちる
・強化ガラスの特徴・構造とは
└耐熱温度は150度から200度
└強度は3~5倍程度強
└風圧や衝撃にも比較的耐性がある
└圧縮応力層
・強化ガラスが割れる原因
└急激な気温差に弱い
└一点に集中して加わるような熱に弱い
└ガラスの傷やヒビ
└自然破損
・強化ガラスを割らないための対策
└クレンザーを使用しない
└保護シートを貼る
・強化ガラスが割れたらどうずればいい?
└応急処置
└専門の業者に強化ガラス交換を依頼
・強化ガラスの寿命は?最適な交換時期
└約30年
└ガラスに落とせない曇りがある
└ガラスのゆがみがある
└細かな傷がある
・まとめ
強化ガラスの割れ方の特徴とは
    通常のガラスが割れると尖った刃物のような危険な破片となり散らばります。 単純に大きな破片はナイフのように触れて指を切ってしまう可能性があるため危険ですが、細かく散らばった破片も尖っているものが多いため、掃除しそこねた破片を踏みつけて足の裏を切ってしまう事もあります。広範囲に散らばってしまえば透明で小さい欠片をすべて見つけるなんて事は難しく、掃除の手間もかかってしまうでしょう。しかしそれはあくまでも普通のガラスのお話。 強化ガラスという、普通のガラスよりも強度が高くなる処理方法で製造されたガラスは割れ方が異なります。
尖っていない小さな細かい粒子の破片
通常ガラスが割れると大小様々な破片になります。元のガラスのサイズや、どのように割れたかによって形状や大きさなどは異なりますが、基本的にはどれも鋭く触れてしまえば指を切ってしまうであろう危険なものに変わりはありません。しかし、強化ガラスは割れると尖っていない小さく細かい粒子のような破片になります。
            そのため、普通のガラスのように軽く触れただけで切り傷ができるような事はありません。
            ただし怪我をしないというわけではないため、掃除をする際に気をつける必要はあります。
            あくまでも比較的安全な形になるというだけです。
        
ガラス全体が粉砕する構造
強化ガラスが細かく割れる理由として、その割れるまでの構造が挙げられます。通常ガラスは衝撃を受けると受けた場所を中心にヒビが入り、折れるようにして割れてしまいます。
            そのため、破片が飛び散り窓枠には鋭く尖ったガラスが残るという状態になり、飛び散った破片も窓枠に残ったガラスもどちらも鋭く危険な状態と言えます。
            対して強化ガラスは衝撃を受けヒビが入ると、そのヒビは全体に行き渡り、ガラス全体が粉砕する構造になっています。そのため、通常のガラスのような大きく鋭い破片になることはなく、全体が細かく割れるという仕組みになっています。
        
狭い範囲に落ちる
強化ガラスの割れ方の特徴について、もう1つ特徴的と言える要素があります。 それが「狭い範囲に落ちる」というもの。 ガラスが割れる際、与えられた衝撃の強さによってどのように飛散するかは変わってきますが、大抵は飛び散るように広範囲に飛散します。 目に見える破片は割れたガラスの近くに落ちますが、細かな破片はより広範囲に飛び散り、見つけることができず踏んで怪我をしてしまうといった事もあるでしょう。 しかし、強化ガラスは割れる際には狭い範囲にまとまって落ちます。 これは単純に割れる際にガラス全体に衝撃が行き渡るため、通常のガラスよりも破片を飛ばす衝撃が少ないと考えるとわかりやすいでしょう。
強化ガラスの特徴・構造とは
強化ガラスの割れ方について解説をした所で、次は強化ガラスの構造や製造する上での特徴についても解説をしていきましょう。 主に解説していく内容は強化ガラスがなぜ上記のように割れるのか、強度を持っているのか、耐熱温度はどの程度なのかといった内容になります。
耐熱温度は150度から200度
ガラスと言えば熱で溶かして加工を行うもの、ドロドロに溶けたガラスなどのイメージから熱に弱いという印象を抱いている方も多いでしょう。 ガラスの一般的な耐熱温度は100℃程度と言われていて、対して強化ガラスは150℃から200℃まで耐えることができます。 そのため、通常のガラスよりは熱に強いと言えるでしょう。 ただ、あくまでも通常のガラスよりは、という話であって火事などで溶けてしまったり熱で歪む事はあります。 耐熱性を重視するのであれば、最大1200℃まで耐えられる耐熱性を有した耐熱ガラスを用いるのが確実ですが、窓ガラスで100℃以上も熱を受けることはそうそう無いので、強化ガラスでも問題は無いでしょう。
強度は3~5倍程度強
強化ガラスの強度は一般的なガラスと比較すると3倍から5倍程度とされています。 一般的なガラスは多少体重をかけるだけで割れてしまう危険性があります。 ガラスはその性質上金属のような柔軟性が無く、負荷を分散させる事が苦手です。 そのため、通常のガラスは負荷を受けるとその一点に負荷がかかり、割れてしまいます。 対して強化ガラスは製造段階で一点にかかる負荷、応力に対して反発する応力がかかるようになっているため、通常のガラスよりも負荷に強いと言えます。
風圧や衝撃にも比較的耐性がある
        強度というのが具体的に何を指しているのかというと、耐風圧性や耐衝撃性です。 要するに外部から与えられる圧に対する衝撃であり、通常のガラスは強化ガラスよりも圧に弱いため割れやすいと言っても過言ではありません。 一言で強度と言っても、モノの耐久度には「硬度」と「耐衝撃性」に分かれており、基本的にはどちらかに優れているともう片方の性能が低下します。 というのも、衝撃に強いものというものは衝撃を分散させて逃がすことができる構造のものであり、言ってしまえば柔軟性がある物質と言えます。 対して硬度はキズがつかず、その硬度以下の物質にキズをつけることができるというステータスであり、文字通り硬さを表していますが、硬いという事はそれだけ衝撃を逃がすことが難しく、モロに衝撃を受けてしまうため砕けやすいという性質を持っています。 わかりやすい比較として、鉄は硬度もありますが金属として見た場合鉄よりも硬度が高い金属はあります。 しかし、衝撃を受けた際には割れる前に凹むように、柔らかいという性質があります。 対してガラスは衝撃を受けても凹まず、そのまま割れてしまいます。 つまり柔軟性が無く、硬いが砕けやすい物質であると言えるでしょう。 これは強化ガラスでも変わらないため、過信のし過ぎは厳禁です。
圧縮応力層
強化ガラスの強化たる所以は表面に存在する圧縮応力層というものが大きく関係しています。圧縮応力というのは簡単にいえば内側に引っ張る力です。
                強化ガラスの製法として、熱したガラスの表面を先に冷やすことによって表面が先に固まり、内側が後から固まるというような工程を踏みます。
                その結果、直接冷やされた表面は収縮するように固まるため、内側に引っ張るような圧力がかかっており、逆に外側から引っ張るような圧力に対して反発するため、強度が高いという仕組みになっています。
                強化ガラスの製法は大きくわけて2種類あり、1つは上記の通り熱したガラスを冷やす熱処理方法。対して熱処理では製造できない薄いガラスに施されるのが、イオンの置換によって表面に圧縮応力層を作り出す化学処理です。
                基本的にはスマートフォンの画面などの薄いガラスに使われています。
            
強化ガラスが割れる原因
強化ガラスは名前の通り通常のガラスよりも耐久性の高い、強化されたガラスです。 しかし、強化されているとはいえガラスはガラスであり、特別材質が異なるというわけでもないため、割れてしまう時はあっさり割れてしまいます。 そこで、次は強化ガラスが割れてしまう原因について解説を行っていきましょう。
急激な気温差に弱い
耐熱温度が通常のガラスよりも高いという解説を行いましたが、いくら耐熱性が高くとも「高い温度に耐性がある」という事と「気温の変化に耐性」があるというのは別の話です。 強化ガラスは急激な気温の変化に弱く、あまりに寒暖差が異なると熱の差による膨張と収縮によってヒビが入ります。 ヒビが入った強化ガラスがどうなるかは上記の通り、ヒビが全体にいきわたって粉砕してしまいます。
一点に集中して加わるような熱に弱い
物質というのは熱が加わると性質が変化します。 柔らかくなったり固くなったりと、融点に届かない温度であったとしても変化が生じる温度というものがあります。 これが全体に生じるのであれば問題はありませんが、局所的に発生した場合歪みとなり、歪な負荷がかかるようになります。 強化ガラスも同じで、一箇所に集中するような熱によって歪んだり、ヒビが入ってしまう事で割れてしまう事があります。 基本的に日常生活では起こり得る事は無い現象ですが、例えばバーナーなどで局所的に炙ったり、虫眼鏡などの光を一点に当て続ける事で熱が溜まっていく……というような事が起きてしまえば、強化ガラスでも割れてしまうでしょう。
ガラスの傷やヒビ
強化ガラスは負荷に強いものの、「ヒビ」にとても弱い性質を持ちます。 今回の記事でも解説したように、強化ガラスは割れる際にヒビが全体に伝播します。 そのため、強度自体はガラスよりも高いが、キズがつくとガラスよりも割れる範囲が大きいという性質を持ちます。 表面にキズができる程度であれば問題はありませんが、表面……圧縮応力層よりも奥にヒビ・キズが届くと割れる原因になってしまいます。
自然破損
耐衝撃性や風圧耐性に優れている強化ガラスといえど、耐えることができる限界というものがあります。 通常の強風程度であれば耐えることができても、それこそ家が飛ぶような規模の台風に襲われてしまえば、風圧で割れてしまうこともあります。 単純に風圧で割れなくとも、風で飛ばされてきたものがぶつかって割れるなど、自然的な破損は起きてしまいます。
強化ガラスを割らないための対策
強化ガラスは万能ではありません。決して割れないというわけではなく、弱点もまた存在しています。 しかし、明確な弱点が存在するということはそれを補う事さえできれば強みを活かしやすいとも言えます。 強化ガラスを割らないようにするための対策を講じることで、強化ガラスの耐久性を活かすことができると言えるでしょう。
クレンザーを使用しない
        強化ガラスはキズに弱いため、研磨を行うタイプの洗剤とは相性が最悪です。 研磨するタイプの洗剤と言えばクレンザーが代表的でしょう。 勿論クレンザーで洗うとその瞬間割れるという程ではありませんが、圧縮応力層が削られて薄くなっていくため、小さいキズができた瞬間に割れてしまう可能性が生じてしまいます。 そのため、窓拭きなどを行う際にクレンザー系のものは使用しないようにすると長持ちさせることができるでしょう、
保護シートを貼る
割れないようにするのであれば、割れるのを防止するツールを使うということもできます。 保護シールのように、外部からの影響を最小限に抑え防護することができるものを活用することで、強化ガラスを長持ちすることができます。 ただ、その分費用がかさむため、使用している強化ガラスの大きさや枚数を元に保護シートを使うかどうかを検討すると良いでしょう。
強化ガラスが割れたらどうずればいい?
もしも強化ガラスが割れてしまったらどうすればいいか、対処法についても解説を行いましょう。割れてしまったものは仕方なく、そこから傷のない状態や再生するなど、可逆性のあるような状態には決してなりません。 ガラスは割れてしまったら終わりであるため、切り替えて怪我をしないように、そして割れたガラスを取り替える必要があると言えるでしょう。
応急処置
まずは応急処置を行いましょう。基本的には通常のガラスと同じような応急処置で構いません。 割れて落ちた破片は決して素手で拾ったりせず、箒などを使って掃き集めるようにしましょう。 割れた窓部分は板・ダンボールなどで塞ぐようにして、交換を行うまで決して触れないようにしましょう。 ガラスが割れた際に最も重要なのは触れないこと。 いくら安全に割れるとはいえガラスはガラスです。最大限注意を払って対処するようにしましょう。
専門の業者に強化ガラス交換を依頼
応急処置が完了したら窓ガラス交換を専門に行っている業者に依頼をしましょう。 単純に新しい窓ガラスに交換してくれるだけでなく、その道に精通したプロであるため、素人のような間違った真似をする事なく、安全確実に対処してくれるでしょう。 勿論悪徳業者などの存在も考慮しなければならないため、相見積もりなどの複数の業者を比較して正しい見積もりを行う業者を選ぶと損をせずに済みます。
強化ガラスの寿命は?最適な交換時期
最後に強化ガラスの寿命や、交換するのに最適な時期・症状について解説を行っていきます。 モノというものには耐用年数、つまり寿命があり長く使っていてもいずれは限界を迎えたり、壊れやすくなるもの。 そのため割れるまで交換しないというよりは、寿命が近づけば割れる前に交換を済ませておく事で安全かつ安くガラスの交換を行うことができると言えます。
約30年
強化ガラスの寿命は大体30年程度と言われています。基本的に外壁の素材、壁材の寿命も25年から30年程度と言われているため、場合によっては外壁工事と交換時期が被ってしまう事があります。 強化ガラスの交換自体は大体4万円から5万円程度ですが、外壁の張り替えなどは200万円前後もかかってしまうため、外壁工事を行う予定があるならその時にガラスの交換も一緒に依頼すると良いでしょう。
ガラスに落とせない曇りがある
曇ガラスでも無ければ基本的にガラスは透明であるべきであり、曇や傷などは落とせないものもできていきます。 洗い落とせないしつこい汚れや曇りなどは、最終的には削って落とすことになりますが、ガラスの表面を削ると当然透明度が落ちるだけでなく、表面の圧縮応力層も削れてしまい、割れやすくなります。 そのため、単純に洗っても落とせない曇りなどが目立つようになれば、ガラスの交換時期であると言っても良いでしょう。
ガラスのゆがみがある
モノは負担がかかると歪んでいきます。 それは一度の大きな負担でも、長期間小さい負担が積み重なっていく事でも生じるものであり、この歪みは割れる原因に繋がります。 歪みを矯正する事は難しく、仮に出来たとしても耐久性が戻る保証は無いため、歪みが確認できる程の状態になった強化ガラスは取り替えた方が良いでしょう。 ガラスだけが歪むのならまだマシで、歪みがサッシ(窓枠)にまで生じるとサッシの交換も行う必要があります。 サッシは窓ガラスよりも高価であるため、余計な出費がかさんでしまうと言っても過言ではありません。
細かな傷がある
傷が表面の圧縮応力層を突破しなければ割れません。 しかし、届かないにしても傷があるということはその部分は耐久性が低下しているという事であり、割れる可能性が高い弱点が増えているという事でもあります。 そのため、細かな傷が増えてきている強化ガラスはちょっとした拍子に割れてしまう可能性が高く、交換したほうが良いと言えるでしょう。 特に特定部位に傷が集中しているという場合は、明確に弱点部位が存在していると言っても過言ではありません。早急に取り替えた方が良いでしょう。
まとめ
以上、強化ガラスの割れ方について解説を行いました。 通常のガラスよりも丈夫で安全な割れ方をする強化ガラスですが、決して割れないというわけではなく、場合によっては割れてしまいます。 もしも強化ガラスが割れてしまった場合は、安全を確保してから処理・応急処置を行い、ガラス専門の業者に強化ガラスの交換を依頼しましょう。
ガラスのことなら修理の
窓口にお任せください!
       修理の窓口 
信頼の実績
           0円
11万件突破
98%※1
【対応エリア】
最短5分でお伺いします!
西日本を中心に対応エリア拡大中です!
                
            
    
    








