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蜂駆除スプレーを使用するときの注意点は?スプレー選び・作業手順についても紹介

自宅の敷地内で蜂の巣を見つけたら、早めに駆除しなければなりません。 スプレー式の殺虫剤などを使えば、駆除できるのではないかと考える人も多いでしょう。 しかし、蜂には毒針があり、人を刺すこともあります。安全を確保した上で慎重に行わなければなりません。
本記事では、スプレー式の殺虫剤を使用した蜂駆除の作業手順や注意点などについて解説していきます。

目次

・蜂駆除は自分でできる?
 └蜂の種類
 └ 蜂の巣の種類と特徴
 └蜂の巣の大きさ
 └蜂の巣の位置
・蜂駆除殺虫剤の種類
 └スプレー式
 └燻煙剤
・蜂駆除スプレーを選ぶときのポイント
 └ピレスロイド系の成分が入っているか
 └強い噴射力
 └どの蜂が適用対象なのか
 └噴射距離が長い
・蜂駆除スプレーを使用するときの注意点
 └自力で駆除できるか確認する
 └室内や密閉空間では使用しない
 └できるだけ露出部分を少なくする
・蜂駆除スプレーは代用できる?
・蜂駆除に必要なグッズ一覧
・自分で蜂駆除を行うときの作業手順
 └夕方~夜間の時間に行う
 └香水など自分の匂いに注意する
 └防護服、手袋、長靴を着用する
・蜂の巣を駆除するときの4ステップ!
 └2-3m離れた場所から巣にスプレーをかける
 └蜂の巣を撤去しゴミ袋に入れる
 └ゴミ袋内にスプレーを噴射する
 └巣があった箇所にスプレーをかける
・まとめ

蜂駆除は自分でできる?

蜂駆除を自分でできるのかどうか判断する際の基準について見ていきましょう。

蜂の種類

蜂駆除は危険を伴いますが、蜂の種類により危険度に差があります。そのため、まずは巣を作っている蜂の種類を見分けましょう。 主に、ミツバチとアシナガバチ、スズメバチなどが住宅の軒下などに巣を作ります。
このうちミツバチは、他の種類の蜂と比べて危険度はあまり高くありません。そのため、一般の人でも駆除できることがあります。
アシナガバチだと、ミツバチよりも攻撃性が強く危険度が高めです。一般の人が自分で駆除するのは難しいでしょう。
スズメバチはアシナガバチよりもさらに凶暴で毒性も強く、非常に危険です。無理に自分で駆除しようとせず、専門業者に依頼するのが賢明でしょう。

蜂の巣の種類と特徴

蜂の巣は、その種類により形状や大きさが異なり、これを正しく識別することが駆除や予防には欠かせません。例えば、スズメバチの巣はしばしば球体状で、トックリのような形をしていることが多いですが、アシナガバチの巣は円柱形をしており、中には女王蜂だけが存在することもあります。巣の形状から蜂の種類を見分けることは、その危険性を理解し、適切な対応を取る上で重要です。
スズメバチの巣を発見した際は、高い危険性が伴うため、自分での駆除を避け行政の支援を求めるべきです。一方、アシナガバチやミツバチの巣であれば、自分で対処することが可能な場合もあります。いずれの場合も、専門家に相談することを推奨します。

アシナガバチの特徴と見分け方
アシナガバチの特徴具体的な説明
胴体の特徴黒と黄色の鮮やかな縞模様。
くびれがあり、ほっそりしている
脚の特徴長く、フラフラと飛ぶことが多い
巣の特徴シャワーヘッドのような形
巣穴がむき出しで、色は灰色から灰褐色

アシナガバチは長い足が特徴の蜂で、通常は刺激しなければ攻撃的になることは少ないですが、毒性が強く刺激した場合には働き蜂が集団で反撃してきます。巣は直径約15cmと小さく、初期段階であれば自分での駆除も可能です。巣は4月から6月にかけて形成され始め、7月から10月の繁殖期にはさらに大きくなります。アシナガバチは木の枝や軒先など、様々な場所に巣を作るため、見つけ次第対策をとることが大切です。特に6月以降は働き蜂が増え攻撃性が高まるため、駆除には注意が必要です。

スズメバチの特徴と見分け方
スズメバチの特徴具体的な説明
胴体の特徴オレンジ系の色が多く、アシナガバチより太い
飛び方素早く、まっすぐ飛ぶ
巣の特徴球体で、入口は一つ
茶色や薄茶色のマーブル模様

スズメバチは攻撃性と毒性が高く、毎年、厚生労働省の統計では数十人が刺されて命を落としています。
スズメバチの巣は直径80cmほどまで大きくなることもあり、成長スピードも速いです。小さな巣でも多くの働きバチがいるため、見つけたらすぐに専門家に相談しましょう。お住まいの地域の役所や駆除業者に連絡し、安全で効果的な駆除を依頼してください。賃貸住宅の場合、管理会社への相談も有効です。
自力での駆除はリスクが高く、刺激するとスズメバチに攻撃される可能性があるため、避けるようにしましょう。スズメバチを見分ける際は、その特徴や巣の形状をよく観察し、危険を回避することが大切です。

ミツバチの特徴と見分け方
ミツバチの特徴具体的な説明
胴体の特徴丸みを帯びており、フワフワした毛が多い
巣の特徴平べったい板状で、複数枚を重ねる
新しい巣は白色で、使うにつれ蜜色に変化

ミツバチはアシナガバチやスズメバチと比較して攻撃性が低く、毒性も穏やかです。巣は時に1mを超える大きさに成長することがあり、小さなうちは自分で対処可能です。しかし、巣に危害を加えられると攻撃性が増し、群れで反撃することがあります。
巣の形状は平らな板が垂れ下がるような形をしており、屋根裏や床下などに作られることが多いです。大きな巣からは蜂蜜が滴り、場合によっては家屋にシミを作ることも。冬場には攻撃性が増すため、この時期の対応には特に注意が必要です。

蜂の巣の大きさ

蜂の巣は少しずつ大きくなっていき、中にいる蜂の数も増えていきます。 あまり大きいと、完全に駆除することができず、攻撃されてしまう可能性が高いです。 巣が作られ始めたばかりでまだ小さいうちなら、一般の人が自分で駆除できることもあります。
具体的には10センチくらいまでを目安にすると良いでしょう。それよりも大きければ、業者に依頼するのが無難です。

蜂の巣の位置

蜂の巣の位置が、手の届くくらいのところであれば、自分で駆除できる可能性があります。 しかし、手が届かない場所だと、巣が小さくても難しいかもしれません。
また、巣の一部しか確認できない位置にある場合には、自分で駆除するのは危険です。 見えない箇所がある場合には、巣全体の大きさが把握できません。 想像よりも大きく、手に負えなくなることもあるでしょう。そうなると、攻撃されてしまいます。
届かない位置にある場合や、全体を把握できない位置にある場合には、専門業者に駆除を依頼するのが無難です。

蜂駆除殺虫剤の種類

蜂駆除を自分で行う際に使用する殺虫剤の種類について見ていきましょう。

スプレー式

スプレー式の殺虫剤は、害虫駆除全般に使えるものと、蜂駆除に特化しているものがあります。 蜂の種類によっては、害虫駆除全般に使えるスプレー式殺虫剤でも駆除可能です。
しかし、スズメバチなど殺虫剤が効きにくい蜂の駆除を行う際には、蜂駆除専用のスプレー式殺虫剤でないとなかなか効きません。
また、スズメバチ駆除用を謳っている強力なスプレー式殺虫剤もあります。

燻煙剤

燻煙剤というのは、殺虫成分を含む煙を充満させることで害虫を駆除する殺虫剤のことです。
密閉された空間に蜂が巣を作っているときに効果を発揮します。 ただし、燻煙剤はスプレー式の殺虫剤と違って即効性はありません。 一時的に蜂が逃げるだけで、後から戻ってきてしまうことも多いです。 また、燻煙剤はゴキブリ駆除やダニ駆除などに特化しているものが中心で、蜂駆除に特化した燻煙剤はあまり出回っていません。

蜂駆除スプレーを選ぶときのポイント

蜂駆除スプレーを選ぶ際には、次のようなポイントをチェックしておきましょう。

ピレスロイド系の成分が入っているか

殺虫剤はものによって配合されている殺虫成分が異なります。 蜂駆除スプレーを選ぶ際には、成分をチェックしピレスロイド系の成分が配合されているかどうか確認してみましょう。
ピレスロイド系の成分は、蜂を含む昆虫にとって猛毒で即効性があります。蜂駆除を行う上で、必要不可欠な殺虫成分です。

強い噴射力

噴射力が弱いと、狙った箇所にピンポイントで噴射することができません。 蜂に中途半端なダメージを与えてしまい、攻撃されてしまう可能性が出てきます。なるべく噴射力の強いスプレー式殺虫剤を選ぶようにしましょう。

どの蜂が適用対象なのか

駆除しようとしている蜂が適用対象になっているかどうか確認しておきましょう。 蜂駆除専用を謳っていても、一部の種類の蜂は適用対象外になっていることもあります。

噴射距離が長い

スプレーの噴射距離が缶に記載されているため購入前に確認しておきましょう。 できるだけ3メートル以上のものが望ましいです。
噴射距離が長いスプレーなら、蜂の巣にあまり近づかずに駆除作業を行えます。刺されてしまうリスクも小さく抑えられるでしょう。 逆に噴射距離が短いスプレーを使用すると、巣に近づかなければならないため、それだけ危険度が増します。

蜂駆除スプレーを使用するときの注意点

スプレー式殺虫剤を使用して蜂駆除を行う際に押さえておきたいポイントや注意点などについて見ていきましょう。

自力で駆除できるか確認する

蜂の巣の駆除は一般の人が自力で行うのは難しいことも多いです。 ミツバチやアシナガバチの巣で、小さな巣なら駆除可能ですが、巣が大きい場合には危険を伴います。 自力で駆除できるのは10~15センチくらいまでと捉えておきましょう。
また、スズメバチの巣は、小さくても危険度が高く、一般の人が自力で駆除するのは避けた方が無難です。

室内や密閉空間では使用しない

蜂駆除用のスプレー式殺虫剤の大半は屋外での使用を想定して作られています。 そのため、室内で使用するのは避けましょう。室内で使用すると、家電製品などに影響を与えることがあります。 ニオイなども残ってしまうかもしれません。

できるだけ露出部分を少なくする

露出部分があると、駆除作業中に刺されてしまう可能性があります。 できるだけ防護服を着用し、露出部分は極力なくすような服装で行いましょう。
また、蜂は黒色のものを見ると、興奮して襲う習性があります。 防護服はほとんどが白色ですが、駆除作業で使用する道具なども、黒色のものは避けた方が無難です。

蜂駆除スプレーは代用できる?

通常の殺虫剤でも、ピレスロイド系の成分が配合されていれば、蜂に対して効果が見込めます。 通常のスプレー式の殺虫剤やゴキブリ用の殺虫剤などでも、ピレスロイド系の成分が配合されているものは多いです。
しかし、通常のスプレー式の殺虫剤は、噴射力が弱く噴射距離もあまり長くありません。 そのため、代用できないことはありませんが、蜂の巣を駆除するのにはあまり向かないでしょう。

蜂駆除に必要なグッズ一覧

蜂の巣駆除にあたっては、身を守るための道具と共に以下のグッズを準備しましょう。

・エアゾール型殺虫剤
噴射距離が長いものを選び、2本以上用意すると安心です。

・剪定バサミまたは長い棒
蜂の巣を落とす際に使用します。ノコギリでも可能です。

・懐中電灯(赤いセロハンを被せたもの)
手元を照らす用途に。赤いセロハンで光を和らげるか、赤色光の懐中電灯を準備してください。

・ゴミ袋
巣や蜂の死骸を処分する際に必要です。

・ホウキとちりとり
巣の残骸や蜂の死骸を集めるのに使います。

自分で蜂駆除を行うときの作業手順

自分で蜂駆除を行うときには、次のような手順で行いましょう。

夕方~夜間の時間に行う

蜂の巣駆除は、夕方から夜間にかけて行うのが最適です。具体的には、日没から2時間後が理想のタイミングです。この時期に作業を行う主な理由は、蜂が夜間に巣に戻って休むため、一度に多くの蜂を駆除できるからです。日中は蜂が餌を求めて外出していますが、夕方以降になると巣に戻ります。また、日が落ちると蜂の動きは鈍くなりますが、作業を行う前には明るい時間に巣の位置を確認しておくことが大切です。

香水など自分の匂いに注意する

蜂は巣の近くで刺激を受けると攻撃的になります。一度人を刺すと、その場に興奮物質が散布され、他の蜂も刺激されて集団で攻撃することがあります。そのため、蜂の巣の近くで作業をする際には、香水や整髪剤のような強い匂いのものを避けることが重要です。これらの匂いは蜂を刺激し、攻撃を招く原因になるため、特に巣の駆除時には使用しないよう注意しましょう。

防護服、手袋、長靴を着用する

安全のため防護服と防護手袋を着用し、長靴を履いて作業をするようにしましょう。 通常の衣服だと、上から刺されてしまうこともありますが、防護服や防護手袋なら刺されないように厚く丈夫にできています。

蜂の巣を駆除するときの4ステップ!

蜂の巣駆除は慎重に行う必要があります。下記では安全かつ効果的に蜂の巣を取り除くための4ステップを紹介します。スプレーを使った対策から始め、巣の撤去、最終的な予防措置まで、一連の流れをわかりやすく解説します。

2-3m離れた場所から巣にスプレーをかける

蜂の巣にあまり近づきすぎると危険なため、2~3メートル程度離れたところからスプレーを噴射しましょう。 風が吹いているときには、自分が風上に立って作業することが大切です。
また、少しずつではなく一気に長く噴射するようにしましょう。

蜂の巣を撤去しゴミ袋に入れる

巣から蜂が出てこなくなったら、棒などで巣を突いて下に落としましょう。そして、ゴミ袋の中に入れます。

ゴミ袋内にスプレーを噴射する

まだ僅かに生き残っている蜂がいる可能性もあるため、ゴミ袋の中にもスプレーを噴射しましょう。 そのままゴミ袋を閉じれば、生き残っている蜂がいたとしても、出てくることはできず、確実に退治できます。

巣があった箇所にスプレーをかける

蜂の巣駆除後、巣があった場所にスプレーを散布することは、蜂を再び寄せ付けない効果があります。特に6月から9月の期間は、巣に不在だった蜂が戻る可能性が高く、「戻り蜂」と呼ばれる蜂は、巣の消失により攻撃的になることがあります。そのため、巣を取り除いた後は、念入りにその場にスプレーを噴射し、再度蜂が集まるのを防ぐことが大切です。この処理により、安全をより確実に保つことができます。

まとめ

蜂の巣は小さければ一般の人でも、蜂駆除専用のスプレー式殺虫剤を使用して自分で駆除できます。 スプレーを購入する際には、ピレスロイド系の成分が配合されていて、噴射距離が長いものを選ぶようにしましょう。 危険を伴うため、防護服や防護手袋を使用し、2〜3メートル離れた位置から噴射するなど、安全面には十分な注意が必要です。 もし、不安に感じる場合には、無理をせず専門業者に依頼するようにしましょう。

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