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アシナガバチの駆除は自分でできる?手順・必要道具・注意点・刺されてしまった時の対処法を紹介

人間の生活圏内に巣を作る傾向が強いアシナガバチ。そんなアシナガバチの巣を自分で駆除は可能なのか、その場合に必要な準備や手順、注意点を解説します。

目次

・アシナガバチの巣を見つけたらどうすればいい?
 └10月中旬以降であれば様子を見る
 └自分で駆除する
 └駆除専門業者に依頼する
・アシナガバチの駆除の前に確認すべきこと
 └本当にアシナガバチなのか
 └巣の場所
 └巣の状態
 └時期
・アシナガバチの駆除に必要な道具
 └防護服
 └殺虫剤
 └ゴミ袋、トング
 └懐中電灯
・アシナガバチの巣を駆除する手順
 └巣に殺虫スプレーをかける
 └そのまま一晩放置する
 └巣を片付ける
 └巣があった周辺に殺虫スプレーをかける
・アシナガバチの駆除をするときの注意点
 └できるだけ白い服装をする
 └香りの付くものは身につけない
 └夕方から夜にかけて行う
 └はしごの使用は要注意
 └肌を露出しない
・アシナガバチに刺されてしまった時の対処法
 └身を低くしてその場から離れる
 └傷口から毒を絞り出し、洗い流す
 └医療機関を受診
・アシナガバチの駆除を業者に依頼するメリット
 └安心・安全
 └素早く確実に駆除してもらえる
 └アフターフォローや保証
 └素早く確実に駆除してもらえる
・まとめ

アシナガバチの巣を見つけたらどうすればいい?

自宅や私有地に蜂の巣ができていると「刺されたら危ない!」「早く撤去しないと!」と考えますよね。 家族が刺される前に対処できればベストです。しかし、いざ蜂の巣を目の前にすると、どうしていいかわからなくなるものです。

もし、私有地でアシナガバチの蜂の巣を見かけたら、次のように対処することをおすすめします。
・10月中旬以降であれば様子を見る
・自分で駆除する
・駆除専門業者に依頼する
以下で詳しく解説します。

10月中旬以降であれば様子を見る

アシナガバチはスズメバチと比べて大人しく、巣に近づかなければ基本的に攻撃してくることはありません。

人に害がないわけではありませんが、それ以上にイモムシなどの害虫を食べてくれる益虫なので、生活圏内でなければ無理に巣を駆除せずに放置しておいても問題ありません。
特にアシナガバチの巣を見つけたのが10月中旬以降であれば、むやみに近づいて刺激するようなことをせず、しばらく様子を見るのも方法の一つです。

アシナガバチの女王蜂は10月にオス蜂と交尾をし、11月以降は冬眠の準備を始めます。女王蜂は木の中や屋根裏で冬眠するため巣は放棄されます。
冬眠するのは女王蜂のみで、役割を終えたオス蜂と働き蜂は寿命を迎えるため、巣の中は空っぽの状態になります。

冬になると巣の中にアシナガバチはいなくなるため、比較的安全に駆除することが可能です。アシナガバチの駆除をお考えであれば、10月以降に行うといいでしょう。

自分で駆除する

アシナガバチは4月頃に冬眠から目覚めます。そこから徐々に巣を作り始めるため、自分で駆除をするのであれば5〜6月の初期段階か、10月以降の冬眠の準備を始めた頃がベストです。
巣の大きさが4cmほどと小さいうちは、道具を使って自分で駆除をすることも可能です。

ただし、アシナガバチはスズメバチと比較して大人しいとされていますが、毒や針を持った蜂に違いはありません。刺されると危険なので十分に注意しましょう。

駆除専門業者に依頼する

アシナガバチの巣を発見したのが6月以降であれば、自分で駆除をするのは大変危険です。
スズメバチのように超攻撃的というわけではありませんが、巣に近づいて刺激されれば針で刺そうとします。

この時期は自分で対処するには巣のサイズも大きいため、素人の手には負えないことがほとんどです。そのような場合は、費用はかかりますが、専門の駆除業者に依頼したほうが無難と言えるでしょう。

アシナガバチの駆除の前に確認すべきこと

アシナガバチを自分で駆除する前に、気をつけるべきことがいくつかあります。次にご紹介するポイントを確認しておかないと、大怪我につながる恐れがあります。
・本当にアシナガバチなのか
・巣の場所
・巣の状態
・時期

アシナガバチを駆除する前に確認しておくことについて、以下で詳しく解説します。

本当にアシナガバチなのか確認

蜂の巣を駆除する前に、まずは蜂の種類を正確に把握する必要があります。知識がない人がパッと見て蜂の種類を見分けるのは難しいはずです。
アシナガバチかと思っていたら、実はスズメバチの巣だったという可能性もゼロではありません。
そこで、蜂の巣を駆除する前にアシナガバチとスズメバチの特徴と違いを理解しておきましょう。

○アシナガバチの特徴
・手足が長い
・胴体は細い
・体長は20ミリほど
・体色は黄色の縞模様
・ふらふらとゆっくり飛ぶ
・攻撃性は低い
・毒性が強い

○スズメバチの特徴
・手足は短い
・体長は30~40ミリ
・体色は黄色の縞模様
・直線的に飛ぶ
・好戦的
・毒性が強い

アシナガバチとスズメバチの大きな違いは、手足の長さにあります。アシナガバチは名前の通り手足が長いのが特徴です。 ふらふらしながらゆっくり飛んでいるため、一目で見分けることができるはずです。性格は大人しめで、巣に近寄らなければ攻撃してきません。

一方、スズメバチは手足は短いものの、体長は30ミリ以上と大きめです。飛び方は直線的で、性格は好戦的です。巣が近くになくても攻撃してくるため注意が必要です。

アシナガバチはスズメバチよりも大人しいとはいえ、毒性を持っています。刺された場合、腫れや痛み、かゆみといった症状が出ます。 人によってはアナフィラキシーショックを起こし、最悪命を落とす恐れがあります。

巣の場所

アシナガバチが巣を作りやすい場所は以下のとおりです。
・軒下
・ベランダ
・庭木や植え込み
・ガレージ
・エアコンの室外機

アシナガバチは雨風や直射日光を避けるために、人間の生活圏内に巣を作る傾向があります。軒下やベランダ、ガレージなどは天候の影響を受けづらいためうってつけの場所です。

また、夏場以外に使われていないエアコンの室外機にも巣を作ります。巣があることに気が付かずにエアコンを使用すると、故障の原因になるので注意が必要です。

庭がある場合、庭木や植え込みにも巣を作りやすいため気をつけましょう。アシナガバチはイモムシや毛虫を幼虫の餌にしているため、昆虫が多い庭木や植え込みは巣を作るのに最適な場所なのです。

巣の状態

アシナガバチの巣を駆除する場合、巣の状態を把握しておく必要があります。アシナガバチの巣は、最大でも15〜20cmと小ぶりです。 しかし、15cm以上になる頃には、アシナガバチも活発に活動していて攻撃性も高めです。

巣の大きさが4~5cmほどであれば、アシナガバチも活動を始めたばかりなので自分で駆除することが可能です。 しかし、15cm以上の場合は巣も完成していて刺されるリスクが高いため、専門の業者に依頼することをおすすめします。

時期

アシナガバチの巣を自分で駆除できるのは、冬眠から目覚めたばかりの5〜6月までです。この時期は巣の大きさも4cm前後と小さいため、道具さえあれば駆除は難しくありません。

しかし、7月以降は巣の大きさが20cm前後になります。他の蜂の巣に比べると小さめですが、中には50匹程度生息しているので近づくのは大変危険です。

10月以降は女王蜂が冬眠の準備に入り、オスバチや働き蜂は寿命を迎えています。巣の中は空っぽの状態なので、比較的簡単に駆除が可能です。

アシナガバチの駆除に必要な道具

アシナガバチの巣を自分で駆除する際は、次のような道具一式を準備する必要があります。
・防護服
・殺虫剤
・ゴミ袋、トング
・懐中電灯
以下で詳しく解説します。

防護服

アシナガバチや巣を駆除する際は、必ず防護服を用意しましょう。防護服は蜂の針から身を守る役割があります。蜂は黒い部分を攻撃する習性があるため、目や頭を守るために防護服は必須です。
ただし、防護服を着用しても、絶対に安全とは言いきれません。特に活発に活動を始める7月〜9月は、比較的大人しいアシナガバチも攻撃的になります。この時期は防護服を着用しても自分で駆除するのはおすすめしません。

防護服を選ぶ際は、次のポイントを押さえておきましょう。
・蜂駆除専用
・蜂の入る隙間がない
・針を通さない厚手の生地
・表面が滑りやすい
・安価過ぎる防護服はNG

蜂を駆除するための防護服でないと、生地が薄く蜂の針を通してしまいます。また、防護服の表面が滑りやすいもののほうが、蜂が止まりづらいので刺されるリスクを回避できます。

防護服を選ぶ際は、安いものは避けましょう。安価な防護服は隙間があるなど、安全面が低いため大変危険です。小さめの巣を駆除する場合でも、安すぎない防護服を選ぶようにしましょう。

しかし、防護服は高価なのでなかなか手が出しづらい点がネックです。そこで、蜂の巣を駆除する際は役所に相談してみましょう。役所によっては道具一式のレンタルを行っている場合もあります。

どうしても防護服を購入できず、役所でレンタルもしていない場合、次のような格好で代用できます。
・フード付きのレインコート
・帽子
・タオル
・軍手(二枚重ね)
・マスク
・長靴

レインコートや軍手などで全身を覆うだけでなく、タオルで首周りの隙間を塞ぐことも必要です。加えて袖や裾の隙間はテープで止めるようにしてください。

殺虫剤

殺虫剤はピレスロイド系の成分が入っているものを選んでください。蜂駆除用の殺虫剤でなくても効果は期待できます。蜂駆除用の殺虫剤の場合は、噴射した際の距離が長めなので、離れた場所からの駆除が可能です。

ゴミ袋、トング

ゴミ袋やトングは、駆除した蜂の巣を捨てる際に使われます。トングで蜂の巣を落としたら、ゴミ袋に入れて燃えるゴミの日に出しましょう。破れるおそれがあるため、袋は二重にしておくことをおすすめします。

懐中電灯

蜂の駆除は夕方から夜にかけて行うのがベストです。夜間は蜂の活動も落ち着いていますし、全ての蜂が巣に戻っているため逃がす心配がありません。

夜間は周囲が見えないため、懐中電灯は必須です。その際、アシナガバチは明かりに集まる習性があるため、蜂が認識できない赤いセロファンをライトの部分に貼り付けておきましょう。

アシナガバチの巣を駆除する手順

アシナガバチの巣を駆除する際は、以下の手順で行いましょう。
1.巣に殺虫スプレーをかける
2.そのまま一晩放置する
3.巣を片付ける
4.巣があった周辺に殺虫スプレーをかける

以下で詳しく解説します。

巣に殺虫スプレーをかける

まず、アシナガバチの巣から2〜3mほどの距離から殺虫スプレーを噴射します。アシナガバチが暴れますが、中途半端に止めずに最後まで吹きかけ続けてください。

そのまま一晩放置する

殺虫剤を吹きかけたら、そのまま一晩放置します。この時、蜂が戻ってきたら再度殺虫剤を吹きかけましょう。

巣を片付ける

戻り蜂がいないことを確認したら、トングを使って巣を取り外してゴミ袋に入れましょう。袋は二重にすることで破れづらくなります。 地面に落ちている蜂の死骸や蜂の巣の破片も袋に入れて、燃えるゴミとして処分してください。

巣があった周辺に殺虫スプレーをかける

蜂は巣を撤去しても、巣があった場所に戻ってくる習性があります。 その際、巣がないことがわかると凶暴化するため注意が必要です。そこで、巣があった周辺に殺虫スプレーをかけておきましょう。 再度同じ場所に巣を作られるのを防げます。

アシナガバチの駆除をするときの注意点

アシナガバチを駆除する際は、次の注意点を守るようにしましょう。
・できるだけ白い服装をする
・香りの付くものは身につけない
・夕方から夜にかけて行う
・はしごの使用は要注意
・肌を露出しない

以下で詳しく解説します。

できるだけ白い服装をする

蜂を駆除する際は、黒い服装は避けて白い服を着用してください。アシナガバチやスズメバチは、黒色を攻撃対象だと判断するためです。

香りの付くものは身につけない

蜂は匂いの強いものに寄ってくる習性があります。香水や整髪料だけでなく、柔軟剤の匂いにも反応します。 ベランダに干していた洗濯物に蜂が紛れているのはこれが原因です。蜂の巣を駆除する際は、シャワーを浴びて匂いを落としてからにしましょう。

夕方から夜にかけて行う

アシナガバチは昼間活発に活動し、夜になると巣に戻ってきます。動きも鈍っているため、効率的に駆除することが可能です。

はしごの使用は要注意

高い場所にある蜂の巣を駆除する際は、落下しないように注意しましょう。 はしごに登りながら駆除している最中、蜂に襲われると落下する危険性があります。登るのが危険な高さであれば、専門の業者に依頼することをおすすめします。

肌を露出しない

蜂の巣を駆除する時は、刺されないように肌の露出は絶対にしないようにしましょう。できるだけ隙間ができない格好をすることを心がけてください。

アシナガバチに刺されてしまった時の対処法

アシナガバチに襲われたり刺されたら、落ち着いて次のように対処してください。
1.身を低くしてその場から離れる
2.傷口から毒を絞り出し、洗い流す
3.医療機関を受診

以下で詳しく解説します。

身を低くしてその場から離れる

ミツバチは1度刺すと皮膚に針を残すため、2度刺されることはありません。 しかしアシナガバチやスズメバチは何度も刺してきます。攻撃を防ぐために、身を低くして速やかにその場から離れてください。

傷口から毒を絞り出し、洗い流す

蜂毒は水に溶けやすいため、水で洗い流すことで毒の効果を薄めることが可能です。アシナガバチに刺されたら、水で毒を洗い流してから指で毒を絞り出しましょう。

皮膚に針が残っている場合は、先にピンセットで抜き取るようにしてください。針を抜いて毒を洗い流し、絞り出した後は保冷剤などで患部を冷やしましょう。毒が回るのを遅らせることができます。

医療機関を受診

応急手当をしたら、速やかに医療機関を受診してください。特に、次のような症状が出たらすぐに救急車を呼んでください。
・呼吸困難
・吐き気
・めまい
・動悸
・全身のだるさ
・意識消失

一度蜂に刺されると、体内に抗体ができます。その状態で再び蜂に刺されると、強いアレルギー反応を引き起こすことがあります。これを「アナフィラキシーショック」と言います。

アナフィラキシーショックがでると、30分ほどでショック状態に陥ります。最悪の場合、死に至る恐れがあるため、異常が現れたら速やかに救急車を呼んでください。

アシナガバチの駆除を業者に依頼するメリット

アシナガバチが活発に活動を始める7月〜9月は、自分で蜂の巣を駆除するのではなく、専門の業者に依頼しましょう。業者に駆除を依頼することで、次のようなメリットが得られます。
・安心・安全
・素早く確実に駆除してもらえる
・アフターフォローや保証
・時間と労力がほとんどかからない

以下で詳しく解説します。

安心・安全

蜂の巣を駆除することに慣れていない場合、刺されて怪我をする恐れがあります。 もしかすればアナフィラキシーショックを起こすかもしれません。業者に依頼することで、自分が怪我をするリスクがないため安心・安全です。

素早く確実に駆除してもらえる

専門の駆除業者は、蜂の巣を駆除するためのノウハウや道具を揃えています。それらを使って素早く確実に駆除してもらうことができます。

アフターフォローや保証

巣を駆除する際に留守にしていた蜂や逃げ出した蜂は、巣のあった場所に戻る傾向にあります。 蜂は巣がないことがわかると凶暴化するため、刺されるリスクが高くなります。場合によっては再び巣を作ってしまうこともあります。

業者に依頼することで、巣のあった場所に蜂が戻ってくるのを防いだり、再び巣が作られた際に対処するなどのアフターフォローや保証が受けられます。

時間と労力がほとんどかからない

自分で処理する場合、いちいち道具を用意したり、作業に慣れていないため時間や労力を必要とします。

その点、業者に依頼することで処理の全てを速やかに行ってくれるため、時間と労力がほとんどかかりません。

まとめ

当記事では今回、アシナガバチの駆除について解説しました。アシナガバチの駆除は巣の状況によっては自分で駆除することもできますが、業者に依頼することで確実に処理してもらうことが可能です。 アフターフォローや保証も充実していますし、蜂に関するお悩みの相談にも乗ってもらえます。

自分で蜂の巣駆除が難しいようであれば、専門の駆除業者に依頼することをおすすめします。

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