ベランダに蜂の巣ができやすい理由は?駆除方法・予防方法・蜂の種類の見分け方について
ベランダに蜂の巣ができてしまったときの駆除方法や蜂の種類の見分け方をご紹介します。 また、ベランダに蜂の巣を作らせないように予防することも大切です。ベランダに巣を作る理由を知って、予防に役立てましょう。
目次
└雨や風の影響が少なく日光が直接あたらないような場所を好む
└エアコンの室外機の裏のように狭い場所がある
・ベランダに作られる蜂の種の種類・見分け方
└アシナガバチ
└スズメバチ
・巣はないけどよくベランダで蜂を見る理由とは
└引っ越し先をさがしている
└エサを探している
・ベランダの蜂の巣を自力駆除する方法
└用意するもの
└駆除する手順
└蜂の巣を駆除する際の注意点
・ベランダに蜂を寄せ付けない対策方法
└ベランダをきれいにする
└虫除けスプレーをまく
└防虫ネット
・ベランダの蜂の巣を放置するとどうなる?
└蜂が増殖してしまう
└巣が大きくなり駆除費用が高くなってしまう
└ほかの虫が寄ってきてしまう
・まとめ
ベランダに蜂の巣ができやすい理由
ベランダに蜂の巣ができやすい理由は、ベランダが蜂の住みやすい環境を整えやすいからです。 蜂にとって住みやすい環境とは、次のような特徴がある場所を指します。
雨や風の影響が少なく日光が直接あたらないような場所を好む
蜂は雨や風の影響を受けにくく日光が直接あたらない場所を好みます。自然界では樹木の空洞などを利用することが多いです。
ベランダは屋根があるため雨や日光が当たりにくく、壁タイプの手すりは風避けにもなるので、蜂の好む環境が整っています。
エアコンの室外機の裏のように狭い場所がある
ベランダにはエアコンの室外機が設置してあることが多く、室外機と壁の隙間のような狭い場所は蜂が巣を作るのに向いています。
前述したように、蜂は自然界でも樹木の空洞などの狭い場所に巣を作ります。
狭い場所は隠れやすく、身や巣を守るのに適しているため、蜂にとって住みやすい環境なのです。
ベランダに巣を作る蜂の種類とその見分け方
ベランダに巣を作る蜂には、いくつかの種類があります。 蜂の種類によって危険度が違うので、以下で解説する特徴を覚えておくと見分けることができますよ。
アシナガバチ
アシナガバチは名前の通り、後ろ足が黄色く長いのが特徴です。
体は全体的に細長く、とくに胸と腹の間にくびれがある体型をしています。スズメバチと比べると遅い速度でふらふらと飛ぶのも特徴です。
性格は比較的穏やかで攻撃性は高くありませんが、危険を感じると襲ってくることがあるため刺激を与えないようにしましょう。
ベランダに巣を作る代表的な蜂で、軒下のような開放的な場所だけでなく、室外機の裏のような狭い場所に巣を作ることもあります。
室外機の裏は目立ちにくく確認する頻度も低いので、蜂の巣に気づいたときには大きな群れが住み着いていたということも少なくありません。
また、家庭菜園を好む特徴もあり、ベランダに巣を作りやすい原因となっています。
日本には11種類のアシナガバチが生息しており、大きさや体色は種類によっても異なります。
アシナガバチの蜂の巣の形は「お椀を逆さまにした形」や「シャワーヘッド型」と表現されることが多く、六角形の巣穴が露出していて下から見られるのが特徴です。
スズメバチ
スズメバチも複数種が日本に生息していますが、攻撃的で毒性も強いのが特徴です。7月〜11月には攻撃性が増し、刺される被害が増えます。
アシナガバチと見分ける際は、体が大きく後ろ足が黒いところに注目します。体の色はオレンジ系が多く、アシナガバチと比較すると飛ぶスピードが速いです。
蜂の巣の形は時期によって異なり、5〜6月の初夏はフラスコやとっくりを逆さまにした形をしています。
蜂が増えてくる7月以降になると巣は球体になり、茶色と白の特徴的なマーブル模様が見られるようになります。
大きな巣を作ることも特徴で、80cmを超えることもあります。
スズメバチは、自然界では地中や木の空洞などの狭い場所に蜂の巣を作ります。
ベランダに狭い隙間がある場合は、定期的に蜂が巣を作っていないか確認するのがよいでしょう。
巣はないけどよくベランダで蜂を見る理由とは
初夏になると、蜂の巣はないのに蜂が頻繁に飛んで来ているのを見かけることがあります。ベランダで蜂を見かける理由には以下の2つが考えられます。
引っ越し先・巣をつくる場所を探している
蜂が引っ越し先をさがしてベランダを偵察しに来ている可能性が考えられます。
蜂は巣を作り始める前に、その場所が安全なのか、周囲に餌場があるのかなど巣の周りの環境を確認します。
何度も同じ種類の蜂を見かけるということは、引っ越し先の候補として、同じ群れの複数の蜂が時間を変えて確認している可能性があるのです。
ベランダで蜂を頻繁に見かけるようになったら、蜂の巣が作られていないか狭い場所までこまめに確認するようにしましょう。
エサを探している
ベランダに蜂のエサになるものがあり、頻繁に蜂が来ている可能性も考えられます。
蜂の種類によってエサになるものは異なりますが、多くは花の蜜や小型の虫などを食べています。
植物を育てていると虫が集まるため、その虫を目当てに蜂がくることもあります。
植物がおいてあるベランダは、蜂にとって餌場が近く雨風をしのげるため、巣作りの環境が整いやすい場所です。
ベランダの蜂の巣を自力駆除する方法
もしベランダに蜂の巣ができてしまった場合、自力で駆除することは可能なのでしょうか。 いくつかの条件がありますが、自力で駆除ができる場合もあります。次のポイントを確認しましょう。
・スズメバチではない
・巣の大きさが15cm以下
・蜂の巣が駆除しやすい場所にある
スズメバチは攻撃性が高く毒性も強いので、なるべく専門業者に頼むようにしましょう。
スズメバチ以外で、巣の直径が15cm以下であれば働き蜂の数はまだ少なく、危険性も下がります。
また、蜂の巣が駆除作業がしやすい場所に作られているかどうかも重要です。
高い場所や狭い隙間など手の届きにくい場所に巣がある場合、作業に時間がかかります。
時間がかかると蜂に攻撃する時間を与えてしまい、刺される可能性が高くなります。
また、高い場所に巣がある場合は、攻撃してくる蜂に対応しながらの作業となり、怪我の危険があるので避けましょう。
ポイントを確認し、自力で駆除できると判断した場合は以下を参考に準備を進めてください。
用意するもの
ベランダの蜂の巣を駆除する際には、以下のものを用意しましょう。
・懐中電灯(赤いセロファン紙を被せる)
・殺虫剤(スプレー式)
・防護服、手袋、長靴
・長い棒
・ゴミ袋、トング
効率的に蜂を駆除するためには日没後に作業をします。
懐中電灯をそのまま使用すると蜂が光に集まってしまうので、必ずライト部分に赤いセロファンを被せましょう。
殺虫剤はスプレー式の「ピレスロイド系」成分を含んだものを選びます。ホームセンターやネット通販で購入可能です。
防護服は専用ものもを用意します。養蜂で使用するものと駆除で使用するものは生地の厚さが異なるので注意してください。
自治体によっては防護服の貸し出しを行っている場合もあるので、問い合わせてみるとよいでしょう。
また、蜂の針を通さない厚手の手袋や長靴も着用し、服や手袋の隙間から蜂が入ってこないようにテープや紐で隙間をふさいでおくことも大切です。
長い棒は高いところにある蜂の巣を落とすときに使用します。駆除し終わった蜂の巣はトングを使ってゴミ袋に入れて、燃えるゴミとして処分します。
ゴミ袋はあらかじめ口を大きく開いて、落とした巣の近くにおいておくと手早く作業ができます。
駆除する手順
蜂の巣の駆除は以下の手順で行います。
・蜂の巣の場所を確認
・巣の中に殺虫剤を噴きかける
・巣を取り除く
蜂の巣の正確な場所を把握し、巣の中に直接殺虫剤を噴きかけます。
巣の中からどんどん蜂が出てくるので、女王蜂が出てくるまで噴射を続けましょう。
蜂の動きがなくなったら巣を取り除き、ゴミ袋に入れて処分をします。
蜂の巣を駆除する際の注意点
蜂の巣の駆除は次の点に注意して行います。
・日没後に行う
・準備や作業中に蜂を刺激しない
・殺虫剤を使う時は蜂の巣から2mほど離れて噴射
・駆除後の蜂の巣や蜂はトングを使って処理
・香りの強いものを身につけない
蜂は日中は巣から出てエサを集め、日没後に巣に戻ります。
日中に巣の駆除を行うと夜になって蜂が戻ってきてしまうので、蜂が巣の中にいる時間に作業をするのがオススメです。
日没から2~3時間経ち蜂が巣に戻っているタイミングか、夜明けの蜂が活動を始める前に駆除をするのが適しています。
蜂の駆除では、蜂に刺されないようにすることが大切です。
そのためには蜂を刺激するような行動を取らないようにします。とくに準備の段階では大声を出さず、静かに歩くようにします。
また、蜂を手で払うと蜂は攻撃されたと感じ、巣を守るために攻撃してきます。できるだけ蜂を払わないようにしましょう。
殺虫剤を使うときは、身を守るために巣から2m程度離れて使用します。
駆除後の蜂の巣の処理にも注意が必要です。生き残っている蜂が巣の中から出てくる可能性があるので、処理をする際は巣に直接触らないようにします。
また、死んでいる蜂の針にも毒があり、誤って刺さってしまう事故も考えられます。
蜂の駆除を行うときは香りの強いものは身につけないようにします。とくに香水や柔軟剤などは蜂が花と勘違いしやすく蜂を引き寄せてしまいます。
ベランダに蜂を寄せ付けない対策方法
ベランダに蜂の巣を作らせないようにするには、蜂を寄せ付けないようにすることが重要です。次のような対策をしてみましょう。
ベランダをきれいにする
ベランダをきれいにして蜂が巣を作るのには適さない環境を作るようにしましょう。ポイントは以下の点です。
・虫のエサになるものを片付ける
・植物は場所を変えたり室内に入れる
・身を隠せる場所を作らない
ベランダに小型の虫が集まると、虫を食べる蜂も集まってしまいます。
ゴミなどの一時置き場として利用している場合は虫のエサになるものはベランダには置かないようにしましょう。
また、植物は虫を引き寄せてしまします。植物は置き場を変えたり室内に入れるなどして、蜂のエサとなる虫が集まらないようにしましょう。
蜂は身を隠しやすい隙間に巣を作るので、ベランダを整理整頓して見通しのよい状態にしておきます。
虫除けスプレーをまく
虫除けスプレーや忌避剤入りの殺虫剤を巣が作られやすい場所にまいて、蜂を遠ざけるようにします。ポイントは次の点です。
・蜂用のものを選ぶ
・雨の後や10日に1回程度、スプレーし直す
虫除けの効果には持続性がないので、定期的にスプレーし直します。虫除けスプレーは蜂に対して効果があるものを選びましょう。
ベランダに植物があると、殺虫剤が植物に悪影響をもたらす可能性があります。殺虫剤の使用に抵抗がある場合は木酢液を使った方法もオススメです。
木酢液とは園芸や農業などで土壌改良や害虫忌避に使われる水溶液です。
焦げたような強い臭いが特徴で、蜂は強い臭いを嫌がって近寄らなくなります。
ホームセンターなどで購入でき、木酢液と水を1対1で希釈したものをスプレーしたり、液体のままバケツなどに入れて設置し1ヶ月程度で交換します。
ベランダに設置すると洗濯物に臭いがつく場合があり、気になる人もいるため注意が必要です。
防虫ネットを使う
ベランダに蜂が入ってこないように防虫ネットを使うのもオススメです。
防虫ネットは網目が1cm以下のものを選びます。ベランダ全体を覆う方法のほかに、巣を作られやすい場所のみを覆う方法も効果的です。
ベランダ全体を覆う方法は蜂以外の虫の侵入も防げるので、林や公園のような虫が多い場所の近くに住んでいる場合は大きなメリットがあります。
一部のみを覆う方法は作業が比較的簡単で、見た目も気になりにくいというメリットがあります。
また、室外機は専用のカバーを使用することで作業をより簡単にできます。
ベランダの蜂の巣を放置するとどうなる?
ベランダの蜂の巣を駆除せずに放置しておいたら、どのようなデメリットがあるのか考えてみましょう。
蜂が増殖してしまう
蜂の巣を放置しておくと、蜂の数が増えてしまいます。ベランダで洗濯物を干すときなどに蜂に近づく機会が増え、蜂を興奮させてしまうかもしれません。
興奮した蜂は攻撃的で、刺されるリスクが上がります。
また、蜂の数が増えることで近隣住民や通行人へ被害が及ぶリスクもあります。
多くの人が蜂の被害を受けた場合、蜂の巣を放置した責任を問われることもあるようです。トラブルになる前に駆除をするのがよいでしょう。
巣が大きくなり駆除費用が高くなってしまう
蜂の巣の駆除費用を決める要素は主に以下の3つです。
・蜂の種類
・蜂の巣の大きさ
・蜂の巣のできている場所
駆除作業の危険度が上がれば料金も上がります。蜂の巣が小さいうちであれば危険度も低いうえ、作業時間も短時間です。
しかし、巣が大きくなると蜂の数も増えて危険度が上がり、蜂が攻撃をしてくるために作業が困難になるので料金も高額になります。
また、ベランダの場合は、できている場所によってハシゴや高所作業車を使用することになり、機材利用料が追加されるケースもあります。
ほかの虫が寄ってきてしまう
蜂の幼虫やさなぎ、成虫はほかの虫のエサとなることがあります。巣があることで捕食しやすくなることから、ほかの虫が寄ってくる要因となります。
たとえば、アシナガバチの幼虫やさなぎは、ヒメスズメバチのエサです。そのため、アシナガバチの巣があると、ヒメスズメバチを引き寄せてしまいます。
また、ミツバチは攻撃性の低い蜂ですが、ミツバチの成虫はスズメバチの餌になります。ミツバチの巣であればベランダにあっても危険度が低いとは言い切れないでしょう。
まとめ
ベランダで蜂の巣を見つけたら、まずは専門業者に相談して見積もりをとってみましょう。
ベランダにできてしまった蜂の巣は駆除するしかありませんが、今後、蜂の巣が作られないように予防することが大切です。巣を作った蜂の種類を知り、対策をしてみましょう。
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