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効果的なハチトラップは家にあるもので作れる!作り方・注意点・巣が作られた時の対処法について

毎年スズメバチが巣を作って困っているのであれば、ハチトラップを設置して巣ができるのを防いでみましょう。 作り方や使用上の注意点のほか、設置したにも関わらず巣が作られてしまったときの対処法をご紹介します。

目次

・スズメバチトラップとは?
・スズメバチトラップの作り方
 └スズメバチトラップの材料
 └誘引剤の作り方
 └トラップ容器の作り方
・スズメバチトラップの使い方
 └設置する時期
 └設置する時間帯
 └設置場所
 └交換の時期
・スズメバチトラップの注意点
 └トラップ設置中の張り紙をしておく
 └死んだ蜂には触らない
 └アシナガバチやミツバチには効果がない
 └やみくもに設置しない
・スズメバチに巣が作られてしまったらどうすればいい?
 └専門の駆除業者に依頼
・ハチトラップはカルピスを使うと効果的?
 └作り方
 └効果
・まとめ

スズメバチトラップとは?

スズメバチトラップとは、女王蜂を捕まえるためのトラップです。 スズメバチは3月上旬から4月中旬に女王蜂が1匹で冬眠から目覚めます。 目覚めた女王蜂は巣を作る場所を探し始めるので、スズメバチトラップを使って巣作り前の女王蜂を捕まえ、巣作りさせないようにしましょう。

スズメバチトラップの中には強い香りのする液体を入れて誘い、液体で羽を濡らして飛行しにくくなったスズメバチが溺れてしまうという原理です。 また、小窓にも逃げられにくい工夫をします。

それでは、スズメバチトラップの作り方をご紹介します。

スズメバチトラップの作り方

スズメバチトラップの材料や作り方を詳しくご紹介します。

スズメバチトラップの材料

スズメバチトラップの作成に必要な材料をご紹介します。

誘引剤
・酒300ml
・酢100ml
・砂糖100g
・ぶどうの皮(なくても作れます)

トラップの容器
・1.5L〜2Lのからのペットボトル
・ひも

使用する道具
・定規(なくても作れます)
・サインペン(なくても作れます)
・カッターナイフ
・計量カップ
・ボウル(なくても作れます)
・ろうと(なくても作れます)

酒は焼酎など、臭いが強いものがオススメです。料理酒でも代用できますし、賞味期限の切れた酒類でも効果があるため有効活用できます。 スズメバチトラップを複数作るために誘引剤を大量に用意する際は、酒:酢:砂糖を3:1:1の割合にします。

空のペットボトルは切り込みを入れやすい、凹凸のないものを使用すると安全に作成できます。 ひもは丸ひもでも、ビニールひもでも、家にあるものでよいです。

誘引剤の材料を計量して直接ペットボトルに入れる場合は、ボウルやろうとは不要です。

誘引剤の作り方

誘引剤の作り方は、材料を混ぜ合わせるだけです。混ぜる順番もとくに指定はありません。

さらに、分量もピッタリである必要はありません。割合がおよそ3:1:1になるようにし、少しくらいであれば多過ぎたり材料が足りなくても、誘引剤として使用することができます。 酒類は焼酎や日本酒など、複数を混ぜ合わせて量を調節してもよいです。

ぶどうは誘引剤の発酵を促進するために入れますが、なくても誘引剤は作れます。

トラップ容器の作り方

大まかな作り方は、ペットボトル上部にスズメバチ誘引用の2cm四方の窓を4つ開け、ひもをくくりつけて完成です。詳しくみていきましょう。

・誘引剤をペットボトルに入れる
・ペットボトル上部に「H」型の切り込みを入れる
・上部の切り込みは外側に、下部の切り込みは内側に折り曲げる
・ペットボトルの口部分にひもをくくりつける

切り込みを入れた後に誘引剤を入れるとこぼれてしまうので、まずは液体をペットボトルに入れましょう。 ペットボトル内で混ぜ合わせる場合は、ふたを閉めてよく振り、砂糖をしっかりと溶かします。

次にカッターナイフでペットボトル上部に2cm四方の穴を開けるため、「H」型に切り込みを入れます。 このとき、定規とサインペンを使ってあらかじめ線を引いておくと作業が行いやすいです。 穴が小さすぎるとスズメバチが入れないので、「H」の1つずつの線が2cmになるように切り込みを入れましょう。

切り込みを入れたら、上の切り込みは雨が入らないように外側に折り曲げます。 下の切り込みは一度入ったスズメバチが出てこれないように内側に折り込みます。このとき、ペットボトルのふちで手を切らないように注意してください。

最後にペットボトルの口部分の出っ張りに引っ掛ける形でひもをくくり、庭木や物干し竿にかけられるようにしたら完成です。 逃げられないようにするため、忘れずにペットボトルのふたを閉めましょう。

スズメバチトラップの使い方

スズメバチトラップを正しく使って、巣を作る前に女王蜂を捕まえましょう。

設置する時期

スズメバチトラップを設置する時期は、冬眠から目覚めた女王蜂が1匹で活動している3月上旬から5月ごろまでです。

巣ができてくる6月以降に設置すると、新しい巣で育った働き蜂を大量に誘引してしまい危険です。 また、春先であっても、すでに巣ができている場所では使用しないでください。

設置する時間帯

設置作業は日没から2、3時間以上過ぎた夜間から日の出の前までに行いましょう。

スズメバチは日中に巣を作る場所を探して飛び回り、夜になると活動を止める習性があります。 日中に設置作業をしていると、スズメバチがトラップに誘引されて近づいてきて刺されてしまう可能性があります。

とくに遅めの時期になると他の巣で増えた働き蜂が誘引されて、多くの蜂が集まる可能性もあります。 危険度が増すため活動を止めている夜間に作業をしましょう。

設置場所

スズメバチを設置するのに適しているのは次のような場所です。

・人通りが少ないところ
・子どもの手が届かない高さ
・日陰になるところ

スズメバチトラップを設置するとスズメバチを引き寄せるため、刺される危険が増えます。 人通りが少なく、トラップを設置しても生活に影響しにくい場所に設置しましょう。 ベランダや物干しへの設置は管理がしやすいですが、洗濯物を干す際にスズメバチと接触する機会が増えるのでオススメできません。

また、子どもの手が届かない高さに設置することも重要です。 子どもが好奇心から触ってしまう可能性や、遊んでいる最中に手が当たってしまうことも考えられます。 スズメバチトラップの中身をこぼしてしまうと、まだ生きている蜂が出てきて刺されるリスクがあります。 また長期間屋外に設置された誘引剤に触れるのは、衛生面から考えて避けた方がよいでしょう。

さらに可能であれば日陰に設置します。日向では誘引剤がすぐに蒸発してしまい、頻繁な交換が必要になります。 またスズメバチは日差しの強い場所は好まず、巣作りの候補地として訪れる可能性が低いです。誘引の効果が下がってしまうことも考えられます。

交換の時期

スズメバチトラップの交換時期の目安は2週間程度です。長期間置いておくと匂いなどの誘引の効果が薄れてしまいます。 また、環境によって効果の持続期間が異なります。以下のポイントに注目して観察し、適宜交換してください。

・水面が蜂で覆われている
・液体の量が少なくなっており、溺れるほどの量がない

誘引剤の水面が蜂でいっぱいになっていると、誘引されて入ってきた蜂が溺れることなく逃げてしまいます。

同様にトラップ内の液体の量が少なくなっていると溺れるほどの水量がなく、逃げ出してしまう可能性があります。 定期的にトラップ内の状態を確認して、必要に応じて交換するようにしましょう。

スズメバチトラップの注意点

スズメバチトラップを設置する際に注意してほしいポイントがあります。 設置するあなた自身だけでなく、周囲で生活する人の安全を守るためにも確認しておきましょう。

トラップ設置中の張り紙をしておく

スズメバチトラップを設置していることを周囲の人に伝えるために張り紙をしておきます。 「スズメバチ捕獲中」や「スズメバチを捕まえています」と書いた張り紙をトラップの近くで目立つように貼り、注意喚起をしましょう。

死んだ蜂には触らない

スズメバチトラップを処分する際には死んだ蜂には触らないようにしましょう。 スズメバチは毒針を出したまま死んでいたり、死んだあとでも体に触った時の反射で毒針が出ることがあります。 スズメバチトラップは下記の手順で適切に処理してください。

・厚手のゴム手袋や軍手を付ける
・ポリ袋に新聞紙など液体を染み込ませるものを敷き詰める
・ペットボトルの上部を切り取る
・液体と蜂をポリ袋の中にあける
・ポリ袋の口を縛り、燃えるゴミとして処分する

ペットボトルから蜂が取り出せない場合は、トングや割り箸などを使うのがオススメです。 また、つかむ際は腹(膨らんだ部分)をつかむと反射で針が飛び出ることがあるので、頭や胸を持つとよいでしょう。

容器は各自治体の廃棄区分に従って処分してください。

アシナガバチやミツバチには効果がない

スズメバチトラップは名前の通りスズメバチには効果がありますが、アシナガバチやミツバチには効果がありません。

とくにミツバチは生態がスズメバチとは大きく異なるため、スズメバチトラップで駆除することはできません。

やみくもに設置しない

スズメバチ駆除のためにトラップをやみくもに設置するのはオススメできません。理由には次の2点があげられます。

・スズメバチを誘引してしまう
・スズメバチは農作物につく芋虫などを食べる益虫でもある

スズメバチトラップを設置することで、スズメバチを誘引してしまいます。 スズメバチが巣を作るのには適さない場所にトラップを設置すると、本来はスズメバチとの遭遇のリスクが低かった場所にも蜂が誘引されてしまい、刺される可能性があります。

スズメバチトラップはスズメバチが春に頻繁に訪れていたり、過去に巣を作られたことがある場所など、今年も巣ができる可能性が高い場所に狙いを絞って設置しましょう。

また、スズメバチは幼虫のエサにするために芋虫を捕まえる習性があります。 農作物につく害虫を駆除してくれる益虫としての役割もあり、農薬の使用回数を減らせるという点ではスズメバチがいた方がよい場合もあります。

スズメバチが巣をつくっていても生活する上で危険がないのであれば、むやみに駆除をせず見守ることも考えてみましょう。

スズメバチに巣が作られてしまったらどうすればいい?

スズメバチが巣を作ってしまったら、トラップの設置では対処できません。 そこで、スズメバチに巣が作られてしまった場合の対処法をご紹介します。

専門の駆除業者に依頼

蜂の種類によっては巣が小さいうちに自力で駆除する方法もありますが、スズメバチの場合は専門の駆除業者に依頼するのがよいでしょう。

駆除業者に依頼すべき理由
・スズメバチは攻撃性が高い
・スズメバチは毒性が強く、死に至ることもある

スズメバチは他の蜂と比べて攻撃性が高く縄張り意識が強いため、巣に近づくと巣を守るために攻撃をします。 また、敵とみなしたものには専用のフェロモンをかけて、フェロモンを目印に群れで攻撃することもあります。

さらに、スズメバチの毒は免疫系と神経系に関係した複雑な化合物です。 一度刺されただけであれば強い痛みや痒み、刺された場所が腫れ上がる程度の症状で済むこともありますが、何度も刺されたり、一度に多くのスズメバチに刺されると重篤なアレルギー症状を引き起こし、窒息死する可能性もあります。

スズメバチの駆除は危険度が高いため、専門業者に依頼するのがオススメです。

ハチトラップはカルピスを使うと効果的?

「ハチトラップ」と検索すると、カルピスというキーワードが出てきて驚いた人もいるでしょう。

甘い匂いのする液体として、酒と砂糖の代わりにカルピスやジュースを使用する方法もあります。 カルピスやジュースは安価で手軽に入手できる点でもオススメです。ここでは、カルピスを使ったスズメバチトラップの作り方や効果をご紹介します。

作り方

前述のスズメバチトラップの誘引剤の材料のうち、酒と砂糖のをカルピスやジュースに置き換えます。 希釈するタイプのカルピスは、飲み物として楽しむ場合より濃くした方が効果的なようです。カルピスは通常、4〜5倍に薄めますが、スズメバチトラップではカルピス:水=1:1という例が多く紹介されています。 また、水で割るだけでなく、焼酎などの酒類を使用する方法もあります。

カルピスには巨峰カルピスやピーチカルピスなどの種類がありますが、基本的にはどの種類でも効果はあるようです。 どの種類のカルピスを使うとよいか、水と酒類どちらの方が効果があるのか、など詳しい実験データはありませんが、今までの使用者がさまざまな実験をしているのであなたも試してみてはいかがでしょうか。

ジュースでスズメバチトラップを作る際には、希釈せずにそのまま飲むタイプのカルピスやファンタグレープ、ぶどうジュースを使用する例がインターネット上では紹介されています。 糖分があり発酵することで香りが強くなる飲み物が使用されることが多いようです。

カルピスやジュースなどで作ったスズメバチトラップは、甘い香りでミツバチも誘引してしまいます。 酢を入れるとミツバチの誘引を防ぐことができるので、カルピスなどを使う場合には酢も入れるようにしましょう。

効果

カルピスやジュースを使ったスズメバチトラップもスズメバチを捕まえる効果はあります。 ただ、お酒を使った場合の方が数が多く捕まったと感じている口コミもあるようです。

しかし、スズメバチの発生については気候などの影響で年によって違うため、正しく比較はできません。 いろいろな材料で試してみて用意しやすいもの、扱いやすいものを採用するのもよいでしょう。

まとめ

スズメバチトラップは冬眠から覚めたばかりの女王蜂を捕まえて、巣や群れを作らせないようにすることが目的です。 身近な飲み物とペットボトルで作れるので、毎年スズメバチが巣を作るような場所にあらかじめ設置しておくのもよいでしょう。

スズメバチトラップを使用する際は、設置者や近隣住民の安全を守るために紹介した注意点を守り、適切に使用してください。

また、スズメバチトラップを設置したにも関わらず巣ができてしまった場合は、専門業者に駆除を依頼しましょう。

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