
【蜂の巣駆除】自分で安全に退治する方法と場面別対処方法
自宅の軒下などに作られた蜂の巣を、自分で駆除しようと考えている人もいるはずです。 しかし、素人が蜂の巣を自力で駆除するのは大変危険です。 そこで、蜂の巣を自分で安全に駆除できる条件や、万が一刺されてしまった時の対処法をご紹介します。
 
    目次
・蜂の巣は自分で駆除できる?
└蜂の種類と見分け方
└蜂の巣の場所
└蜂の巣の大きさ
・蜂の巣を安全に自分で駆除する方法
└駆除におすすめの時間帯
└香りがするものを避ける
・刺されてしまった時の対処方法
└自宅での応急処置方法
└病院に行くべきか判断する
└自分で駆除する場合の手順
・蜂が攻撃してきた時の対処方法
・家の中に蜂が入り込んだ時の対処方法
└追い出す方法
└追い出す場合の注意点
└家の中に入ってくる原因
・蜂の巣を作らせない方法
・まとめ
蜂の巣を駆除するタイミング
    蜂の巣を駆除する際、最適な時期があります。適切な時期を選ばないと、駆除が難しくなったり、ハチの数が多すぎて対処が困難になることがあります。逆に、時期と時間を選べば、安全に作業を終えられます。
    おすすめの時期は春先です。女王蜂が冬眠から目覚めたばかりで、巣の規模も小さいためです。この時期の巣には数匹のハチしかいないことが多く、攻撃されるリスクも低いです。
    一方、夏はハチの繁殖期で、ハチたちはエサを求めて活発に動き回ります。このため、夏に個人で駆除するのは非常に危険です。駆除作業は避けるべきです。
    また、作業時間も重要です。昼過ぎまでは働き蜂が攻撃的なので避け、夕暮れ以降の活動が鈍る時間帯が望ましいです。
 
蜂の巣は自分で駆除できる?
自宅に蜂の巣ができた時、自分で駆除しようと考える人も多いはずです。 しかし、知識や経験のない素人が蜂の巣を駆除しようとするのは大変危険です。 どうしても自分で駆除するのであれば、以下にご紹介する条件をクリアしているかを確認してから行いましょう。 条件を1つでも満たしていない項目があれば、無理をせずに蜂駆除業者に駆除を依頼してください。
 
    蜂の種類と見分け方
蜂の巣を自力で駆除するのであれば、蜂の種類や特徴を把握しておく必要があります。
        国内には主にミツバチ、アシナガバチ、スズメバチの3種類が生息しています。
        〇ミツバチの特徴
        ・体長は12mm~20mmほど
        ・全体的に丸みを帯びている
        ・胴体は黒っぽい縞々
        ・全身が毛で覆われている
        
        ミツバチは性格が大人しく、自分から人間を襲うことはありません。
        ただし、巣を攻撃されると自衛のために集団で襲い掛かってきます。
        ミツバチは1度針を刺すと、針ごと内臓が抜けてしまうため死んでしまいます。
        しかし、皮膚に残った針や蜂毒から強い匂いが発せられ、他の群れを引き寄せてしまうため注意が必要です。
        ミツバチは野菜や果物の成長に欠かせない益虫なので、基本的に駆除の必要はありません。
        ですが、軒下や床下に巣を作られると、蜂蜜が垂れてアリなどがたかるなど被害が出てしまいます。
        そのような場合はミツバチの巣を駆除することになります。
        〇ミツバチの巣の特徴
        ミツバチの巣は板状で、垂れ下がっている形状をしています。
        横幅が1mを超えるほどの大きさになることもあり、巣の中には数千~数万匹もの働き蜂が生息しています。
        巣を攻撃されるとミツバチの群れに一斉に襲われるため、大きいサイズの巣を自分で駆除するのは難しいでしょう。
        〇アシナガバチの特徴
        ・体長は21mm~26mmほど
        ・全体的に細長くスリムで足が長い
        ・飛行速度は遅くフラフラ飛ぶ
        ・足が黄色く胴体は黄色と黒の縞々
        
        性格は大人しく、自分からは攻撃をしません。
        ですが、巣に近づくと威嚇行動を取った後に攻撃してきます。
        アシナガバチはミツバチと違い、何度でも刺すことが可能です。
        アシナガバチの毒性は強く、刺されると腫れやかゆみなどを発症します。
        蜂毒にアレルギーがあると、呼吸困難などアナフィラキシーショックを引き起こします。
        最悪の場合、死亡する恐れがあるため大変危険です。
        〇アシナガバチの巣の特徴
        アシナガバチの巣は、シャワーヘッドや逆さまになったお椀のような形状をしています。
        4月ごろは5cmほどと小さく、活動が活発化する夏は15cmほどの大きさになります。
        巣のサイズが5cmほどの大きさであれば、道具を揃えることで自力で駆除することも可能です。
        ただし、小さいサイズでも巣の中には数十匹のアシナガバチが生息しています。
        危険だと感じた場合、無理をせずに業者に依頼しましょう。
        〇スズメバチの特徴
        ・体長は17mm~40mmほど
        ・全体的にガッシリしていて腰がくびれている
        ・飛行速度は速くまっすぐ飛ぶ
        ・足が黒く胴体は黄色と黒の縞々
        
        スズメバチは攻撃性が高く、凶暴な性格をしています。
        人間を見ただけで攻撃してくるため絶対に近寄らないようにしましょう。
        〇スズメバチの巣の特徴
        スズメバチの巣は、作り始めた頃はフラスコ型をしていますが、完成すると巨大な球体になります。
        大きいものでは直径60cm以上にもなり、外側はブラウンのマーブル模様が特徴です。
        7月以降は巣の内部に200~500匹以上が生息しており、知識や経験のない素人が、スズメバチの巣を駆除するのは命の危険を伴います。
        必ず業者に依頼して駆除してもらいましょう。
    
 
    蜂の巣の場所
蜂の巣のある場所次第で、自分で駆除できるか、業者に依頼するかを決めるといいでしょう。
        次の場所に蜂の巣があった場合は、自分で駆除することが可能です。
        ・軒下
        ・ベランダ
        ・1階の窓際
        ・手の届く高さの天井
        ・庭木
        ・室外機の中
        
        しかし、以下の場所に巣ができていたら、業者に依頼して駆除してもらってください。
        ・屋根裏
        ・床下
        ・壁の中
        ・手の届かない高さの天井
        ・2階の窓際
        
        自分で蜂の巣を駆除する場合は、手の届く範囲だけにしましょう。
        はしごを使う必要がある高所や、身動きが自由に取れない閉所で作業はしないようにしてください。
        蜂の巣駆除に慣れていない人が高所で作業をすると、落下して怪我をする恐れがあります。
        同様に、逃げ場のない閉所での作業は、蜂の大群に襲われる恐れがあるため防護服が必要不可欠です。
        また、床下や壁の裏にある蜂の巣駆除には、壁を壊したり床板を開けるなど素人では難しい作業も必要になります。
        このような場合も、業者に依頼して駆除してもらいましょう。
    
 
    蜂の巣の大きさ
自分で安全に蜂の巣を駆除できるのは、女王蜂が冬眠から覚めて活動を開始する4月~5月までです。
        この時期は女王蜂一匹で巣作りを行うため、巣のサイズもそれほど大きくありません。
        蜂の巣のサイズが大人の手に収まる15cm以下であれば、駆除するための道具を用意して慎重に行えば、比較的安全に駆除が可能です。
        ただし、巣の大きさが15cm以上のスズメバチの巣には絶対に近づかないようにしてください。
        スズメバチの駆除はプロであっても命がけの作業になります。安全を優先して業者に依頼しましょう。
    
 
蜂の巣を安全に自分で駆除する方法
蜂の巣を自分で駆除する際は、次の条件を厳守してください。
        ・蜂の種類がスズメバチ以外
        ・蜂の巣の大きさが15cm以下
        ・はしごが必要ない手の届く高さにある
        ・広くて動きやすい場所にある
    
    また、蜂の巣を駆除するために、以下の道具を必ず揃えましょう。
        ・防護服
        ・殺虫剤
        ・ハサミ
        ・ゴミ袋
        ・ハサミ
        ・トング
        ・虫取り網
        ・懐中電灯
        ・掃除用具
    
    蜂の巣駆除を行う際は、蜂に刺されるのを防ぐために防護服は必要不可欠です。
    ですが、防護服は1万円~5万円と安くありません。そこで、まずは市役所などに蜂駆除の相談をしてみてください。
    自治体によっては蜂駆除の道具一式を貸し出している場合もあります。
    防護服が用意できない場合は厚手の帽子、ゴーグル、レインコート、手袋、長靴、厚手の作業着で肌が露出しないように防護しましょう。
    殺虫剤は合成ピレスロイド系が配合されている物を選びましょう。
    予備として2~3本ほど用意しておくと確実です。ゴミ袋は2~3枚重ねておくと破れる心配がありません。
    懐中電灯の電灯部分には、赤いセロファンを貼っておきましょう。光に蜂が集まるのを防げます。
 
    駆除におすすめの時間帯
蜂の駆除は日没から2~3時間の間に行います。日中は蜂も活発に活動しているため、働き蜂がいない恐れがあります。
        まとめて駆除するために、蜂が巣に戻る夕方以降に行いましょう。
        周囲が暗くなってから駆除をすることになるので、日中の間に巣の場所を確認しておいてください。
        懐中電灯の光は蜂を刺激するため、赤いセロファンを貼っておきましょう。蜂に襲われづらくなります。
    
香りがするものを避ける
蜂は強い匂いに敏感です。 整髪料や香水はもちろん、汗の匂いや洗剤の匂いにも引き寄せられます。蜂の駆除を行う際は、匂いのするものはつけないようにしましょう。
 
刺されてしまった時の対処方法
自分で蜂の巣の駆除をしている際に刺されてしまったら、アレルギー症状が重い場合はすぐに救急車を呼んでください。 ですが、状況次第では病院に行くことができない場合もあります。そのような時は、以下の方法で応急処置をしましょう。
 
自宅での応急処置方法
①蜂の針を皮膚から抜き取る
    蜂の針から蜂毒が侵入するのを防ぐために、ピンセットや粘着テープなどで針を抜いてください。
    ②刺された箇所を水で洗い流す
    蜂毒は水に溶けやすい水溶性です。流水で洗い流すことで毒の成分を薄められます。
    ③蜂毒を爪で絞り出す
    流水で刺された箇所を洗い流しながら、蜂毒を爪で絞り出してください。
    この時、絶対に口で吸い出すことはしないようにしましょう。
    口内に傷があった場合、そこから毒が侵入する恐れがあります。
    ④刺された箇所を冷やす
    蜂毒を抜いた後に刺された箇所を冷やすことで、毒が回るのを防げます。
    ⑤患部に市販薬を塗る
    炎症やかゆみが強い場合は、抗ヒスタミン系成分が配合されたステロイド軟膏を患部に塗って様子を見ましょう。
病院に行くべきか判断する
蜂に刺されたあとで次のような症状を発症したら、速やかに救急車を呼んでください。
        ・嘔吐を繰り返している
        ・全身に蕁麻疹が出ている
        ・しびれ、むくみ、腫れが生じている
        ・呼吸困難の症状がでている
        ・意識障害が出ている
        ・強い頭痛や倦怠感がある
    
    これらの症状が出た場合、アナフィラキシーショックを起こしている可能性があります。
    命の危険があるため、すぐに病院を受診しましょう。
 
自分で駆除する場合の手順
駆除用の道具を用意したら、次の手順で蜂の駆除を行います。
        1.蜂の巣に殺虫剤を吹きかける
        2.ハサミやトングで蜂の巣を落とす
        3.蜂の巣をトングでゴミ袋に入れる
        4.掃除用具で蜂の死骸をゴミ袋に入れる
        5.蜂の巣のあった場所に殺虫剤を吹きかける
    
    防護服などを着用して準備が整ったら作業を開始します。
    まずは蜂の巣から2~3m離れた場所から殺虫剤を噴射します。
    動く蜂がいなくなるまでスプレーを吹きかけてください。
    安全を確認した後に、ハサミやトングで巣を地面に落とします。
    蜂は死後も反射で針を出すため、素手で触らないようにしましょう。
    トングやホウキなどで蜂と巣をゴミ袋に入れた後は、袋の中に殺虫スプレーを吹きかけておきます。
    最後に逃げた蜂が戻ってくる「戻り蜂」を防ぐために、殺虫スプレーを巣のあった場所に1週間ほど継続して吹きかけます。
    蜂の死骸と巣を入れたゴミ袋は、燃えるゴミの日に出してください。
 
蜂が攻撃してきた時の対処方法
蜂が攻撃してきたら、手で追い払ったり大声をだすのは厳禁です。 蜂が攻撃されたと思い、警戒フェロモンを出して仲間を集めようとします。 また、走って逃げると蜂を刺激してしまうため、蜂に襲われたらしゃがみながらゆっくりと後ずさりしてください。
家の中に蜂が入り込んだ時の対処方法
日中に窓を開けていると、さまざまな虫が侵入してきます。 中には蜂が入ってきて驚いてしまうこともあるはずです。 そのような時、どのように対処すればいいかをご紹介します。
追い出す方法
蜂が家の中に入ってきたら、以下の方法で追い出しましょう。
            1.蜂から距離を取る
            まずは蜂に刺されないように距離を取り、暗がりに隠れてください。
            2.部屋を暗くする
            部屋の中を暗くするために、電気のスイッチを切ります。
            3.窓を開けて蜂を外に出す
            蜂は明るい方に向かう習性があるので、太陽が見える方の窓を開けておきます。
            しばらくすると蜂は外に出ていくはずです。
        
 
    追い出す場合の注意点
蜂が室内に刺入すると、ついつい大声を出して騒いでしまいがちです。
            しかし、大きな音や追い払うような仕草は、蜂を興奮させるためやめましょう。
            蜂が部屋に入ってきたら、まずは避難を優先してください。自分以外にも家族がいる場合は、別の部屋に移ってもらいましょう。
            特にお子さんがいると、不用意に近づいてしまう恐れがあるため注意してください。
            また、香水や整髪料など、強い匂いを発するものをつけていると襲われる可能性が高いため、すぐに避難しましょう。
        
家の中に入ってくる原因
蜂を部屋に侵入させないためには、どこから入り込んでいるのかを把握する必要があります。
            蜂は主に、次のような経路で室内に入ってきます。
            1.開けっ放しの窓
            夏など暑い時期はついつい窓を開けっ放しにしがちです。
            窓を開ける際は、網戸越しにするといった対策を取りましょう。。
            2.洗濯物の中
            意外に思うかもしれませんが、蜂は洗濯物の中に紛れて室内に侵入します。
            蜂は匂いに敏感なため、洗濯で使用する洗剤の匂いにつられてしまうのです。
            洗濯物を取り込む際は、蜂がくっついていないかチェックしましょう。
            3.換気口の隙間
            換気口は蜂だけでなく、さまざまな害虫の侵入経路として知られています。
            特にキッチンの換気口は要注意です。
            蜂とともに油分を餌にしている虫まで入り込んでしまいます。
            換気口にカバーやネットをつけて、蜂やその他の虫の侵入を防ぎましょう。
            4.網戸の破れた部分
            網戸が破れていると、その部分から蜂が侵入します。
            せっかく網戸で蜂の侵入を防いでいても、網戸に穴が空いていたら意味がありません。
            蜂が侵入するほどの穴では、蚊やハエなど他の虫も侵入してしまいます。
            網戸に穴が空いていたら、新しいものに交換するか応急処置用のテープを使って補修しましょう。
            5.エアコンの室外機
            エアコンの室外機は、蜂が巣を作る条件を満たしています。特にアシナガバチが好んで巣を作るため注意しましょう。
            蜂が巣を作っていることに気づかずにエアコンを動かし、故障するケースもよくあります。
            また、室外機のダクトを通って室内に侵入するため、蜂が巣を作っていないかチェックしましょう。
        
蜂の巣を作らせない方法
「毎年のように同じ場所に蜂の巣が作られてしまって困っている」という人も少なくないはずです。
    そのような場合は、次にご紹介する方法で巣を作らせないようにしましょう。
        ・煙や燻煙剤を焚く
        ・ハッカ油や木酢液を塗る
        ・殺虫スプレーを継続して吹きかける
        ・虫よけネットで蜂を近づかせない
    
    上記のような方法を取ることで、蜂を遠ざけることが可能です。
    しかし、住宅街で煙や燻煙剤を焚いたり、臭いの強い木酢液を塗ると近隣に迷惑をかけてしまいます。
    住宅街で使用するのであれば、ハッカ油や殺虫スプレーを活用しましょう。
    上記でご紹介した侵入経路にハッカ油を塗る、継続して殺虫スプレーを撒く、虫よけネットを吊るしておくといった対策をすることで、蜂を遠ざける効果が期待できます。
    ただし、近くに蜂の巣があると効果は期待できません。その場合は、業者に依頼して蜂の巣を駆除してもらいましょう。
 
まとめ
自分で蜂の巣を駆除するのであれば、安全に駆除できるかの判断基準を守ることが重要です。 安全とされる基準を1つでも満たしていないのであれば、無理をせず業者に駆除を依頼しましょう。 特にスズメバチの巣を素人が駆除するのは大変危険な行為です。 怪我をするだけでなく、最悪の場合は命を落とす恐れがあります。 駆除を行う際は、安全かどうかをしっかり見極めてからにしましょう。
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