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【害獣駆除】市役所・保健所に相談する際の注意点

害獣の駆除をお願いする場合、市役所や保健所で受け付けてくれるのか気になる人も多いはずです。 そこで当記事では、害獣駆除の依頼を市役所や保健所が受け、対応しくれるのかを解説します。 併せて害獣を寄せ付けない方法や侵入された後に住み着かせないための対策もご紹介します。

目次

・市役所は害獣駆除をしてくれるのか
・行政が対応してくれる5つのこと
 └害獣駆除の許可
 └駆除方法や被害対策のアドバイス
 └罠・捕獲器の貸し出し
 └害獣駆除業者の紹介
 └害獣駆除費用の一部負担
・害獣が住み着かないための対策
 └床下換気口カバーの設置
 └屋根と壁の間をふさぐ
 └対策グッズを設置する
 └リフォームをする
・害獣駆除は専門業者への依頼がおすすめ
・まとめ

市役所は害獣駆除をしてくれるのか

人間の生活圏を荒らす獣を総じて「害獣」と呼びます。 一般的に害獣には、次のような動物が挙げられます。

1. ネズミ
2.ハクビシン
3.アライグマ
4.イタチ
5.クマ
6.イノシシ
7.タヌキ
8.シカ
9.コウモリ
10.野良猫
11.野良犬など


害獣による被害(獣害)には「農業被害」「森林被害」「家屋被害」「人的被害」の4種類があります。

もっとも多い獣害といえば、イノシシやシカに畑を荒らされる「農業被害」が代表的です。 また、自宅に害獣が侵入し家財道具を傷つけるなどの「家屋被害」も少なくありません。

これら害獣による被害に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。 なんとかして追い出すなり駆除をしてもらうために、市役所や保健所に相談しようと考えている人もいるはずです。

しかし、市役所や保健所は相談を受け付けてくれますが、害獣駆除までは行ってくれません。 害獣の被害を解決したいのであれば、業者に依頼するのが確実な方法です。

行政が対応してくれる5つのこと

市役所や保健所等の行政機関は駆除業者ではないため、害獣駆除はしてくれません。 ですが、次のような5つの対応をしてもらえるため、害獣に悩まされているのであれば一度相談してみるといいでしょう。

1.害獣駆除の許可
2.駆除方法や被害対策のアドバイス
3.罠・捕獲器の貸し出し
4.害獣駆除業者の紹介
5.害獣駆除費用の一部負担


以下では行政が対応してくれる5つのことを解説します。

害獣駆除の許可

害獣は資格や免許なしに駆除はできません。 必ず市役所で許可を取る必要があります。

国内に生息している鳥獣は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」で守られており、勝手に捕獲や駆除することを禁止されています。 鳥獣保護管理法に違反すると「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」などの罰則が科せられます。

害獣駆除を行う際は、「鳥獣の捕獲等許可申請書」「実施者名簿」「捕獲場所がわかる図面」を市役所に提出し、許可を取らなければいけません。

また、害獣駆除のために「くくり罠」や「箱罠」を使用する場合は、別途で「わな猟免許」が必要になります。 無免許で罠を使った駆除を行うと「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」や猟具の没収といった罰則が科せられます。

ただし以下の条件を満たしていれば、わな猟免許がなくても罠を使った鳥獣の捕獲が可能です。

・市役所の許可を取っている
・罠を仕掛けられるのは自分の農地や自宅の敷地のみ
・小型の鳥獣を捕獲することが目的
・使えるのは小型の箱罠など

駆除方法や被害対策のアドバイス

市役所に害獣駆除の相談をすることで、駆除方法や被害対策のアドバイスを受けられます。 害獣被害を受けるのが初めての場合、どのように対処すれば良いか分からず戸惑ってしまうものです。 そのような時に市役所に相談することで、駆除に必要な罠や効果的な対処法などの助言をもらえます。

罠・捕獲器の貸し出し

市役所では直接駆除はしませんが、駆除に必要な捕獲器や防護服など道具一式の貸し出しを行っている場合があります。

害獣駆除に必要な道具を揃えると、数千円~数十万円とコストがかかります。 何度も使うのであれば、道具一式を購入しておいたほうが結果的にお得です。

しかし、1回か2回しか使わないのであれば、高額な駆除道具を購入しても持て余してしまいます。 そのような場合、市役所で行っている無料のレンタルを利用することで、害獣駆除のコストを抑えられます。 ただし、市役所によっては罠や捕獲器の貸し出しを行っていない場合もあります。 自分で駆除を行うのであれば、まずは市役所で道具を借りられるか確認しましょう。

害獣駆除業者の紹介

自分で害獣駆除が無理であれば、業者に頼むことになるはずです。 しかし、まったく情報のない状態から業者を探すのはとても大変です。 たとえば実績のない業者を選んでしまい、きちんと駆除もしてもらえなかったのに料金だけは高い、というケースも絶対にないとは言い切れません。

市役所に相談することで、市役所と委託契約を結んでいる害虫駆除業者を紹介してもらうことが可能です。 また、念のためにインターネットなどでいくつか業者をピックアップして見積を出してもらいましょう。 そして各業者の見積を比べて、納得できるサービスや価格の業者を選ぶことをオススメします。

害獣駆除費用の一部負担

害獣駆除に使う道具の購入費用などを、一部負担する制度を実施している自治体もあります。 ただし、費用の一部負担を受けるには、次のような条件を満たしていなければなりません。

・市区町村に住んでいる
・税金を滞納していない
・農林業に従事している


これらの条件を満たすことで、防護柵や小型の箱罠を購入する費用の一部を負担してもらえる可能性があります。 各自治体によって条件が異なるため、市役所に問い合わせて確認しましょう。

害獣が住み着かないための対策

害獣駆除は専用の道具を用意する必要はありますが、小型の害獣なら自分で行えます。 駆除が難しい害獣であれば、安全のためにも業者に依頼するといいでしょう。 ですが、害獣を駆除するとなると、どちらの方法でもコストがかかってしまいます。 できるだけお金をかけたくないのであれば、害獣が住み着く前に次のような対策を講じることをオススメします。

・床下換気口カバーの設置
・屋根と壁の間をふさぐ
・対策グッズを設置する
・リフォームをする


以下では害獣が住み着かないための4つの対策を解説します。

床下換気口カバーの設置

害獣の侵入経路としてまず挙げられるのが、床下の通気口や換気口です。 たとえばイタチは、直径3cmの隙間さえあれば侵入できます。 通気口や換気口に金網が設置されていても、僅かな隙間が空いていれば床下に潜り込めてしまいます。

害獣を床下に侵入させないために、換気口や通気口にカバーをするという方法が挙げられます。 そのために、まずは自宅のどこに通気口があるのかを確認しましょう。 通気口は本来、床下に湿気がこもるのを防ぐ役割があります。 自宅が大きければ、それだけ通気口の数も多いためチェック漏れをしないようにしましょう。

換気口や通気口を見つけたら、侵入させないようにカバーで塞ぎます。 その際、カバーの隙間が3cm以下のものを選ぶようにしてください。また、力ずくで開けられないように、金属製のカバーがオススメです。

ただし、害獣を床下に侵入させたくないからといって、通気口を完全に塞いでしまうのは厳禁です。 通気口を完全に塞ぐと空気の通りが悪くなり、次のようなデメリットが生じます。

・建築基準法で「24時間換気システムの設置」が義務付けられている
・湿気が溜まりシロアリ、ダニ、カビが発生しやすくなる
・床下の木材が腐り住宅の寿命が縮む


これらのデメリットを防止するためにも、通気口を完全に塞ぐのはやめておきましょう。

屋根と壁の間をふさぐ

床下と同じくらいに多いのが、屋根裏への侵入です。害獣が屋根裏に侵入する経路として、以下が挙げられます。

・換気扇
・屋根付近の通気口
・エアコンの室外機


室外と室内を繋いでいるこれらの箇所から害獣は侵入します。 小型の害獣は、換気扇に開いている僅かな隙間からでも侵入します。 床下と同様に、天井付近の通気口も要注意です。金網の隙間が3cm以上あれば、簡単に侵入されてしまいます。

また、エアコンの室外機はネズミにとって便利な出入り口です。 使われていない時間帯にエアコン内から室内に入り込みます。 室外機のパイプを通す壁に穴があいていれば、そこから壁裏に入り込んで天井裏まで侵入するケースも少なくありません。 他にも老朽化して穴の空いた壁面から、害獣は簡単に侵入します。

屋根裏に侵入するのを防ぐ方法として、屋根と壁の間を金網などで塞ぐのが効果的です。 また、業者に依頼するなどして、壁面に穴が空いていないかをチェックしてもらいましょう。 穴が開いている箇所をすべて塞ぐことで、壁裏から屋根に侵入することを防げます。

対策グッズを設置する

害獣が侵入すると思われる経路上に、害獣専用の対策グッズを仕掛けておくのも効果的です。 たとえば害獣の侵入経路の1つに雨樋があります。 雨樋は屋根の上に水が溜まらないように、地面まで流す役割があります。 しかし、害獣にとっては登りやすく、侵入経路として使われてしまいます。 そこで、雨樋にねずみ返しを仕掛けることで、簡単に侵入を防げます。

他には害獣が嫌う臭いを発する忌避剤を使用するのもいいでしょう。 忌避剤には固形タイプと液体タイプの2種類あります。 どちらも侵入経路に撒いておくことで、害獣の侵入を防げます。 ただし、臭いが強い忌避剤は、ペットや人間にも不快な思いをさせる恐れがあります。 忌避剤を使用する際は、近隣トラブルを起こさないように十分注意しましょう。

畑を荒らす害獣の対策には、小型の箱罠や防獣フェンスが効果的です。 ただし、害獣を捕獲・駆除するには市役所の許可が必要となるため、忘れずに申請する必要があります。

これらのような害獣対策グッズを利用することで、侵入を防げます。

リフォームをする

害獣対策グッズは、まだ害獣が侵入していない場合に効果的です。 しかし、すでに侵入して巣まで作られてしまった場合は、リフォームする必要があるかもしれません。

たとえば天井を走り回る音、シミ、悪臭などがある場合、すでに天井裏に害獣が生息しています。 害獣が住み着くと、糞や餌の食べかすなどから腐臭や悪臭を発生させてしまいます。 この状態まで至ってしまうと、たとえ害獣を駆除しても解決とはいえません。 糞や食べかすを掃除した後も、シミや臭いは残ってしまうからです。建物も傷んでしまっているため、リフォームする必要があります。

害獣が侵入しやすい天井や床下のリフォームは、次のような手順で行われるのが一般的です。

1.害獣を駆除する
2.侵入経路を塞ぐ
3.糞や餌、害獣の毛などを掃除する
4.殺虫剤や殺菌剤で害虫や病原菌を除去する
5.傷んでいる建材をチェックする
6.新しい建材と取り替える


害獣駆除、清掃、リフォームには多額の費用がかかります。 害獣が侵入する前に、対策グッズを活用して害獣を入り込ませないようにしましょう。

害獣駆除は専門業者への依頼がおすすめ

小型の害獣であれば、しっかりと準備をすることで自分でも駆除を行うことは可能です。 しかし、小型とはいっても野生生物に変わりはありません。 噛まれたり引掻かれたりした結果、傷口から菌が入り込んで感染症を引き起こすなどのリスクもあります。

また、自分ではきちんと駆除したつもりでも、害獣が再び屋根裏などに侵入してしまうかもしれません。 害獣駆除の費用を抑えるために自分で駆除をしたのに、裏目に出てリフォーム代までかかってしまう恐れもあるのです。

害獣駆除を専門業者に依頼することで、怪我や病気になるリスクを防げます。 また、たとえ侵入されていても、早期に対処できれば被害を軽微に抑えることも可能です。 害獣被害が深刻化する前に、プロの業者に依頼して駆除してもらうことをオススメします。

どのような業者に依頼すればいいかわからない場合は、以下のポイントを押さえている業者かチェックしてください。

・害獣駆除の実績が多い
・駆除できる害獣の幅が広い
・アフターフォローが万全
・利用者の口コミで評判が良い
・相場よりも安すぎず高すぎない
・サービスが行き届いている


以上のポイントを押さえた業者であれば、作業で手を抜いたりぼったくられる心配もないはずです。

まとめ

当記事では今回、害獣駆除を市役所や保健所が行ってくれるかを解説しました。 基本的に、自治体では害獣駆除を請け負ってはくれません。市役所などで行ってくれるのは、次のようなことが一般的です。

1.害獣駆除の許可
2.駆除方法や被害対策のアドバイス
3.罠・捕獲器の貸し出し
4.害獣駆除業者の紹介
5.害獣駆除費用の一部負担

害獣を自分で駆除する場合、市役所からの許可が必要となります。 また、罠や捕獲器の貸し出しや駆除費用の一部負担を行っている可能性もあるので、まずは市役所に相談してみることをオススメします。

自分で駆除するのは不安がある場合は、プロの駆除業者に依頼しましょう。 怪我や病気にかかる心配もありませんし、確実に害獣を駆除してもらえます。

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