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【ハトの巣駆除】自分でできる?鳩の特徴や注意点を紹介

ハトが自宅の屋根などに巣を作ってしまったら、自分で駆除をしようと考えがちです。 そこで当記事では、ハトの巣を自分で駆除することは可能なのかを解説します。 また、ハトの巣を放置する危険性も併せてご紹介します。

目次

・ハトの特徴と巣を作る原因
 └日本に生息するハトについて
 └ハトが家に巣を作る原因
 └巣を作りやすい場所や時期
・鳩の巣による被害
 └鳴き声
 └糞による被害
 └寄生虫の被害
・自分でできる対処法
 └卵やヒナがいない場合
 └卵やヒナがいる場合
・ハトの巣を駆除する際の注意点
 └鳥獣保護法について
 └怪我や病気をしないよう準備する
 └予防策を行う
・鳩の巣駆除なら専門業者がおすすめ
・まとめ

ハトの特徴と巣を作る原因

ハト目・ハト科に属している鳥類の総称を「ハト」といいます。 世界にハト目は42属290種生息しており、その中で日本特有のハトは5属13種といわれています。

ハトは頭が小さく体が大きいという身体的特徴があります。 また、歩行時は頭を前後させることでも知られています。 ハトは木の実を主食としているため草食と思われがちですが、ミミズなども食べる雑食性です。

ハトの持つ特有の能力といえば、優れた方向感覚や帰巣本能が挙げられます。 迷うことなく巣に戻る習性を持っていることから、伝書鳩としても重宝されてきました。 鳩が道に迷うことなく巣に戻れる理由は、頭の中にコンパスのような働きをする器官があるからといわれています。

伝書鳩や平和の象徴として親しまれてきたハトですが、近年では食害や糞害が問題となっています。

日本に生息するハトについて

日本には以下のような種類のハトが生息しています。

〇カワラバト属
一般的にハトといったらこのカワラバトのことをいいます。元々はヨーロッパ、中東、アフリカに生息しており、いつ頃日本に入ってきたかは定かではありません。 伝書鳩として飼われていたものが野生化したものを「ドバト」と呼んでいます。

カワラバトは世界のいたるところに生息しています。 日本では平和の象徴として扱われていますが、糞害や食物を荒らすなどから害獣としての側面もあります。

〇カラスバト属
カラスという名前の通り、全身が黒色なのが特徴です。 カラスバト属にはカラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナクニカラスバトなどの種類があります。主に小笠原諸島、伊豆諸島などに生息しています。

〇キジバト属
キジと名前にあるように、体の色がキジのメスに似ています。キジバト族にはキジバト、リュウキュウキジバト、シラコバトといった種類があります。 主に本州北部や北海道に生息しています。元々は人との関わりのない山岳地帯に生息していましたが、現在では市街地でも頻繁に見られるようになりました。

〇アオバト属
アオバト属にはアオバト、リュウキュウズアカアオバト、チュウダイズアカアオバトといった種類があります。 アオバトは国内と中国、台湾の一部にのみ生息しています。ですが、数が非常に少なく生態も謎な部分が多いことで知られています。

〇キンバト属
キンバト属はリュウキュウキンバトとも呼ばれています。天然記念物にも指定されており、緑色の羽や赤い嘴が美しいため高い人気を誇ります。 多くのハトと比べてサイズは小さく、生息地は宮古島以南の南西諸島のみなため、見つけることは非常に困難です。

〇ベニバト属
数あるハトの中で最も小さいベニバトは、冬になると西日本に渡来してくる渡り鳥です。 日本に渡ってくる数が少ないため、見かけることはほぼありません。

ハトが家に巣を作る原因

ハトが人間の住む家屋に巣を作る理由は、次のような条件が整っているからです。

1.敵対する動物が少ない
2.水場が近くにある
3.餌を確保しやすい


人間が住む場所には水場や餌が豊富にあります。 加えてカラスなど、敵対する動物が少ないなど、巣を作るのに適した環境にあります。

巣を作りやすい場所や時期

ハトは元々、崖や岩棚といった高所に巣を作る習性があります。 市街地で外敵が来にくい高所で餌や水場が近いといった条件を満たすのが、高層ビル、アパート、マンション、家屋となります。

例えばマンションの空き部屋のベランダは、ハトにとって絶好のポイントといえるでしょう。 他には学校や工場など、人の出入りがなくなる時間帯がある場所も挙げられます。

上記のような条件を満たした場所を見つけると、3~5月頃に営巣を始めます。 産卵は年に5~6回あり、生まれて1~2ヶ月ほどで巣立っていきます。

ハトは巣立ってから6ヶ月を過ぎた頃から繁殖期を迎えます。他の動物とは違い、ハトは1年中繁殖が可能です。

鳩の巣による被害

ハトは人間にとって身近な生き物であり、平和や愛、希望などの象徴としても親しまれています。 反面、ハトの巣があることで、人間の心身に深刻な被害を与える恐れがあります。 以下では、鳩の巣があることで人間に与える被害を解説します。

鳴き声

ハトが人間に与える被害の1つに、鳴き声による騒音があります。 外で耳にする分にはあまり気にならないハトの鳴き声。 ですが、寝室のそばで早朝から鳴かれると、予想する以上にうるさいと感じるものです。

街中や公園でハトが鳴いていても気にならないのに、自宅のそばではうるさく感じるのは、ハトと人間の生活リズムが似通っていることが理由に挙げられます。

人間とハトは同じような時間に起床します。早朝は車や人通りが少なく、雑音がない静かな環境にあります。 そのような中でハトが鳴くため、鳴き声が響いてうるさく感じてしまうのです。

糞による被害

ハトの与える害の中でも、もっとも注意すべきなのが糞害です。ハトの糞害により、以下のような被害が発生します。

1.巣の周りが糞だらけになる
ハトは自分の糞を撒くことで、そこが安全であることを認識しています。 ハトにとっては生きる上で必要な行為といえるでしょう。

ですが、マンションのベランダにハトが巣を作った場合、あっという間に糞だらけになってしまいます。 結果、洗濯物を乾かせなくなるでしょう。さらに雨樋や排水溝に糞が詰まるなど、普通の生活を送ることが困難になります。

2.美観を損ねてイメージを悪化させる
ハトの糞害に気をつけるのは一般家屋だけではありません。 例えば飲食店の店舗の看板や外壁にハトの糞が付着することで、店のイメージの悪化を招いてしまいます。 また、工場や倉庫で商品を外に出している場合、大量の糞が商品を汚すことで損害に繋がります。

3.悪臭が周囲へも悪影響を与える
糞害は美観を損なうだけではありません。 悪臭によって自分だけでなく、周囲へも悪影響を与えかねないのです。 ハトの糞は乾いたあとも悪臭を放ちます。 しかも早い段階で清掃をしないと、糞が大量に溜まり悪臭も広範囲に広まっていくのです。

4.ウイルスや細菌が健康被害を与える
乾いた糞を放置し続けると、いずれ乾いて風に飛ばされます。 飛散した糞にはウイルスや細菌が潜んでおり、吸い込むことでアレルギー症状などの健康被害を引き起こします。

5.車や建物を腐食させる
ハトの糞は金属を腐食させるといわれています。大量の糞を放置した結果、橋が崩落するという事故が国内・国外で発生しています。 ハトの糞が原因で腐食した建物や車は、価値が下がるだけでなく寿命を縮めることにもなります。

6.害虫の発生につながる
ハトの糞を放置することで、糞を餌にしている害虫を引き寄せてしまいます。 害虫がベランダや室内に巣を作った場合、さらに健康被害などを引き起こす恐れがあります。 また、ハトの巣の駆除だけでなく、害虫駆除にもお金がかかってしまいます。

寄生虫の被害

ハトの糞や体に潜んでいるダニやノミなどの寄生虫によって、深刻な被害を受ける恐れがあります。 寄生虫に刺されたり、ダニなどの死骸を吸い込むことでさまざまなアレルギー症状を引き起こしてしまいます。

自分でできる対処法

ハトの巣を個人で撤去・駆除する場合、卵やヒナの有無によって対処法が異なります。

卵やヒナがいない場合

巣の中にヒナや卵がないのであれば、速やかに撤去しましょう。 ただし、巣を撤去する前にハトが戻ってきた場合、傷つける恐れがあるため作業を中断してください。

巣を撤去する際は、必ずマスク、ゴーグル、手袋を着用してください。 巣の中にはハトの糞やウイルス・菌で溢れています。 これらを吸い込まないようにしっかりと準備しましょう。

巣を撤去した後は、雑巾や新聞紙などで汚れを拭き取り、消毒液でしっかりと除菌する必要があります。

卵やヒナがいる場合

ハトの巣の中に卵やヒナがいる場合、然るべき準備を整える必要があります。 初めてハトの巣の駆除を行うのであれば、まずは市役所に相談するといいでしょう。 鳩の巣の駆除に関するアドバイスや駆除業者の紹介をしてもらえます。

ハトの巣を駆除する際の注意点

巣の中にハトやヒナ、卵がある状態で撤去・駆除するには、さまざまな手続きが必要となります。 なぜならハト、ヒナ、卵は「鳥獣保護管理法」によって守られているからです。

鳥獣保護法について

ハトが自宅の屋根やベランダなどに巣を作ったら、すぐに撤去したいと考えるはずです。 しかし、ハト、ヒナ、卵は「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」という法律で守られています。

鳥獣保護管理法では、許可なくハトやヒナ、卵の駆除、捕獲、採取を禁じています。 個人が許可を得ずにハトを駆除すると、鳥獣保護法に違反したことになり「1年以下の懲役又は百万円以下の罰金」を科せられる恐れがあります。

鳥獣保護管理法で守られているハトなどの動物を駆除するには、市役所で事前に許可を得る必要があります。

ハトの巣の中にヒナや卵がある場合は、まず市役所で申請を行います。 申請には書類の提出が求められるため、必要書類を揃えておきましょう。申請書類を提出後は審査が行われます。 原則として鳥獣の捕獲や駆除には狩猟免許を保有していることが条件となります。審査を通過すると許可証が発行されます。 この段階でようやくハトの駆除が可能です。

怪我や病気をしないよう準備する

市役所の許可が降りたら、いよいよハトの捕獲・駆除を行います。ハトは一見すると小さくて非力な生き物のように思えます。 しかし、縄張り意識が強く、巣を守るためであれば驚くほど凶暴で攻撃的になります。

ハトの嘴や爪は、人間を傷つけられる恐ろしい凶器です。巣を撤去しようとすると容赦なく襲いかかってきます。 ハトに傷つけられた傷口から菌が入り込んだり、羽や糞に含まれる寄生虫などを吸い込むことで病気を引き起こします。

怪我や病気を防ぐためにも、以下のようなアイテムを準備しましょう。

・ヘルメット
・ゴーグル
・マスク
・手袋
・長袖長ズボン
・長靴


また、駆除をすると同時に、巣のあった場所を掃除する必要があるため、次の掃除用具も用意しましょう。

・雑巾や新聞紙
・ぬるま湯
・消毒液
・ゴミ袋2枚


ハトの巣を駆除することが決定したら、あらかじめこれらのものを準備しておいてください。

予防策を行う

ハトの巣は撤去すれば終わりというわけではありません。 帰巣本能や縄張り意識が強いハトは、1度営巣した場所に何度も戻ってくる習性があります。 また、ハトが営巣しやすい場所は、他のハトにとっても理想の場所です。巣を撤去した後に別のハトが営巣する可能性は十分に考えられます。

そこで巣を撤去した後は、ハトが近づけないように、以下のような予防策を講じましょう。

1.ハトのフンを綺麗に掃除する
ハトは巣の周りに糞をすることで、そこが安全である場所と認識しています。 そこで、巣を駆除した後は糞を綺麗に掃除しましょう。 自分の糞がなくなれば、安全な場所ではないと考えて近寄らなくなります。 また、糞は悪臭や病気の原因にもなるため、巣を撤去した後はしっかりと掃除や消毒しましょう。

2.予防に効果的なアイテムを活用する
ハトを巣のあった場所に近づけないために、以下のようなアイテムを活用しましょう。

・忌避剤
ハトの嫌がる臭いを発する忌避剤を巣のあった場所に設置することで、営巣を予防できます。 忌避剤にはスプレータイプ、ジェルタイプ、固形タイプの3種類あります。

スプレータイプは手軽な反面、何度も継続して吹きかける必要があります。 長期間使用するのであれば、ジェルタイプや固形タイプを選ぶといいでしょう。

・電気ショックシステム
ある程度のコストはかかりますが、ハトが止まったら電気の流れるワイヤーを設置するのも効果的です。 ハトを傷つけるほどの電流を流すと鳥獣保護管理法に反するため、怪我をさせない程度の微弱な電流を流します。 怪我をさせないとはいっても、ハトを驚かす効果があります。 何度か繰り返すことで危険な場所と学習するため、ハトが近寄らなくなります。

3.営巣できるスペースを無くする
ハトに巣を作られないためにも、次のようなアイテムで営巣するスペースを塞いでしまいましょう。

・剣山
剣山をエアコンの室外機などに設置することで、営巣のスペースをなくせます。

・鳩よけネット
ハトがベランダに入り込むのであれば、そのスペースをネットで囲ってしまうのも1つの手段です。 ネットで覆うことで無駄なものを置く必要もありませんし、陽の光を遮ることもありません。

鳩の巣駆除なら専門業者がおすすめ

ハトは帰巣本能や縄張り意識が強いため、1度駆除しても何度でも営巣しようとします。 ハトが巣を作るたびに対処するのは手間やコストの面から難しいはずです。 なにより、自分で駆除するには狩猟免許が必要なため、ハードルが高いという問題があります。 そこで、ハトが巣を作ってしまったら、早い段階で専門業者に依頼することをオススメします。

専門業者を探すのが難しい場合は、市役所に相談してください。 委託契約している害獣駆除の業者を紹介してもらえるはずです。 ただし、市役所で紹介してもらった業者とすぐに契約するのではなく、ご自分でいくつか業者を探してみてください。 そして、各業者の見積やサービス内容を見比べて、ご自分が納得できる業者を選ぶと良いでしょう。

まとめ

当記事では今回、ハトの駆除や捕獲を解説しました。ハトは鳥獣保護管理法で保護されているため、自分で駆除や捕獲をするには市役所の許可が必要です。 駆除の許可がおりたとしても、ハトの危険性を理解した上で安全に留意して行わなければいけません。

ご自分でハトの駆除が難しいのであれば、無理をせずに専門業者に依頼しましょう。早期発見、早期駆除を行うことで被害を減らせます。

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