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【蛇駆除】家に蛇が出現した時の対策と蛇の駆除を安全に行う方法

目次

・蛇の特徴について
 └蛇の生態
 └無毒の蛇
 └有毒の蛇
・家に蛇が出現した場合
 └蛇の牙は危険
 └噛まれた場合の対処方法
・蛇の駆除方法について
 └忌避剤を使う
 └臭いで追い払う
 └殺蛇剤を使う
 └捕獲機を使う
 └専門業者に依頼をする
・蛇を近づけさせないための対策
 └餌となるものをなくす
 └除草をして蛇が身を隠せないようにする
 └忌避剤を置いて蛇の嫌いな臭いを使う
・まとめ

蛇の特徴について

蛇の駆除方法、予防方法を考えるときには、蛇の生態を知る必要があります。
蛇の生態や行動パターンを知ることにより、効果的な対策が立てられるためです。
日本の蛇には危険な種類も存在するため、安全に作業をするためにも、蛇の特徴をしっかり押さえておきましょう。

蛇の生態について

蛇は変温動物であり、自分で体温調節ができないため、暖かい時期しか活動できません。
具体的な活動時期は4月下旬から11月ごろまでで、気温の低下する冬場は冬眠します。

目や耳は良くないものの、舌から空気を感じとり、周囲の状況把握が可能です。
また、空気の振動などを感じ取る皮膚感覚や臭いに大変敏感なため、少しの足音や臭いで生物の接近を感じ取ります。
特徴的なピット器官が熱センサーのように働き、暗闇でも獲物を捕食します。
食べ物は、カエルやネズミをメインに、小魚、ミミズ、ドジョウなどです。

性格は基本的に臆病です。
人間と遭遇すると逃走するか、丸まるか、威嚇行動をとる傾向があります。
威嚇行動で人間が去らない場合、自分の身を守るため仕方なく噛みつく程度で、積極的に刺激しなければ襲われることはありません。

しかし、手でカエルを触った後は要注意です。
臭いに非常に敏感なため、臭いのついた手をカエルと認識し噛みつかれる可能性があります。
カエルを触った後はすぐに手を洗い、蛇に近づかないようにしましょう。
以上のように、蛇は臭いや皮膚感覚が優れており、基本的に臆病です。
その生態を利用し、駆除や予防を行うと効果的です。

無毒の蛇

日本で身近に見られる毒のない蛇をご紹介します。

アオダイショウという名の蛇を聞いたことがあるのではないでしょうか。
くすんだ緑色やオリーブ色の体で、褐色の縦縞があり、大きいものは体長200cmほどになる日本を代表する無毒の蛇です。
しかし、アオダイショウの子どもは模様や色が大人と異なり、人間に出会うと頭を三角にして威嚇してくるため、マムシと混同されることがあります。

アオダイショウをはじめとする無毒の蛇は基本的に臆病であるため、人間と遭遇すると逃げる傾向があります。
基本的に刺激しなければ襲われることはないため、無視するのが一番です。

シマヘビも日本でよく見られる無毒の蛇です。
頭から尾まで続く縦縞が特徴的な蛇で、大きさは80〜200cmです。
無毒の蛇にしては珍しく気性が荒いため、近づいたり捕まえたりしてはいけません。
口の中から破傷風菌が検出されることもあるので、万が一噛まれてしまった場合は水で患部をよく洗いましょう。

ヒバカリは水田や湿地でよく見られます。
頭にある黄色の筋が特徴的で、体長は50cmほどです。
頭を三角にして威嚇することがありますが、捕まえても噛んでくることは少なく、非常におとなしい蛇です。
しかし、可能な限り刺激しないようにしましょう。

有毒の蛇

日本に生息する蛇のうち、3種類は毒を持っています。
特徴を詳しくご紹介します。

ニホンマムシは、北海道から九州までの広い範囲の自然豊かな場所に生息しています。
体長は40〜80cmほどで、三角頭に太く短い体を持ち、丸の中心に点がついた模様が特徴です。
噛まれると出血、血圧低下を引き起こし、アナフィラキシーショックを起こすこともあるため注意が必要です。

ハブは、沖縄県に生息する危険な蛇です。
体長は100〜200cmほどで、白や黄色の皮膚に黒い網目があるのが特徴です。
好戦的な性格のため、絶対に近寄ってはいけません。
噛まれた場合、解毒は可能ですが、迅速な対処が必要です。
場合によっては死に至ることもあるため、注意する必要があります。

ヤマカガシは、本州から九州まで広く分布し、森や水辺に生息する蛇です。
体長は70〜150cmほどで細長く、丸い顔と赤や黒の斑点が特徴ですが、色は地域によってさまざまで見分けにくい場合があります。
基本的におとなしい性格ですが、非常に強い毒を持っています。
マムシやハブの10倍とも言われるほど毒性が強く、死亡率は10%と大変危険で、国内最強の蛇といっても過言ではありません。

蛇は草むらに生息することが多いため、庭仕事などでやむを得ず立ち入る際は、必ず素足がでない履物や丈夫な生地の長ズボンを履き、対策することが重要です。

家に蛇が出現した場合

蛇が家に現れた場合は、基本的には放置しましょう。
基本的に駆除しようとしなければ襲ってくることはありません。

しかし、毒を持つ蛇であった場合は非常に危険であるため、絶対に近寄らずに、速やかに警察署か駆除業者へ連絡しましょう。

蛇の牙は危険

蛇の危険性は牙にあります。
注射針よりも細い牙は簡単に体内まで刺さります。
かなり鋭く、痛みはほとんど感じません。

ヤマカガシは噛みつくと、出血毒を体内に送り込みます。
止血作用がほぼゼロまで減少する毒性により、出血が止まらなくなります。
また、小さな血栓により急性腎不全を起こして死に至るという恐ろしいものです。

マムシも同じく出血毒ですが、毒性はヤマカガシと同じではありません。
血小板が短時間で減少することによる出血が起こります。

ハブは出血作用の他に、脈が速くなる、意識の混濁などが起こります。
以前ハブに噛まれたことがあるとアナフィラキシーショックのリスクがあるため非常に危険です。

蛇の牙は時に命に関わるため、個人で対処することは困難です。
家で出会った場合は刺激せず、すぐに警察署か駆除業者へ連絡しましょう。

噛まれた場合の対処方法

万が一、噛まれてしまった場合は直ちに救急車を呼びましょう。
次に、患部を縛り、心臓より高くして安静にします。
毒が心臓に送られ、全身に周るのを遅らせることが期待できます。
蛇の毒は強力で、最悪の場合死に至ることもあるため、いざというときの対処法は覚えておきましょう。

また、テレビやドラマなどで蛇に噛まれた際、毒を口で吸い出すシーンがありますが、口を使ってはいけません。
口の中に傷があった場合、体内に毒が入ってしまうからです。
毒を体内から取り除く方法として、傷口から絞り出す方法がありますが、完全に取り除くことはできないため過度の期待は禁物です。

噛まれた場合の対処法として、蛇の特徴を覚えてきましょう。
蛇の毒を抑える血清は、マムシ、ハブ、ヤマカガシ全てで種類が違っています。
蛇の色や特徴から種類を特定できれば、投与する血清が決定できるため、一刻を争う場合などには有効です。
噛まれた際は焦ってしまい難しいですが、蛇の特徴を可能な限り頭に入れておくと役に立ちます。

蛇の駆除方法について

蛇の駆除方法はさまざまですが、家に蛇が出た時にすぐできる方法は水をかけることです。
ホースを使うことで遠くから水をかけることができ、安全で簡単に対処できます。
また、蛇は皮膚感覚が優れており、空気の振動に大変敏感であるため、地面を叩くのも有効です。

蛇は基本的に大人しく、襲われることはまれですが、蛇の出現は気持ちのいいものではないかもしれません。
できるだけ簡単に、安全に駆除したいものです。
ここでは蛇の駆除方法を解説しています。

忌避剤を使う

一番おすすめの方法は、忌避剤を使うことです。
嫌いな臭いを発生させることで、蛇が逃げていきます。

ピンポイントでスプレーできる液体タイプと、広い範囲に散布できる粉末タイプがあり、ネットショップやホームセンター、園芸店などで購入可能です。

蛇は地面を移動するので、砂利、土、石垣などに塗布するのが効果的です。
また、蛇は体が細長く、狭い場所でも簡単に通ってくるため、侵入を防ぎたい隙間などに塗りましょう。

しかし、植木に影響する可能性があるため、散布する場所には注意が必要です。
さらに、臭いが強いものが多いため、手袋や軍手を使用し、後で手を洗うのを忘れないようにしましょう。

臭いで追い払う

蛇を駆除する方法として、臭いで寄せ付けなくする方法もあります。
野生の蛇は小鳥を食べるため、小鳥の臭いを嗅ぎつけ寄ってきます。
家に小鳥の巣がある場合は、蛇が苦手な木酢液・竹酢液などを塗ると寄り付きません。

また、蛇はたばこの臭いが嫌いです。
たばこを水に浸した液体を放置することで蛇の駆除に効果的です。

殺蛇剤を使う

蛇を直接駆除するには、殺蛇剤を利用しましょう。
殺虫剤のように遠距離からスプレーし、安全に蛇を駆除できます。
中には3mほど到達する殺蛇剤もあるため、蛇の攻撃範囲外から安全に作業可能です。
ホームセンターなどで購入できるので、あらかじめ用意しておくのも良いでしょう。

毒を持った蛇に対しては、基本的に警察署や専門業者に依頼することをおすすめします。
しかし、到着まで時間がかかるため緊急時は間に合わないことがあります。
沖縄などの蛇が多い地域では、殺蛇剤などの直接駆除する手段を用意しておきましょう。

捕獲機を使う

直接駆除するもうひとつの方法は、捕獲機です。
箱の中に蛇を閉じ込めるトラップタイプと、蛇を直接つかむ棒タイプがあります。
大きなペットショップ、ホームセンターやネットショップで購入することが可能です。

トラップタイプは、狭い場所を通る蛇の習性を利用した捕獲機です。
壁沿いなどに設置して蛇が捕まるのを待ちます。
中に入り込むと脱出することは困難ですが、蛇はまだ生きているため自分で取り出すのはやめましょう。

棒タイプは、大きなマジックハンドのような形状の捕獲機です。
手元にレバーがあり、握り込むと先端のアームが閉じ、蛇を直接はさみ捕らえます。
長さは1m以上が多く、蛇にある程度接近して使用します。

ここで注意したいのが、蛇の攻撃範囲です。
蛇の攻撃範囲は、一般的に体長の半分から2/3程度と言われています。
よって、150cm以上離れれば、不意の攻撃もおおむね当たりません。

しかし、捕獲機の長さが150cmより短ければ攻撃されるリスクがあります。
また、捕獲機の操作に慣れている人は、一般人にはほとんどいないでしょう。
操作ミスにより、蛇の接近を許す可能性があります。
よって、毒蛇に150cmより短い捕獲機を使うのは非常に危険です。
棒タイプは、毒を持たない蛇への使用にとどめるのが無難です。

専門業者に依頼をする

毒を持った蛇の駆除は、専門業者に依頼するのが安全で確実です。
費用がかかるのがネックですが、蛇駆除のプロに任せると迅速に対応してくれます。
しかし、蛇は常に移動しているため、発見後すぐに依頼する必要があり、到着まで時間がかかった場合は蛇を見失います。
確実に駆除ができる一方で即時性が乏しい手段ですが、駆除だけではないメリットがあります。

それは、再発防止のケアも行ってくれることです。
一度駆除しても、蛇を近づける要因が残っていれば再びやってきます。
専門業者は、初回の駆除だけでなく、再発防止のためのケアを行ってくれる場合もあるため、蛇が二度とやってこない完全な駆除が可能です。 「今すぐに蛇を駆除したい」といった場合は、専門の駆除業者に依頼するのが確実です。


蛇を近づけさせないための対策

蛇が現れてから駆除する方法を知っておくのも有用ですが、蛇を近づけない環境を作ることも大事です。
蛇の生態を理解し、好む要素を排除することで蛇をシャットアウトします。
詳しく確認してみましょう。

餌となるものをなくす

蛇が現れる大きな要因は「餌がある」からです。
餌が多い場所に現れるのは動物の大原則です。
家に蛇の大好物であるネズミがいる場合、蛇が寄ってくることは避けられません。

ネズミを駆除し、数を減らすことができれば餌が無くなるため、蛇は定住を諦めて他の所へ移動します。
ネズミがいる気配があれば、ネズミ取りなどで駆除を心がけましょう。

除草をして蛇が身を隠せないようにする

蛇は、身を隠すことができる場所を好みます。
猫や猛禽類など、蛇には天敵が多く、意外と捕食されることの多い動物のためです。
暗く、湿った場所を好む蛇にとって、天敵から身を隠すことのできる民家の庭などは格好の住処です。

雑草や芝を刈ることで、隠れられる場所がなくなり、蛇の発生リスクを抑えられます。
さらに、できる限り家の中に侵入されないように、壁のヒビや石垣の隙間などを埋めるとよいでしょう。

忌避剤を置いて蛇の嫌いな臭いを使う

忌避剤も予防におすすめです。
蛇が嫌う臭いを発する液体、粉末を散布することで、蛇をシャットアウトします。
庭の植物に影響を与える可能性がありますので、ペットや芝などに無害なものを選択するのがよいでしょう。

しかし、忌避剤は強い臭いを発するので、多く散布すればよいというものではありません。
臭いで快適に生活できなくなるのは避けたいものです。
狭い場所や、湿度が高く暗い場所を好む蛇の習性を考え、効果的な設置場所を検討しましょう。

まとめ

蛇の生態に基づく、効果的で安全な駆除方法、予防方法を解説してきました。
蛇の安全な駆除方法は、命にも関わる重要な知識です。

毒を持った蛇を自分で駆除するのはリスクが高く、一般人は基本的に慣れていないためおすすめしません。
毒を持った蛇への対応は、知識と経験を積んだ専門業者に依頼するのが無難です。


また、ニホンマムシ、ハブ、ヤマカガシの特徴を覚えておくと、毒蛇の判別ができるため、危険な蛇を避けられます。
また、万が一噛まれた際にも迅速な血清投与により命が助かる可能性が増加するため、毒蛇の特徴を頭に入れておきましょう。

蛇は山や草むらに生息することが多いですが、家の周りにもよく現れます。
餌と隠れる場所が豊富なことが大きな要因です。
餌をなくすこと、隠れる場所をなくすことを心がけて対策しましょう。
駆除方法を知っておくことも大事ですが、蛇が寄り付かない環境を作ることで再発を防止できます。
人によっては、蛇に恐怖感を抱く人も少なくありません。
蛇が出没しないように、しっかりと環境を整えましょう。

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