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【カラス駆除】カラスの巣は自分で駆除できるのか。駆除方法と対処方法について解説!

カラスは、街中で騒音を出したり、ゴミを散乱させたりする厄介な動物です。
できれば駆除したいと思う方も多いでしょう。
ただし、勝手に駆除すると法律違反になることがあります。
この記事では、カラスの巣を駆除する方法予防法について、詳しく解説していますので参考にしてください。

目次

・カラスの巣を駆除したい
・カラスを捕獲や殺生は禁止
 └鳥獣保護管理法
 └カラスによる被害
・カラスの巣について
 └巣を作りやすい時期
 └巣を作りやすい場所
 └巣の作り方
・カラスの巣ができてしまった時に起こるトラブル
 └ゴミの散乱
 └鳴き声などの騒音
 └ハンガーなどを盗む
 └巣に近づいた人間を襲う
 └農作物被害
 └糞による汚染
 └電線がショートする被害
・カラスの巣を撤去する際の注意点
 └撤去するタイミング
 └襲われないようにする
・カラスの巣を駆除する方法
 └作業を行う時間帯
 └必要な道具
 └駆除する
・巣を作らせないための予防策
 └ゴミを片付ける
 └木をこまめに切る
 └対策グッズを使用する
・まとめ

カラスの巣を駆除したい

私達の生活でよく見かけるカラスは、大きな声で鳴き、ゴミを荒らします。
カラスが近くに巣を作ったら、駆除したいとも思われるでしょう。

しかし、巣は高所にあることが多く、撤去しようとすると襲われることもあります。
また、勝手に捕獲や駆除を禁じた法律もあるため、事前に許可が必要になります。

カラスを捕獲や殺生は禁止

実はカラスを捕獲したり、殺したりすることは鳥獣保護管理法で禁じられています。
駆除の許可を得ていない一般人ができることは、追い出しや寄せ付けないことのみに限定されます。
一方、許可を得てからであれば巣の駆除は可能になるので、被害が拡大している場合は自治体に相談するようにしましょう。
まずここからは、鳥獣保護管理法とカラスによる被害を確認していきます。

鳥獣保護管理法

鳥獣保護管理法は、指定された野生の動物について、捕獲の規制などを定めた法律です。
野生動物の生活環境保護を目的として、指定動物に危害を与えないように定められています。
鳥獣保護管理法の対象にカラスも含まれるため、捕らえたり殺したりすることは許されません。
しかし、カラスが近づかないような予防措置を講じることや、条件次第で巣を撤去することは、法律に触れることなく行えます。
カラスの巣を駆除する場合、必ず鳥獣保護管理法が関連してくるで、よく理解しておきましょう。

カラスによる被害

カラスによる被害は、集積所のごみの散乱、大きな鳴き声で鳴く騒音、糞による汚染などが問題になっています。
さらに厄介なことに、カラスは人間を攻撃することがあります。
繁殖期は卵やヒナを守るために人間を威嚇し、ときには背後から攻撃することもあり大変危険な存在になります。
カラスがクチバシを鳴らしたり、人に対して大声で鳴いたりしたときは威嚇のサインになるので、すぐその場を立ち去りましょう。

カラスの巣について

カラスは街中にいる印象が強く、巣があるイメージがないかもしれません。 ほとんどの鳥は寝る場所と巣は別物で、カラスも繁殖期の一定期間のみ巣を作ります。 ここでは、巣を作りやすい時期と場所、巣の作り方を紹介します。

巣を作りやすい時期

カラスが巣を作るのは繁殖期だけで、4〜7月とされています。
3〜4月ごろは、巣の材料を集めるために奔走し、危険性はほとんどありません。

しかし、4月ごろになると産卵して子育てに入るため、威嚇行動することが多くなります。
この時期は、攻撃性が増しているため危険な時期です。
巣を見つけたら、不用意に近づかないようにしましょう。

巣を作りやすい場所

カラスが巣を作る傾向があるのは、背が高く、葉や枝が多い街路樹の上です。
見晴らしがよく、動物に襲われる可能性がない高い木の上は、子育てに最適です。
周りには落下した枝も多く、巣の材料の確保にも申し分ありません。

屋根の上もカラスの巣が多い場所です。
天敵に襲われる可能性も低く、安心して巣作りに利用できるためです。

屋根と太陽光パネルの間にも巣を作ります。
雨を防ぐと同時に、外敵に見つかることが少ない場所で、カラスに好まれます。

巣の作り方

カラスの巣は直径50〜80cmの皿型で、外側は破損しないように頑丈にするため小枝などで構成されています。
中には針金や、ベランダにあるハンガーを奪い、材料にした例があります。

内側は、卵やヒナを守るために保温性を確保できる犬の毛などで構成されており、育成に適した二重構造が巣の特徴です。

カラスの巣ができてしまった時に起こるトラブル

カラスの巣が家屋の周辺にできたとき、多くのトラブルが起こります。
公園の街路樹の上に巣ができた場合は近づかなければ問題ありませんが、家屋の近くであれば問題です。
ここでは、トラブルの事例を紹介します。

ゴミの散乱

カラスは雑食性であり、動物の肉や木の実、小さな虫など何でも食べます。
厄介な点は、人間の食べ残しなども食べることです。
道端で生ごみを荒らすカラスを誰もが見たことがあるでしょう。

ただ食べるだけでなく、クチバシで袋を破り中身を路上に散乱させます。
非常に不衛生なだけではなく、生ごみの臭いが撒き散らされます。

鳴き声などの騒音

カラスは大きな声で鳴くため、時として騒音被害となります。
とくに繁殖期は、威嚇のために「ガアッ、ガアッ」と大きな鳴き声をあげます。
威嚇の鳴き声を聞いたら、危害を加えられないために、すぐにその場を立ち去ることをおすすめします。
屋内にいるときにこの声を聞いたら窓を閉めましょう。

ハンガーなどを盗む

カラスの巣の材料にするために、ハンガーなどを奪うことがあります。
特にベランダにあるハンガーが狙われやすく、ときには衣服を取り除きハンガーだけ持ち去ることもあるほどです。
巣作りの時期である3〜4月ごろは、特に注意が必要です。

巣に近づいた人間を襲う

カラスは威嚇だけではなく、実際に人間を襲うことがあります。
繁殖期のカラスは、巣を守るため攻撃性が高くなっています。
頭上を回転しながら飛んでいる場合は、威嚇をはじめる合図であるため、すぐにその場を立ち去りましょう。

カラスは攻撃時、人間の正面からは襲ってきません。
攻撃を受けるときは、人間の後頭部を蹴る傾向があります。
カラスがいる場所を通行しなければならない場合は、もしもの時を考えて日傘などを持っておくと安心です。

農作物被害

カラスは田畑を荒らすことが多く、農作物にも被害をおよぼします。
多くの野菜や果実がカラスの被害にあい、平成21年度は23億円の被害が出たというデータがあるほどです。
農業で生計を立てている方は見逃せない問題です。
カラスを見かけた場合、巣を作られないように早めに対策しましょう。

糞による汚染

カラスの糞害も深刻です。
カラスの糞には病原菌や雑菌が含まれており、アレルギーの原因になることもあります。

清掃するときは、直接触れてはなりません。
マスクをして、除菌シートで取り除くことが重要です。
乾いた糞を弾き飛ばしてしまうと、かけらが風に舞い、病原菌を撒き散らしてしまうため、慎重に取り除きましょう。

また、カラスの糞が付着したままの車は、塗装が剥がれることもあるほどです。

電線がショートする被害

カラスは、電柱に巣を作ることがあります。
巣作りに使われた金属ハンガーが、電線に触れてショートした場合停電の原因となります。
電柱の下にハンガーが落ちていた場合、巣を作っている可能性が高いため、電力会社に連絡して撤去してもらいましょう。

カラスの巣を撤去する際の注意点

さまざまなトラブルを引き起こすカラス。
カラスの巣ができたら、可能な限り撤去したいものです。
ここでは、撤去する際の注意点を解説していきます。

撤去するタイミング

カラスを撤去するタイミングは重要です。
撤去は、ヒナや卵がない時期に行わなければなりません。
カラスは鳥獣保護管理法で守られた動物であり、ヒナや卵がある状態での巣の撤去は、動物を殺傷する行為とみなされます。

法律違反にならないように、撤去は必ずヒナや卵がないときに行いましょう。

襲われないようにする

巣を撤去するには、ヒナと卵がないことが必須であるため、巣をしっかりと調査する必要があります。
しかし、巣作りを終えたカラスは警戒心が強まっており、不用意に近づくと攻撃されてしまいます。

そこで、巣の確認はカラスが巣でじっとしているかどうかを遠くから見て判断しましょう。

カラスがじっとしていれば、巣の中に卵があると見なせます。
卵があった場合、危険も伴うため駆除業者に依頼することをおすすめします。

カラスの巣を駆除する方法

ヒナも卵もないことが確認できたら、いよいよ巣の駆除作業を開始しましょう。
道具をそろえ、時間帯に注意して駆除する必要があります。
具体的な駆除手順について確認していきましょう。

作業を行う時間帯

日中はカラスの行動が活発であり、危険を伴います。
作業はカラスが巣から離れる夜間に行いましょう。

必要な道具

まず、安全のための道具としてゴーグルと手袋を用意し、目と手を守ります。
カラスの糞は細菌や病原菌が多いため、直接触れないようにする必要があります。
また、カラス自身にもダニやシラミが付着しているため、カラスの生息場所にも触れないようにしましょう。
巣の周辺は菌やほこりが舞っており大変不潔であるため、目に入らないようにゴーグルは必須です。

また、撤去のための道具としてごみ袋、懐中電灯、長い棒を用意します。
夜間の作業であるため懐中電灯は必要です。
転倒などでけがをする可能性があるため必ず用意しましょう。

駆除する

長い棒で巣を落とし、ごみ袋に巣を入れ、可燃ごみとして処分します。
駆除後、カラスの巣周辺はダニ、ノミ、病原菌などで大変不潔なので、消毒液で念入りに清掃しましょう。

カラスの糞は、ほうきなどで払い落とすと病原菌が舞い上がり危険です。
消毒液で湿らせ、ぬぐい取るように処理します。

巣を作らせないための予防策

カラスに巣を作らせないことが重要です。
最も重要なことは、巣を作りにくい環境にして予防策を講じることでしょう。

ここでは、カラスが巣を作りにくい環境を作る方法を紹介します。

ゴミを片付ける

生ごみが放置されている環境は、餌を得やすいと認識して住み着く原因になります。
まずは、ゴミが綺麗に片づけられている環境を作りましょう。

ごみ捨て場には防鳥ネットをかけ、カラスに荒らされないような工夫が必要です。

さらに、決められた曜日にごみを出さないと、防鳥ネットが用意されず荒らされてしまいかねません。
必ず決められた日にごみ出しをしましょう。

木をこまめに切る

木が多く伸びている場合、カラスは巣を作ることがあります。
カラスは外敵から巣を隠すために、枝が張り巡らされた街路樹を好みます。
枝が多いと周りから隠れられるため、カラスにとって大変好都合です。

自宅の木は適度に剪定して、ある程度の見通しができる状態にするのがカラス対策として理想です。
カラスは、外から見通せる場所に巣を作るのは安全ではないと判断するため、巣を作るのを諦めその場から去るでしょう。

対策グッズを使用する

ゴミ捨て場、ベランダ、畑で使える、カラス対策グッズを紹介します。

防鳥ネットは、手軽にごみにかけられて便利ですが、設置が甘いとカラスにひっくり返される可能性があります。
そんなとき、ボックスタイプのごみネットボックスがおすすめです。
強度のある網目のボックスタイプで、しっかりと閉じられるため、カラスに開けられることがありません。
コンパクトに折りたたむことが可能であり、水洗いもできるので便利です。

ベランダは、カラスが巣の材料を物色しによくやってくる場所です。
ベランダに強い光を発する撃退グッズを置いておくと、カラスの接近予防が期待できます。
カラスは強い光を発するものや、明滅する光に近づかない習性があるため、近づくことがなくなるでしょう。
また、風でなびくように設置すると、ランダム性がありカラスが慣れるおそれも少なくなります。

畑では、赤外線センサーでカラスの動きを察知し、超音波とフラッシュで追い払うグッズが有効です。
このグッズの便利なところは、カラスだけでなくネズミやイノシシなど、農作物を荒らす生物全てに有効であるため、個別の対策を講じる必要がないところです。
電気で作動しますが、太陽光でも充電できるため、電池切れの心配がありません。 防水機能もあるため、雨でも問題なく作動する便利なグッズです。

まとめ

カラスの巣を駆除する方法と予防法について、詳しく解説してきました。
カラスは鳥獣保護管理法で守られている生物であるため、許可を得なければ捕らえたり殺したりできません。
しかし、ヒナや卵がない状態であれば、巣の駆除は可能ですので、カラスの被害に悩んでいる方は実施してみてください。

カラスの対策として重要なことは、カラスが寄り付かない環境を作ることです。
餌を放置せず、カラスの巣づくりに快適な環境を与えないことを基本とし、撃退グッズを組み合わせることで、さらにカラスを遠ざけられるでしょう。
カラス対策の参考になれば幸いです。

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