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【スズメバチ駆除】活動時期と遭遇した際の対処方法について解説!

「えっ?秋も深まったのにまだスズメバチがいるの?」

11月ごろになって、スズメバチを見かけて驚くことがありませんか?人に危害を加えることが多いスズメバチですが、その活動時期は意外に長く、注意が必要です。活動の最盛期には危険性が増すため、効果的な予防法や、遭遇したときの対処知識が非常に役に立つでしょう。

この記事では、スズメバチの活動時期に加え、襲われないための予防法、遭遇したときの対処法を詳しく紹介しますので参考にしてください。

目次

・スズメバチについて
・スズメバチが活動期間について
 └活動期間はいつなのか
 └危険な季節はいつなのか
・スズメバチの種類ごとに危険な時期
 └オオスズメバチ
 └キイロスズメバチ
 └モンスズメバチ
 └チャイロスズメバチ
 └ツマグロスズメバチ
 └ツマアカスズメバチ
 └コガタスズメバチ
 └ヒメスズメバチ
 └クロスズメバチ
・スズメバチに刺されないための対策方法
 └ハチの活動時間に注意する
 └肌を出さない、服装に気を付ける
 └匂いに気を付ける
 └ハチを刺激する行動をとらない
・スズメバチに刺されたときの対処方法
 └流水で洗いながら鋭くないもので毒針を取り除く
 └冷湿布をする
 └患部を持ち上げる
・まとめ

スズメバチについて

スズメバチの活動時期と対処法を知る前に、スズメバチの特徴についてよく知っておきましょう。

スズメバチは、日本でよく見られるミツバチやアシナガバチに比べて、高い攻撃性と強い毒性を持つ危険なハチです。とくに、巣に近づくものに対する攻撃性が強く、誤って接近しただけで警戒行動を受け、攻撃されることも珍しくありません。

次に、強い毒性を持つのが特徴です。スズメバチに刺されると、呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシーショックが起こることがあります。場合によっては死に至る重症化することもあり、年間20人ほどがスズメバチに刺されて亡くなっています。

毒の強力さはアシナガバチも同じですが、スズメバチの毒は仲間を呼び寄せる合図にもなるため非常に厄介です。集団で襲われると、その強い毒性により命の危険が高まります。

スズメバチは攻撃性が高く、刺されたときに重症化することもある危険なハチです。巣には絶対に近づかないようにすることが危険を避けるために重要です。

スズメバチの活動期間について

スズメバチの活動時期について知っておきましょう。スズメバチは危険なハチですが、時期によって活動量が変化する習性があります。とくに危険な時期を知っておくことで、効果的な対策ができるため、襲われるリスクを減らせます。危険な時期を知り、被害に合わないようにしましょう。

活動期間はいつなのか

スズメバチの活動期間は4〜11月です。秋が深まった時期にも活動するなど、長期間活動するのが特徴的です。1年を通したスズメバチの基本的な動きを確認してみましょう。

2月〜3月:冬眠から目覚める
女王バチが冬眠から目覚める時期です。

4月〜5月:活動開始
女王バチが1匹で巣を選定します。巣を作り始め、働きバチの卵を産む時期です。この時期の巣の大きさは大きくても15cmほどで、それほど脅威ではありません。

6月〜7月本格活動開始
働きバチを増やしながら、巣を拡大し始めます。このときの働きバチは数十匹ほどで、まだ大きくありません。巣の大きさは15〜40cmです。

7月〜9月:最盛期
働きバチの数は300匹を超え、活動は最盛期を迎えます。働きバチは餌の捜索や巣の材料を探しに巣の周辺を積極的に飛び回ります。さらに、巣を守るために警戒心が高まり、近づくものに攻撃する危険な状態です。働きバチの数の増大に比例し、巣の大きさは30〜80cmまで拡大します。

9月〜11月:世代交代
新女王蜂が誕生する時期です。オスのハチと交尾し、新女王蜂は巣を離れ冬眠の準備をします。働きバチの数は徐々に減少しますが、1,000匹以上の場合もあるため、危険性はなくなりません。

12月〜3月:冬眠
新女王バチは、土や枯れ木の中、木の割れ目などで冬眠します。女王バチ以外のハチは越冬できず死亡します。2月〜3月に冬眠から目覚め、新たな巣を作る、というサイクルの繰り返しです。

危険な季節はいつなのか

スズメバチが危険な時期は、7月から10月ごろです。とくに、7月ごろから始まる繁殖の時期は、警戒心はピークに達します。働きバチの数も増え、攻撃性も増すため、巣には絶対に近づいてはなりません。

スズメバチの種類ごとに危険な時期

スズメバチの活動が活発な時期は、とくに注意が必要ですが、種類によって危険な時期は異なっています。種類ごとの特徴と、危険性の高い時期を確認していきましょう。

オオスズメバチ

沖縄を除く日本全国に分布するオオスズメバチは、体長は25mm〜35mmほどです。黄色と黒の縞模様を持つ太い胴体を持ちます。スズメバチの中で最も大きい種類で、8月〜10月が危険な時期です。

高い攻撃性と強い毒性を持つオオスズメバチは、木の穴や土の中などに巣を作るため、思わず遭遇してしまうことがあります。発見したら絶対に近づいてはなりません。

キイロスズメバチ

沖縄を除く日本全国に分布するキイロスズメバチは、体長は18mm〜25mmほどです。オオスズメバチと似た黄色と黒の縞模様を持ち、7月〜10月が危険な時期です。

オオスズメバチと同様に攻撃性が高く、都市部に適応しているため、国内の被害が最も多いといわれています。都市部の地中や屋根裏に巣を作るため、自然が多い場所でないからといって油断してはなりません。

モンスズメバチ

沖縄を除く日本全国に分布するモンスズメバチは、体長は21mm〜28mmほどです。波打つ黄色と黒の縞模様と、黄色の腹部を持ち、危険な時期は7月〜8月です。

モンスズメバチは、昼間だけでなく、夜間にも行動できます。一般的な働きバチは、夕方になると巣に帰る習性があるため、スズメバチ駆除は夕方や夜間に行われることがほとんどです。しかし、夜間行動するモンスズメバチの駆除では、働きバチを取り逃がしやすいため完全駆除が難しいとされています。

チャイロスズメバチ

北海道と本州に分布するチャイロスズメバチは、体長は17mm〜24mmほどです。赤褐色の頭と胴に加え、黒色の腹部が特徴的で、危険な時期は6月〜10月です。

日本では数が少なく、毒性は弱いです。しかし、アゴや毒針が発達していて、他のスズメバチの初期の巣に侵入し、乗っ取る習性があります。攻撃性は高く、危険なスズメバチです。

ツマグロスズメバチ

宮古島よりも南の琉球列島に生息するツマグロスズメバチは、体長は20mm〜22mmほどです。頭、胸は赤褐色、腹部の前は黄色で、後ろは黒色をしており、危険な時期は4月〜10月です。

積極的に刺激しなければ攻撃される可能性は低く、毒性も弱いですが、巣に近づくと危険です。

ツマアカスズメバチ

長崎県の対馬市、福岡県、宮崎県、大分県に生息するツマアカスズメバチは、体長は24mmほどです。頭と腹部の後ろが黄色で、他は黒く、薄い黄色の縞を持ち、危険な時期は5月〜11月です。

特定外来生物に指定される危険なスズメバチです。毒性に特筆すべき強さはありませんが、攻撃性が非常に高く、標的をしつこく追い回す特徴があります。

都市部でも見られるようになり、高層ビルにも巣を作るなど、注意が必要なスズメバチです。

コガタスズメバチ

日本全国に分布するコガタスズメバチは、体長は25mm〜29mmほどです。オオスズメバチと似た黄色と黒の縞模様を持ち、危険な時期は7月〜10月です。

スズメバチの中では攻撃性が低い種類ですが、都市部でも多く見られるため、遭遇することが多いスズメバチです。庭木や軒下など、人間の生活圏の中に巣を作ります。

ヒメスズメバチ

日本全国に分布するヒメスズメバチは、体長は25mm〜36mmほどです。頭部は黄色で小さく、胴体は黒色、腹部に黄色と黒の縞模様を持ち、危険な時期は8月〜9月です。

攻撃性が少なくおとなしいとされており、毒性も弱めですが、敵と認識すると攻撃するため、刺激するのはやめましょう。巣は非常に小さく、働きバチの数は数十匹と少ないのが特徴です。

クロスズメバチ

沖縄を除く日本全国に分布するクロスズメバチは、体長は10mm〜12mmほどと非常に小さいスズメバチです。黒と白の縞模様が特徴的なため見分けやすいでしょう。危険な時期は3月〜11月です。

攻撃性が少なく、体が小さいため毒性も弱いです。都市部では見かけない種類で、山に生息することが多いです。活動期間が長く、12月にクロスズメバチに遭遇するケースもあるため、冬でも油断できないスズメバチです。

スズメバチに刺されないための対策方法

スズメバチに遭遇したときに刺されないように、対策を知っておきましょう。夏から秋は、登山やハイキングシーズンですが、スズメバチの活動最盛期と一致しています。さらに、登山やハイキングは、スズメバチが多く生息している山や林に入るため、しっかりとした対策は欠かせません。

スズメバチ対策は、スズメバチに刺されやすい行動を取らないことが基本です。詳しく確認していきましょう。

ハチの活動時間に注意する

活動が盛んになる夏から秋の昼間に、スズメバチが多く生息する山や森に入る場合は、とくに注意しましょう。スズメバチは、夏から秋になると繁殖が盛んになり、働きバチの数も飛躍的に増加します。

昼間の巣の周辺では、働きバチに遭遇する可能性が高いと考えておきましょう。スズメバチの多くの種類は、朝の6〜7時に巣から飛び立ち、巣の周辺で餌や巣の材料を捜索し、夕方から夜になると帰巣します。したがって、昼間は巣のまわりに多くのスズメバチがいるためです。

スズメバチの活発な行動が予想されるときに、巣の近くを通行することは非常に危険であるため、可能な限り避けましょう。

肌を出さない、服装に気を付けるか

スズメバチ対策として、肌を出さないことは重要です。仮に攻撃されたとしても、服と肌の間に隙間があると、肌まで針が到達せず、無傷で終わることがあります。

また、黒などの濃い色に反応することが多いため、着用を避けましょう。スズメバチは、色への感覚が優れておらず、白と黑のみしか認識できないといわれています。では、なぜ白ではなく、黒に反応するのでしょうか。理由として、天敵である熊の色に反応している、ハチを食べる習慣のある、東洋人に多い髪の色を危険に感じる、動物の急所の色を攻撃対象として狙っているなど、諸説あります。したがって、登山やハイキングの際は、白や水色、ピンクなどの衣服を着用し、黒や茶色などの濃い色を着用することは危険なため避けましょう。また、頭髪を隠すため、帽子をかぶるのもおすすめです。

匂いに気を付ける

スズメバチを寄せ付けるものとして、匂いが挙げられます。香水や整髪料、柔軟剤などの人工的な匂いはスズメバチを寄せ付けることがあるため、使用を控えましょう。また、汗にも反応するため、登山やハイキングの際はこまめに汗を拭くことをおすすめします。

さらに、食べ歩きやジュースなどの甘い匂いが、餌を集めている働きバチを刺激し呼び寄せるため、匂いを発する食べ物は控えましょう。スズメバチは攻撃性が高いため肉食のイメージがありますが、働きバチは意外にも肉を食べず、主に幼虫の分泌物で栄養補給しています。樹液や花の蜜、ときには熟した果実も食べるため、甘い匂いに寄ってくることがあるのです。スズメバチの接近を抑えられるため、匂いを発するものを体から遠ざけましょう。

ハチを刺激する行動をとらない

スズメバチ対策として最も重要なことは、刺激しないことです。スズメバチに遭遇したら、石を投げたり、大声を出したり、手で払ったりしてはなりません。大きな音や動きに反応するため、スズメバチを見かけたら静かにその場を去りましょう。

ここで、スズメバチの警戒行動を知っておきましょう。餌を探したり、巣の材料を集めたりといった、働きバチの仕事の中で重要なのは、巣を脅かす危険な生物がいないか警戒することです。たとえ知らずに巣に近づいてしまった場合でも、働きバチは警戒対象とし、ときには巣を守るために攻撃します。警戒行動を知っておくことで、危険性を判断する材料にできます。

警戒行動としてよく見られるのは、まわりを旋回する、アゴを鳴らす、飛びかかってくるなどです。まわりを旋回しているなど、つきまとう行動が見られた場合は、危険な敵かもしれないとマークされています。さらに、「カチカチ」というアゴを鳴らす場合や、大きな羽音をたてて飛びかかってきた場合はかなり危険な状況です。これらの警戒行動が見られた場合、意識しなくても巣に近づいている可能性が高く、スズメバチを大きく刺激してしまっています。静かに、すみやかにその場を離れましょう。

スズメバチに刺されたときの対処方法

スズメバチの巣はわかりにくく、種によっては都市部にも巣を作るため、いきなり遭遇し、攻撃を受けることもあります。スズメバチに刺された際は、場合によってはアナフィラキシーショックを起こすこともあるため、迅速な対応が必要です。正しい対処法を知らないで焦ってしまうと、毒が早くまわって重症化する可能性があります。いざというときに冷静に対処できるよう、対処方法を知っておきましょう。

流水で洗いながら鋭くないもので毒針を取り除く

スズメバチに刺された際は、巣の近くなら何よりもすぐに離れ、安全を確保しましょう。応急処置として、流水で患部を洗うのが有効です。ハチの毒は水溶性のため、水に毒が溶け出し薄まります。

次に、毒針が残っていた場合は、患部を守るため鋭くないもので取り除きます。針は、指でつまむとさらに毒液を注入してしまうため、爪などで引っ掛けて除去しましょう。

冷湿布をする

腫れや痛みが出た場合は、患部を冷やすのが有効です。冷湿布や氷水などで冷却しましょう。また、アレルギーによる炎症を抑える効果があるため、抗ヒスタミン剤入りのステロイド軟膏を塗るのもおすすめです。

一方、めまいや吐き気、息苦しさなどの強い症状が出た場合は、アナフィラキシーショックの可能性が高いため、すぐさま救急車を呼びましょう。

患部を持ち上げる

患部を持ち上げることも有効です。手足を刺された場合は、患部を心臓よりも高い位置に上げることで、腫れを抑えられます。

まとめ

スズメバチの活動時期は4月〜11月です。活動の最盛期には、スズメバチの攻撃性が上がり、危険性が増します。最盛期にスズメバチが多く生息する山や森に入ることは、避けたほうがよいかもしれません。

そのような場合でも、スズメバチを刺激しないことで襲われるリスクを低減できるため、濃い色の服装や匂いを避ける、直接刺激しないなど、スズメバチ対策を欠かさないようにしましょう。

しかし、夏や秋は登山やハイキングシーズンであり、意識しない間に巣の近くに近づいてしまうケースも増加するでしょう。刺されてしまった場合に備えて、適切な対処法を知っておくと、冷静に対処でき役に立ちます。

刺されると命を落とす可能性もあるスズメバチ。活動が活発な時期には、被害に合わないように、念入りなスズメバチ対策を実施しましょう。

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