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【ダニ対策】ダニによる被害と対策方法について解説!

屋内でかゆみやくしゃみ、アトピーなどで悩んでいませんか?それはダニのせいかもしれません。

屋内で大発生することがあるダニは、人にさまざまな健康被害をもたらします。ダニの発生を防ぐ予防策や、駆除方法を知っておくと、快適な生活を取り戻せます。この記事では、ダニの被害と対策について詳しく解説していますので参考にしてください。

目次

・ダニについて
・ダニが発生する理由
 └発生しやすい環境について
 └ダニが発生する時期
・ダニの種類
 └ヒョウヒダニ
 └ツメダニ
 └コナダニ
 └イエダニ
 └トリサシダニ
 └マダニ
 └ヒセンダ二
・ダニの被害
 └屋外のダニ被害
 └室内のダニ被害
・すでにいるダニの駆除方法
 └高温で駆除する
 └燻煙剤を使用する
 └掃除機をかける
・ダニの対策方法
 └スプレーを使用する
 └高温多湿を避ける
 └シーツ・カバーを定期的に洗濯する
 └掃除をする
・まとめ

ダニについて

ダニは昆虫ではなく、クモやサソリの仲間です。非常に小さな生物で、成虫の体長は1mm以下から数mm程度です。4億年も前から地球上で生息しており、その歴史は人類よりもはるかに長く、生物としての大先輩といえるでしょう。

また、地球上のあらゆる場所にダニは生息しています。土の中、動植物、人間の住環境をはじめ、深海7,000mにも存在するなど、ダニが存在しない場所はほぼないといっていいほどです。

種類にもよりますが、ダニの一生は、産まれてから成虫になるまでに約1か月、成虫の寿命は約3か月ほどです。決して長くないダニの一生ですが、繁殖力は凄まじいものがあります。ダニにとって快適な環境の場合、1組のつがいにより、2か月で約3,000匹、4か月後には約450万匹に増殖するケースもあるほどです。高温多湿を好む習性があり、5月〜9月に繁殖する傾向があるため、注意が必要です。

ダニは、人間のフケ、ホコリ、カビ、他のダニ、農作物、落ち葉や腐葉、朽木を食べ、人間の食べ物も食べます。農作物を食害する一方、森林の生態サイクルに影響を与える生物でもあります。落ち葉などを捕食したダニの糞が、森林に栄養を与えるからです。

日本に生息するダニは約2,000種類ですが、吸血するダニは20種類ほどで、1%に過ぎません。ダニといえば吸血するイメージがありますが、ほとんどのダニは人間に無害です。屋内で人に害を与える、注意しなければならないダニは数種類に限られます。

ダニが発生する理由

ダニの多くは人を刺さないにもかかわらず、屋内に出没するのはなぜでしょうか。効果的に対策するために、ダニが発生する理由を確認しておきましょう。

発生しやすい環境について

ダニが発生する理由は、餌があることと、環境がダニに適していることです。ダニが好むフケやアカ、髪の毛、食べ物のカスなどが豊富な場合、ダニが住み着き、大発生する可能性があります。

また、ダニは高温多湿な環境を好み、20℃〜30℃、湿度60%以上の環境が生育には最適とされています。よって、人間とよく接し、熱と湿度がこもりやすい寝具、ソファー、カーペット、畳などがダニの温床になりやすいです。

ダニが発生する時期

高温多湿な5月〜9月ごろが、ダニが大量発生しやすい時期です。しかし、冬場でも、暖房による温度上昇や、結露による湿度上昇は起こります。高温多湿な時期が終了したとしても、ダニ対策は継続しなければなりません。

ダニの種類

ダニの種類ごとの生態とリスクを確認することが、効果的な対策には重要です。多くのダニは人を刺しませんが、ダニの死骸や糞がアレルギーのもととなる場合があります。また、刺すダニの中には、感染症を媒介する危険なダニも存在します。人間に接する可能性が高いダニの特徴を確認しておきましょう。

ヒョウヒダニ

ヒョウヒダニは、0.2mm〜0.4mmの体長を持ち、屋内で見られるダニの7割を占める、最もメジャーなダニです。人間のフケやアカ、ホコリ、食べ物のカスなどを食べ、布団、畳、カーペットなどに発生します。

人を刺すダニではありませんが、死骸や糞を吸い込むことにより、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の元になるダニです。メスは生涯に約80個の卵を産むため、繁殖を抑えられないと厄介なダニです。ヒョウヒダニが増殖すると、ヒョウヒダニを食べるツメダニを呼び寄せてしまいます。

ツメダニ

ツメダニは、0.3mm〜0.8mmの体調を持つ、室内に生息する代表的なダニです。ヒョウヒダニや、チャタテムシなど、室内にいるダニや小さな虫を食べます。食べられる虫が繁殖すると、ツメダニが繁殖するため、餌を減らす対策が必要です。生息場所は畳やカーペットなど、餌であるヒョウヒダニの生息場所に発生する傾向があります。

人を刺すことがありますが、吸血するためではなく、他のダニを食べる際に誤って刺してしまうためです。ツメダニは生涯に約100個の卵を産むなど、繁殖力が高いダニです。

コナダニ

コナダニは、体長0.2mmほどの、非常に小さなダニです。人を刺すことはなく、粉類や乾物、チョコレート、調味料、チーズ、医薬品など、非常に多くのものを食害するのが特徴です。また、湿気が多い場所を好むため、畳やカーペット、床の割れ目などに生息します。よって、食品を保管している台所の戸棚などの、湿気が溜まりやすい収納場所は要注意です。

畳などにも繁殖し、大量発生した姿はコナを撒き散らしたように真っ白に見えることがあります。また、ツメダニの捕食対象であるため、コナダニが大量発生すると、人を刺すツメダニを呼び寄せるため注意が必要です。

イエダニ

イエダニは、体長0.6mm〜1.0mmと大きいダニで、肉眼でも確認できる可能性が高い、室内に生息するダニです。生息場所は畳やカーペット、床の割れ目などで、動物を刺し、血液を摂取することでエネルギーを補給します。

イエダニは、もともとは野外でネズミや鳥に寄生するダニです。室内に侵入したネズミに寄生していたダニが、室内を移動するうちに人間と遭遇し吸血することで、はじめて被害が発生します。よって、ネズミがいる屋根裏、天井裏などにも多く生息していることがあります。

夜に吸血する習性があり、複数か所を刺す特徴があります。一度の吸血で2週間生きられる生命力と、一度に約20個の卵を産む生命力が脅威です。

トリサシダニ

トリサシダニは、0.5mm〜0.6mmの体長を持つ、屋内に生息するダニです。温帯地方に生息し、主にニワトリや鳥、野鳥の巣などで寄生した動物の血液を摂取する習性を持ちますが、人間に接触すると刺すこともあります。

基本的に屋外にいるダニですが、寄生した鳥が人家の近くで死亡した場合や、野鳥が近くに巣を作った場合に室内に侵入し、人間を吸血します。野鳥が近くに巣を作った場合は要注意です。

夜に吸血する習性があり、複数か所を刺す特徴があります。メスは寄生生物の体に、生涯に約100個の卵を産みつけるため、鶏舎などでは大発生するリスクがあります。

マダニ

マダニは、3mm〜10mmの体長を持つ非常に大きいダニで、屋外に生息します。基本的な生息場所は山、公園、草地、河川敷などですが、都市部や冬に見られることもあるなど、多くの環境条件に適応できるダニです。普段はネズミ、ウサギ、シカ、イノシシに加え、犬などのペットにも取り付き、吸血することによりエネルギーを得ていますが、人間も刺し吸血します。

マダニは人を刺すだけでなく、さまざまな感染症のリスクがある危険なダニです。中には致死率の高い危険な感染症もあるため、野山に入る場合は万全の対策をしましょう。

マダニが一生の中で吸血するのは産卵のためであり、その日数は20〜25日とされています。1匹のメスが産む卵の数は、30日間で約2,000個〜3,000個にもおよびます。

ヒゼンダニ

ヒゼンダニは、体長0.4mmほどのダニです。人間に寄生するダニで、激しいかゆみを伴う「疥癬」と呼ばれる皮膚病を引き起こします。

ヒゼンダニは人間の角質層に寄生し、角質層の成分を食していると考えられています。16℃以下では動けないほど低温には弱いですが、人間に寄生している間は体温で温かいので、動きは活発です。

ヒゼンダニの産卵は、角質の柔らかい部分にトンネルを掘り進めながら行います。トンネルは疥癬トンネルと呼ばれ、1日2〜4個ずつ産卵し続けます。

ダニの被害

アレルギー反応、刺される、感染症など、ダニは人間にさまざまな被害をもたらします。ダニの種類ごとに被害を確認していきましょう。

屋外のダニ被害

屋外のダニ被害は、マダニによって引き起こされます。マダニに刺されると、皮膚の腫れや炎症が起こります。また、日本紅斑熱、ライム病、重症熱性血小板減少症候群を発症する可能性があり、非常に危険です。

日本紅斑熱は、リケッチアと呼ばれる病原体を保有するダニに刺されることで感染し、頭痛、発熱、倦怠感、発疹があらわれます。

ライム病は、スピロヘータと呼ばれる、人獣ともに感染する病原体により発症する感染症です。感染初期は、関節痛、発熱などの症状にとどまりますが、病原体が全身にまわると、皮膚症状、心疾患、関節炎など、多くの症状が発生します。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は非常に危険です。感染症法で四類感染症に指定されており、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染します。6日〜2週間ほどの潜伏期間を経て、高熱や嘔吐、下痢を引き起こし、死亡率は6%〜30%と非常に高い感染症です。有効な治療法は確立しておらず、刺されないように対策するしかありません。

室内のダニ被害

室内の被害で多いのがアレルギーです。ヒョウヒダニの死骸や糞を吸い込むと、体液に存在するアレルゲンのため、アトピー性皮膚炎アレルギー性鼻炎を発症する可能性があります。よって、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、喉の異常、肌荒れなどが起こります。

また、食品にダニが混入することも問題です。ヒョウヒダニが食物に混入することで、喘息や呼吸困難を引き起こしたケースがあります。食品を好むコナダニを、食品とともに誤って食べてしまうと、アレルギーの原因になる可能性があります。

ツメダニイエダニなどは、人を刺します。一度に複数か所を刺すのが特徴的で、蚊と全く違う刺し方のため気が付きやすいです。刺された直後は症状がないものの、付着した唾液により、数時間から2日ほどで腫れとかゆみが生じ、治るまで1週間くらいかかります。また、ツメダニの種類によっては、ペットに寄生し吸血することで、皮膚炎やただれを引き起こすことがあります。

ヒゼンダニによって引き起こされるのは疥癬と呼ばれる皮膚病です。寄生直後は無症状ですが、4〜6週間で増殖し、ダニ自体や糞によるアレルギー反応で赤い結節が出現したり、激しいかゆみを伴ったりします。

すでにいるダニの駆除方法

アレルギー反応や特徴的な刺され跡により、室内にダニが発生していることがわかったら、駆除しましょう。室内のダニに有効な駆除方法を紹介しますので確認していきましょう。

高温で駆除する

ダニは50℃以上の熱風に弱い生物です。布団乾燥機などで50℃以上の熱風を20分以上当て続けると、ダニは死滅します。

ダニの駆除方法として、外で布団を干す方法が広く知られています。しかし、熱せられるのは布団の表面だけで、内部は十分温まらないため、ダニは布団の内側に逃げていきます。布団乾燥機や、50℃を超える高温を発生させられるコインランドリーなどを利用することで、確実なダニ駆除が期待できます。

燻煙剤を使用する

燻煙剤の煙を部屋の隅々まで行き渡らせることで、普段届かないような、さまざまな場所のダニを駆除できます。仕様時は、薬剤の影響を受けないように、食品や食器、ペットなどは避難させましょう。

掃除機をかける

燻煙剤はダニを駆除できますが、ダニの死骸はそのままにしてはなりません。放置するとアレルギーの元になるので、すぐに掃除機をかけて死骸を処分しましょう。生きているダニは布団などにしがみつき吸引に抵抗するため、吸い取れません。熱や燻煙剤で駆除してから吸い取ることをおすすめします。

ダニの対策方法

ダニに刺されると、感染症など、人間に重篤な症状をもたらす種類もいます。ダニが発生してから駆除するよりも、まず発生させないことを心がけましょう。危険なダニが周囲にいなければ、被害に遭うリスクを抑えられます。ここでは、ダニを寄せ付けない対策について紹介しています。ときに命に関わる場合もあるため、とくに野山に分け入る際にはダニの予防を忘れないようにしましょう。

スプレーを使用する

山や公園など、マダニの多い場所に入る際は、ディートが含まれた虫よけ剤を活用しましょう。マダニや蚊などの吸血生物は、人間が発する二酸化炭素や温度、湿度などを感知し接近します。ディートは、吸血生物のセンサーを乱し、対象を見失わせる効果があります。子どもにも安心して使用でき、長時間効果が続くため、日本で50年以上使用されている実績ある虫よけ成分です。野山に入る際はマダニ対策として必須です。しっかり吹きかけておきましょう。

さらに、刺されないように長袖を着用し、肌の露出を抑えることも効果的です。肌を露出すると刺される確率も上がるためです。

帰宅した場合は、まず玄関でマダニの付着を確認しましょう。衣服を叩いて落としたり、ガムテープなどを付着させ、取り除いたりすることが有効です。

高温多湿を避ける

高温多湿はダニが好む環境です。風通しをよくする、エアコンや除湿剤を使うなどで湿度を下げ、ダニが快適な環境にならないようにしましょう。喘息の患者がいる場合にエアコンを使うと、室温が下がることにより発作を起こす可能性があるため、注意が必要です。

コナダニの餌となる乾物や調味料などがよく収納されている収納庫は高温多湿になりやすいため、風通しが必要です。低温に強いコナダニも低湿度には弱いため、湿度を下げる対策はおすすめできます。高温多湿は、ダニだけでなく、多くの害虫が好む環境です。まとめて他の害虫の対策ができるため、確実に実施しましょう。

シーツ・カバーを定期的に洗濯する

シーツ・カバーは人間のフケやアカが付着するため、ダニを寄せ付けてしまいます。定期的に洗濯して、清潔な状態を保ちましょう。

掃除をする

ダニ予防としては、餌を除去するため、こまめな掃除が重要です。また、ダニを近づけるその他の要因も取り除きましょう。

フケやアカなどの餌が1gあるだけで、約300匹のダニが生息できるといわれています。ダニの餌を放置しないように、こまめに清掃することが重要です。

お好み焼きやタコ焼きの粉などの食品は、コナダニが混入しないように密封して、可能なものは冷蔵庫に入れて保管しましょう。

イエダニは、ネズミが室内に持ち込むことが多いため、ネズミ対策をすることがイエダニ対策としても有効です。

トリサシダニ対策としては、野鳥の巣を撤去することが有効です。

人間の皮膚に寄生するヒゼンダニの予防として、定期的に入浴するなどで、皮膚を清潔に保ちましょう。

まとめ

ダニの被害と対策について詳しく解説してきました。

ダニの中には、人を刺し、アレルギー反応を引き起こす種類がいます。高温多湿でない環境を作ることや、ダニの食べ物を放置しないことで、ダニが発生しにくくなるため覚えておきましょう。また、マダニに刺されると、致死率の高い感染症にかかる恐れがあるため、しっかりと対策して、寄せ付けないようにしなければなりません。

適切な予防と駆除で、ダニのいない快適な生活を送りましょう。

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