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【アシナガバチ駆除】巣作りの時期と対処方法について解説!

日本中どこでも見かけるアシナガバチ。スズメバチよりはおとなしいですが、強い毒性を持つのが特徴です。アシナガバチの巣にはどのように対策すべきでしょうか。

アシナガバチの生態を知ることで、注意が必要な時期と、取るべき対応が見えてきます。この記事では、あまり知られていないアシナガバチの生態と、対処方法について詳しく解説していますので参考にしてください。

目次

・アシナガバチについて
・アシナガバチが巣を作る時期と特徴について
 └巣を作り始める時期について
 └特徴について
・アシナガバチの巣の特徴
 └初期の巣の形
 └完成系の巣の形
・アシナガバチの1年の様子
 └4~5月
 └6~7月
 └7~9月
 └10~3月
・アシナガバチの巣を作りやすいところ
 └軒下・屋根
 └室外機
 └植木・庭木
 └ベランダ
 └ガレージ
 └その他
・巣を見つけた場合の対処方法
 └自分で駆除
 └業者に依頼
・まとめ

アシナガバチについて

アシナガバチは、日本に11種類ほど生息しているメジャーなハチです。体長は21mmから26mm前後で、黄色と黒色の縞模様があります。胴体が太いスズメバチに比べ、胸部と腹部の間は絞られており、足が非常に長いことが特徴です。

飛ぶ時の格好も特徴的で、後ろ足を垂らして飛ぶ習性があり、速度は遅くふらふらと飛行します。まっすぐ、早く飛行するスズメバチとは飛び方が異なります。

おとなしい性格で、非常に攻撃的なスズメバチとは異なり、刺激を与えなければ攻撃してくることはほとんどありません。アシナガバチ自身や巣に極端に近づかない限りは、刺される確率は低いです。

しかし、アシナガバチの巣がある場所に、むやみに立ち入ると危険です。巣に石を投げるなどの刺激する行動を取ると攻撃されるため、絶対にしてはなりません。

毒は強力で、セグロアシナガバチやキイロアシナガバチは、スズメバチに劣らないほどの強い毒を持っています。刺されてしまった場合、ハチの毒に対して体が過剰反応を起こす「アナフィラキシーショック」が起こる場合があります。

アナフィラキシーショックは、重症化すると命を落とすリスクがあります。毎年20人ほどがアナフィラキシーショックにより命を落としていますが、原因のほとんどはスズメバチとアシナガバチの被害に集中しています。アシナガバチの習性や巣に対する知識をもたず、間違った対応をすることは非常に危険といえるでしょう。

成虫は体の構造上、固形物を消化できず、花の蜜や樹液、幼虫からタンパク質などの栄養素が含まれた分泌物を得て生活しています。一方、幼虫は、成虫が捕らえてきて団子状にした青虫やカメムシ、毛虫などを食べています。アシナガバチにより命を落とす人がいる一方、農作物を育てている人から見ると、青虫やカメムシ、毛虫などの害虫を駆除してくれる益虫としての側面があります。

アシナガバチが巣を作る時期と特徴について

アシナガバチの巣を作る時期と特徴を知っておくことは、対策するうえでも大切です。ここからは、アシナガバチが巣をつくる時期について確認していきましょう。

巣を作り始める時期について

アシナガバチが巣を作るのは4月から5月にかけてです。3月から4月ごろに女王蜂が冬眠から目覚め、繁殖のために一から巣を作り始めます。

特徴について

アシナガバチは、女王蜂以外は冬を越せず、前年に作った巣を使い回す習性がないことが特徴です。繁殖するためには働き蜂を産んで増やしていく必要があります。アシナガバチの危険性は、巣が大きさや働き蜂の数に比例して、増加します。巣が成長する前段階の4月から5月の駆除が非常に有効です。

アシナガバチの巣の特徴

ハチにより危険性が違うため、スムーズに危険なハチの巣を見分けられることは重要です。段階ごとの巣の形や、入り口の形状などに違いがあるため、詳しく知っておきましょう。

初期の巣の形

アシナガバチが巣を作る初期段階である4月から5月時点では、巣の大きさは直径5cm以下です。巣は、小さなお椀を上下逆にした形をしています。色は灰褐色で、和紙のような風合いがあるのが特徴です。巣の入り口には、ハニカム様の巣穴が多く露出しています。

ちなみにスズメバチの巣は、徳利を逆さまにしたような形で、入り口が下部にひとつだけです。

完成形の巣の形

アシナガバチの巣は8月から9月頃までに完成します。シャワーヘッド状のまま大きくなり続け、直径は15cmから20cmほどにもなります。

ちなみに、スズメバチの巣は、成長するとボール状になり、色はマーブル模様、大きいものは100cmにもなります。

大きさと形状が特徴的なので、巣から蜂の種類を見分けられるようになると危険性が把握できて便利です。スズメバチであった場合は、駆除業者を呼ぶなどの対策を検討しましょう。

アシナガバチの1年の様子

ここからは、アシナガバチの1年の行動を確認していきましょう。アシナガバチが巣を作るスピードは非常に早いため、注意が必要です。年間の行動パターンがわかれば、気をつけなければいけない時期も把握できます。

4~5月

女王蜂が本格的な活動を開始する時期です。女王蜂1匹で巣を作り始め、働き蜂を少しずつ20匹ほど産んでいきます。働き蜂は羽化すると、巣作り、幼虫の世話などを始めます。

この時期の巣の直径は約5cmで、幼虫を育てるためのハニカム構造の「育房」の数は約30個です。

6~7月

多くの働き蜂が巣作りや幼虫の世話、巣の防衛を始めます。女王蜂は巣作りをやめ、産卵に専念する時期です。巣は急速に大きくなり、働き蜂や育房の数も急速に増えていきます。

この時期が、アシナガバチが最も活発に活動する時期です。巣への警戒心や攻撃性が高まるため、注意が必要です。

7~9月

この頃に巣が完成します。働き蜂の数は最大化され、新たな働き蜂は産まれません。巣の直径は15cmほどになり、育房の数は300から400個、働き蜂の数は約1,000匹にもおよびます。

雄蜂と、新しい女王蜂が羽化する時期でもあります。

10~3月

雄蜂と新しい女王蜂が交尾し終わると、雄蜂は死に、役目を果たした女王蜂と働き蜂は10月から11月頃にすべて死亡します。

受精した女王蜂は、巣を出て土の中や木の割れ目で暖かくなるまで越冬します。翌年の3月から4月に再び目覚め、繁殖のために新たに巣を作るサイクルが繰り返されます。

アシナガバチの巣を作りやすいところ

アシナガバチの1年の行動と危険性が高まる時期がわかったところで、アシナガバチがどこに巣を作るのかを把握しておきましょう。

アシナガバチの巣は目立たない場所に作られることが多く、いきなり出くわすことがあり危険です。気づいた時にはかなり大きくなっていて攻撃される可能性もあります。活発に活動する時期は、アシナガバチを見かけたら、巣がある可能性を考慮し、むやみに立ち入らないことをおすすめします。

軒下・屋根

アシナガバチは、風や雨をしのげる場所に巣を作ります。軒下や屋根は風や雨が直接当たらないため、安心して子育てができます。アシナガバチに好まれやすく、よく巣を作られる場所です。

アシナガバチに巣を作られないようにするには、蜂の巣に似せた偽物の巣を設置するのが有効です。蜂は縄張り意識が強い習性があるため、他の巣の近くには巣を作りません。女王蜂が巣を作り始める4月から5月ごろには、軒下に偽物の巣を作り設置してみるとよいでしょう。

室外機

室外機の中や、室外機と壁の間も、巣を作りやすい場所です。軒下や屋根のように、室外機の中も風や雨が直接当たらないため、アシナガバチが好んで巣を作ります。ベランダに出る時に蜂がよく飛んでいると感じたら、室外機の中を疑ってみましょう。

中に巣がある状態でエアコンのスイッチを入れると、ファンがまわり巣は破壊されます。室外機が故障するだけでなく、スズメバチたちが怒って攻撃される可能性があるため、エアコンをつける際は室外機の中の確認が必要です。

女王蜂の侵入を防ぐためには、冬が終わった春先に防虫ネットをかけるのが有効です。女王蜂が内部へ侵入できなくなるのに加え、雨やほこり避けにもなるため、非常におすすめです。

植木・庭木

庭の植え込みも、雨や風をしのげるため、アシナガバチに好まれやすいです。

植木のある場所など、植物が多い場所には虫がよく繁殖します。アシナガバチは青虫や毛虫を好んで餌とするため、餌が豊富にある場所の近くに巣を作るのは非常に効率的なのです。

庭は、家族がよく通行する場所であり、アシナガバチの被害に遭うリスクが高まるため、巣を作らないように対策したいところです。木をこまめに剪定し風通しがよくなれば、女王蜂が巣を作るのに適さないと判断し、去る可能性が高まります。見栄えもよくなるため、日頃からしっかりと手入れすることをおすすめします。

ベランダ

ベランダには室外機が置かれることが多く、アシナガバチが巣を作りやすいです。ベランダに置かれることが多い植木鉢にもアシナガバチは巣を作ります。さらに、手すりや壁などにも巣を作る場合があります。ベランダに巣を作らせないためには、アシナガバチが寄り付かないような環境にすることが大事です。

対策として、蜂が嫌う殺虫剤を噴霧するなど、接近させないようにするのが有効です。

植木は青虫や毛虫などが寄り付きやすく、それらを餌とするアシナガバチが接近しやすいです。巣を近くに作らないよう、植木鉢などを室内に移動させることを考えてもよいでしょう。

ガレージ

ガレージや物置は、人の出入りが玄関ほど多くなく、風や雨を防げるためアシナガバチに狙われやすいです。春先などに久しぶりにガレージに入る場合は、周りを注意深く見て、巣がないか確認することをおすすめします。

下記のような対策を取りましょう。
・定期的に入り口を開放し、風通しをよくする
・虫が繁殖するのを防ぐため、周りの雑草を抜いておく
・忌避剤を噴霧する

閉鎖空間であるガレージや物置は、成分が風で飛ばされにくいため、忌避剤が非常に有効です。忌避剤にはアシナガバチが嫌がる成分が含まれているため、アシナガバチが寄り付きにくくなります。

その他

アシナガバチが巣を作り始める春先には、さまざまなところに注意をこらし、対策することが重要です。段ボールの隙間や、自動車のエンジンルームに巣を作った例もあります。

近年、アシナガバチは都市部にも多く見られるようになりました。身を隠す場所が多く、風や雨をしのげる住宅近くは、アシナガバチの格好の住処です。したがって、住宅の周りのさまざまな場所に巣が作られています。

活動が活発になる時期に、頻繁にアシナガバチを見かけたら、近くに巣がある可能性が高いです。その場に近寄らないようにし、駆除業者を呼ぶことも検討しましょう。

巣を見つけた場合の対処方法

巣の大きさが直径15cm以内かどうかが、自分で駆除できるかのボーダーラインです。15cm以内の場合は巣が育っていないため、働き蜂の数が少ない傾向にあり、安全が確保できるためです。巣がまだ小さい4月から6月の間であれば、自力駆除が可能なことが多いといえるでしょう。

しかし、巣が成長する7月以降になり巣を発見した場合は、自分では手を出さず駆除業者に依頼した方がよいでしょう。

また、自力駆除は、手の届く場所に巣がある場合に限定するべきです。軒下に巣を作った場合、はしごなどを使わなければ駆除できません。落下してけがをする危険があるため、慣れない高所での作業は駆除業者に任せることをおすすめします。

加えて、自力駆除は「アシナガバチの巣であることが確認できた場合に限る」ことをおすすめします。スズメバチの場合は、刺されると命を落とすリスクがあるからです。危険なスズメバチの巣でも、小さければ自分で駆除できる場合もありますが、一般人は蜂の駆除に慣れてないため、やり方を間違うと刺されるリスクが高まります。

自分で駆除

自分で駆除するには、まず必要な道具を用意しましょう。

・3m以上の噴射力がある殺虫剤
・防護服、手袋、長靴
・ほうき、ちりとり
・巣を落とす棒
・巣を入れて捨てるゴミ袋
・赤いセロハンテープを貼った懐中電灯

まず、アシナガバチの針が通らないように、防護服を着て肌が露出しないようにします。香水や香りが強いシャンプーや制汗剤は、蜂が興奮する成分が含まれているため、駆除する時は付けるのをやめましょう。

駆除は、アシナガバチが巣に帰ってくる夜に行います。アシナガバチが反応して寄り付かないように、懐中電灯に赤いセロハンテープを貼ることがポイントです。

巣まで2mくらいの距離から、1分ほど殺虫剤を噴射します。蜂が静かになったら近づき、入り口に直接噴射しましょう。すべての蜂の死亡を確認したら、巣を撤去します。死亡した蜂の撤去には、必ずほうきとちりとりを使用します。アシナガバチは死んでいても、毒針を動かす筋肉が動きます。素手で触ると反応して毒針で刺される可能性があるため、ほうきとちりとりを使って死骸を集めなければなりません。

最後に、巣の下にビニール袋を広げ、棒で巣を落とします。しっかりと入り口を縛り、燃えるゴミに出せば、駆除完了です。

業者に依頼

アシナガバチに刺され死亡する原因の1位は、自力駆除の失敗です。アシナガバチはおとなしい性格ですが、巣が15cmを超え、働き蜂の攻撃性が高くなると、多くの危険が伴います。安全に駆除するためにも、駆除業者に依頼しましょう。

駆除業者は広い知識や技術をもっているため、安全・確実に駆除ができます。駆除しきれず蜂が戻ってきて巣を作る「戻り蜂」も発生しにくいです。

ただし、駆除業者は数が多く、価格設定もバラバラです。業者選びで失敗すると、悪徳な業者により高額な費用を請求されるなど、トラブルに発展しかねません。駆除業者選びで迷った場合は「駆除の窓口」に依頼することをおすすめします。

駆除の窓口は10万件以上の実績があり、税込4,000 円からと大変リーズナブルな価格で対応可能な駆除業者です。しっかりと費用の説明を行い、依頼者が納得してから作業するため、料金は発生しません。高額な費用の請求が怖い方でも安心です。また、戻り蜂対策として、一定期間は再度無料で駆除する保証が用意されています。豊富な知識と、充実の保証をもつことから、確実な駆除が期待できる業者です。迷った場合は駆除の窓口に依頼することをおすすめします。

まとめ

アシナガバチはスズメバチと違い、おとなしい性質があります。しかし、毒性は強く、むやみに巣に近づくと攻撃されることがあり危険性はゼロではありません。刺されないために、住宅の近くに巣を作らせない対策が重要です。効果的な対策を実施するために、アシナガバチが巣を作り始める時期や、作りやすい場所を把握しておきましょう。

仮に巣を作られてしまった場合は、自力駆除も可能です。しかし、安全性の問題から、駆除の窓口などの駆除業者に依頼することをおすすめします。

アシナガバチといえども、刺された場合は重症化するケースもあるため巣を作られることを軽視できません。アシナガバチの習性をよく理解し、効果的な対策を行いましょう。

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