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【ムカデ 駆除】ムカデの生態や対処法、業者に頼んだ際の作業内容まで解説!

ムカデは、ゴキブリやクモを食べる益虫として知られていますが、咬まれると激痛を伴うことがあります。ムカデはちょっとしたすき間でも入って来るので、発生する原因や退治法、ムカデを寄せ付けないための対処法を知っておくことが大切です。

目次

・ムカデの生態と特長
 └ムカデの生態
 └ムカデの種類
 └噛まれた際の対処
・ムカデが家に発生する原因
 └薄暗い場所
 └湿気が多い場所・季節
 └家の中のゴミや周囲の落ち葉など
・ムカデの退治法
 └殺虫スプレーを使う
 └燻煙剤を使う
 └駆除エサ剤を使う
 └熱湯や熱風をかける
 └スリッパや新聞紙で急所を叩く
・ムカデを寄せ付けない対処法
 └ムカデを寄せ付けない対処法
 └侵入できる隙間をふさぐ
 └湿気を溜め込まない
 └家の中や周囲を清潔にする
・駆除を業者に依頼する場合
 └ムカデ駆除の相場
 └ムカデ駆除の作業内容
・まとめ

ムカデの生態と特長

ムカデの退治法や対処法を知る前に、まずはムカデの生態や種類について知っておきましょう。ムカデに噛まれたときの対処法についてもご紹介します。

ムカデの生態

ムカデは、日本ではよく見かける昆虫で、体長は主に7~13cmほどです。体型は長くて細い形状で、頭部には触覚があります。視力はあまり優れておらず、主に触覚を頼りに生活しているのが特徴です。そのため、動き回るものに敏感に反応します。

また、驚くべきことにムカデは時に自分の子どもを食べてしまう習性があります。

ムカデは「百足」という漢字のとおり、多くの脚を持っているのが特徴です。各体節から一対の脚が生え、中には177対の脚を持つ種類も存在します。襲われた際には、自分自身で脚を切り離すこともできます。寿命は6~10年ほどで、10回以上脱皮をします。脱皮によって切れた脚も再生されるといわれています。

ムカデは高湿度で暗く、狭い場所を好みます。特にゴキブリやクモなどの昆虫を好むため、畑、沼、森林などでよく見られます。昼間は土の中や落ち葉の下、朽ちた木や石垣の隙間に生息し、夜になるとエサを求めて人の住む場所にも侵入します。基本的に温暖な環境を好む傾向があり、寒い場所では活動が鈍くなり、10℃以下になるとほとんど動きません。

ムカデの種類

ムカデにはさまざまな種類が存在し、世界では3,000種以上ものムカデが確認されています。日本で確認されているのは約130種類です。代表的な種類として、セスジアカムカデ、アオズムカデ、トビズムカデ(オオムカデ)などが挙げられます。

セスジアカムカデは、体長5~6cmほどの小さなムカデで、北海道より南に広く分布しています。噛まれると痛みはあまり強くありませんが、個人の体質によっては腫れやかゆみが続くこともあるため、油断は禁物です。

アオズムカデは、7~12cmほどのやや小柄なムカデで、全身が黒または深い青色です。本州から沖縄まで広い範囲で見られます。

トビズムカデは、東北地方以南から南西諸島にかけて分布しています。体長8~15cmほどの大型のムカデで、赤い頭と触角が特徴的です。

ムカデの種類や分布について理解しておくことで、ムカデとの接触時に適切な対処ができるでしょう。

噛まれた際の対処

ムカデに噛まれた場合は、まず冷静になることが大切です。まずは症状を確認し、素早く応急処置を行うことが重要になります。噛まれた部位を水で洗い流す際には、お湯ではなく水を使用しましょう。お湯を使うと血流が促進され、毒が広がる可能性があります。洗い流した後は、抗ヒスタミンを含むステロイド軟膏やアンモニア水を塗布しましょう。腫れがなかなか引かない場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。迅速な対応が、症状の悪化を防ぐ一助となります。十分な注意を払って対応しましょう。

ムカデが家に発生する原因

ムカデの生態でもご紹介したとおり、ムカデは高湿度で暗く、狭い場所を好みます。家に発生するのは、以下のような場所や条件のときです。

薄暗い場所

ムカデの頭や胴体は薄く、小さな隙間があればどこからでも侵入してきます。網戸とサッシの隙間や玄関ドアの隙間などからも侵入可能です。換気口や通気口の隙間にも潜んでいることがあるので、フィルターなどを使って侵入を防ぐことが大切です。特に、壁付タイプのプロペラファンなどは、壁に隙間が生まれやすいので、注意しましょう。

湿気が多い場所・季節

ムカデは主に3~12月にかけて発生しますが、6~8月は特に被害が増大になるでしょう。湿気が多い場所を好むため、台所や浴室の排水口も侵入経路となり得るので注意が必要です。一軒家の場合は、床下に湿気が溜まりやすく、床下換気口という隙間からムカデが入り込むこともあります。これらの場所にフィルターなどを上手に使い、ムカデの侵入を防ぐことが大切です。

エアコン内部で発生した水を外に出す「ドレンホース(排水管)」も侵入通路となりやすく、ホース内を通って室内まで上ってくることがあります。ドレンホースには「防虫キャップ」のようなパーツを取り付け、ムカデが侵入できないような対策をとることが重要です。

見家の中のゴミや周囲の落ち葉など

ムカデを防ぐためには、清潔な環境を保つことが重要です。特にキッチン周辺や洗面所、浴室などは、食べ物のカスやカビ、髪の毛などが溜まりやすく、害虫に好まれる場所です。定期的な掃除と清掃を心掛けましょう。また、自宅周辺には落ち葉や雑草がある場合は注意が必要です。落ち葉を集めて処理し、雑草の管理も行いましょう。さらに、ベランダに植木鉢がある場合は、定期的に忌避剤を使用することで防虫効果を高めることができます。ムカデは肉食性の虫であり、ゴキブリや蜘蛛、ネズミなどをエサとします。したがって、これらの害虫が増えないようにすることもムカデ対策には大切です。害虫がいなければ、ムカデが自宅に侵入する理由もなくなります。定期的な清潔な環境づくりと虫の発生源を排除することで、ムカデの侵入を防ぐことができます。

ムカデの退治法

ムカデを発見しても驚いてしまい、どうやって退治したら良いのかわからなくなってしまうこともあるかもしれません。退治法を知り、必要であれば道具を準備しておくことで、冷静に退治できるようになるでしょう。

殺虫スプレーを使う

ムカデを退治するには、殺虫スプレーが確実で簡単な方法といえるでしょう。スプレーを使用する際には、一瞬の噴射では効果が得られません。数秒間にわたってムカデにスプレーをかけ、確実に退治することが重要です。市販されているスプレーには、専用のムカデ用スプレーや、殺虫成分の使用されていない冷凍スプレーなど、さまざまな種類があります。殺虫と同時に忌避効果があるものは、忌避効果期間を確認しておくことも大切です。忌避効果が過ぎる前にスプレーしておくと、侵入を防ぐこともできます。

ペットや小さな子どもがいる場合は、殺虫成分が含まれていない冷凍スプレータイプがおすすめです。冷凍スプレーを使用する際には、ムカデに対してできるだけ距離を詰めて噴射し、ムカデがしっかりと湿った状態になるようにすることがポイントです。

燻煙剤を使う

燻煙剤は、ムカデを含む害虫の駆除に有効な手段です。部屋の隅々まで燻煙が行き渡るため、隠れているムカデも退治できるメリットがあります。さらに、カメムシやチャタテムシなど、ほかの害虫を同時に駆除することが可能です。ただし、燻煙剤の利用には適切な準備と後始末が必須です。煙が家電製品に触れたり、火災報知器が反応する可能性があるため、カバーをかけて保護する必要があります。また、燻煙剤を使った後は、虫の死骸を自分で片付ける必要もあります。製品によって条件が異なるため、使用前に取扱説明書をよく読み、適切な手順を守って使用しましょう。

駆除エサ剤を使う

ムカデの退治には、専用の毒餌が役立ちます。毒餌を使用すると、殺虫成分が含まれたエサによってムカデをおびき寄せ、撃退することができます。ムカデの居場所を特定しにくくなった場合にも、毒餌は効果的です。玄関や家の周囲に毒餌を使うと、ムカデの駆除と予防を同時に行うことができるので、効率的な対策法といえるでしょう。

熱湯や熱風をかける

ムカデは熱に弱く、60℃以上のお湯でないと即死が難しいため、部屋の中で直接熱湯をかけるのは適切ではありません。代わりに、バケツなどに熱湯を用意し、ガムテープやトングなど手には直接触れない方法で、捕獲したムカデを投入する方法がおすすめです。熱湯をかけて動かなくなっていても退治しきれていないケースがあるため、手で直接触れないように注意しましょう。また、ドライヤーの熱風を利用するのもムカデを退治に有効です。日本で販売されている一般的なドライヤーは、吹き出し口から3cm以内の温度が120℃程度に設定されているため、ムカデを弱らせることができるでしょう。ただし、ムカデが逃げたり熱に強かったりする場合もあるため、完全な退治を保証する方法ではありません。

スリッパや新聞紙で急所を叩く

ムカデをスリッパや新聞紙などで叩いて退治することもできます。ムカデの急所である頭部を狙って叩くことがポイントです。ムカデの頭をつぶすことで確実に仕留めることができます。ただし、ムカデの体液が出るため、かなり強烈な悪臭が発生します。そのため、室内で叩いて駆除するのは避けたほうが良いでしょう。室内でのムカデ駆除を行う場合は、殺虫剤などの方法を検討しましょう。

ムカデを寄せ付けない対処法

ムカデが出やすい季節、特に被害が増大しやすい6~8月になる前被害が出やすい地域では、以下のような対処をしておくのがおすすめです。

ベランダや玄関に忌避剤をまく

ムカデの侵入を予防するために、ベランダや玄関、窓周辺などの侵入経路に忌避剤をまくのが効果的です。ムカデは頭や胴体が薄く、小さな隙間からでも侵入してくるので、網戸やサッシの隙間、玄関ドアの隙間にまいておきましょう。ベランダでは、カメムシやユスリカなど、ほかの害虫対策と合わせて忌避剤をまくことで、春から秋の害虫シーズンを安心して過ごせます。

侵入できる隙間をふさぐ

ムカデの侵入を防ぐためには、物理的な対策も効果的です。以下のような場所にフィルターや防虫シートを貼るか、隙間シールを使用して、侵入経路をふさぐことをおすすめします。対策を行う際は、侵入口を見逃さないように慎重に行いましょう。

・窓や網戸
・玄関ドアとサッシの隙間
・換気口や通気口
・水場の排水口
・換気扇
・エアコンのドレンホース、パテの隙間
・床下

湿気を溜め込まない

ムカデは湿気の多い場所を好みます。換気や除湿を徹底して、家の中の湿度をコントロールすることも重要です。湿気を抑えることはムカデ予防だけでなく、ほかの害虫やダニの発生も抑える効果があります。ホコリをエサとする害虫も増えにくくなり、虫刺され被害のリスクも減るでしょう。以下のような場所が特に湿気が溜まりやすいポイントなので、注意してください。

・玄関や窓の周り
・水回り(キッチンや浴室)
・空気が滞りがちな収納スペース

家の中や周囲を清潔にする

家の中や周辺を清潔に保つことは、ムカデの侵入を予防するために重要です。キッチン周辺や洗面所、浴室などは、食べ物のカスやカビ、髪の毛などが集まりやすく、害虫にとって魅力的な環境といえます。清潔な状態を保つことで、ムカデのエサとなる虫の発生を抑えることができます。

あわせて、自宅周辺の掃除も大切です。落ち葉や雑草のある場所は、ムカデが潜んでいる可能性があるので、定期的に掃除を行いましょう。ベランダに植木鉢を置いている場合には、忌避剤と併用することでより効果的な防虫対策が可能になります。

ムカデは捕食性の昆虫であり、ゴキブリや蜘蛛、そしてネズミなどを餌としています。清潔な環境の維持と、物理的な侵入経路の防止を組み合わせることで、ムカデ予防に効果的な対策となるでしょう。

駆除を業者に依頼する場合

もし、ムカデの駆除が難しいと感じる場合や虫が苦手な方は、駆除業者に依頼するのも良いでしょう。プロに依頼することで、ムカデを駆除できる可能性も格段に上がります。費用相場や作業内容を知っておくと、依頼するときの参考になります。

ムカデ駆除の相場

ムカデ駆除の費用相場は、屋内・屋外などの条件、作業範囲、作業内容によって異なります。例えば、庭などの屋外の場合は、1㎡あたり1,000円程度が相場です。一般的には、10㎡(6畳分程度)以上の範囲で作業を行うので、1万円以上かかることもあります。

一方、屋内での駆除作業の場合、ムカデの侵入が見られやすい1階だけであれば、大体4万円から10万円程度が相場となります。しかし、家全体で作業を行う場合には、費用は10万円から15万円程度に上がることが考えられます。

これらの費用はあくまで一般的な相場であり、具体的な費用は依頼する駆除業者や作業内容により変動します。また、作業後のアフターケアや保証期間の有無など、提供されるサービス内容を考慮に入れることも重要です。

ムカデ駆除の作業内容

ムカデ駆除の主な作業内容は以下のとおりです。自分で行う場合と、作業内容はあまり変わりません。しかし、プロは徹底的に調査を行い、高い技術でムカデを駆除します。自分では気づけない侵入経路や業者ならではの薬剤で駆除を行ってくれるので安心です。

・薬剤の散布
・床下の除湿
・侵入口をふさぐ

まとめ

ムカデが現れた際には、パニックになり見逃してしまうこともあるでしょう。しかし、ムカデに噛まれると痛みが伴うことが多いため、適切な対応が必要となります。

今回は、ムカデが発生する原因や退治法をはじめ、ムカデを寄せ付けないための対処法をご紹介しました。自分で駆除するのが難しい場合は、駆除業者に依頼することをおすすめします。

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