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【キクイムシ 駆除】家具がボロボロになる前に!キクイムシの生態や駆除方法を詳しく解説!

天然木や無垢材のフローリングや家具は、ナチュラルな部屋のコーディネートに欠かせません。しかし、時折、細かな穴や木屑が目立つことがあります。これはキクイムシという木材に発生する虫の仕業かもしれません。キクイムシは特定の木材に発生しやすく、被害の原因となります。新築物件でも見られることがあるので、注意が必要です。今回は、キクイムシの特徴や駆除・予防対策についてくわしく解説します。

目次

・キクイムシを駆除したい!
・キクイムシの特徴は?
 └キクイムシの生態
 └キクイムシの発生源
・家の中でキクイムシが発生する原因
 └木材によって家の中に侵入
 └キクイムシが好む木材
・キクイムシによる被害
 └人体への被害は?
 └木材でできている家具への被害
 └被害に気付くポイント
・キクイムシを自分で駆除する方法
 └殺虫剤がおすすめ
 └くん煙剤はあまり効かない
・キクイムシ駆除を業者に依頼する場合
 └キクイムシ駆除を業者に頼むメリット
 └業者を選ぶポイント
 └相場や料金設定
・キクイムシに対する予防法
 └殺虫剤をあらかじめ木材に吹きかけておく
 └ニスや防腐剤を木材に塗る
 └キクイムシが好まない木材を選ぶ
・まとめ

キクイムシを駆除したい!

キクイムシは、自然な美しさを持つ天然木や無垢材のフローリングや家具の木材を食べる害虫です。さまざまな種類が存在し、日本で被害が報告されているものには下記のような種類があります。
・ヒラタキクイムシ
・ケヤキキクイムシ
・ナラヒラタキクイムシ
・アフリカヒラタキクイムシなど

小さな虫ですが、フローリングや家具に被害を及ぼすため、放置すると貴重な家財を脅かす要因となります。被害を未然に防ぐためには、生態や発生原因を理解し、効果的な予防法を知ることが重要です。大切な家具を守るために、キクイムシについての知識を深めましょう。

キクイムシの特徴は?

キクイムシは乾燥した木材を好み、フローリングや家具に穴を開ける害虫です。適切な対策を知るためにも、まずは生態や発生源をくわしく理解しましょう。

キクイムシの生態

キクイムシは、背中側の体表が硬く、さなぎになってから成虫になる甲虫で、成虫の大きさは3~4mm程度です。広葉樹を好みますが、針葉樹には影響を及ぼしません。木造住宅に使用される構造材は、一般的に針葉樹が使われる傾向が多いため、木造住宅そのものに重大な損傷を与えることはあまりありません。

ただし、最近ではフローリング材にキクイムシの被害が増えています。フローリング材に被害が及んでいるのは、ホルムアルデヒドを含まない天然木や無垢のフローリング材が普及したことが要因です。

木を食べるのは、4~5mm程度のイモムシに似た幼虫です。成虫は4~8月に発生し、広葉樹の水を通す穴(導管)に産卵します。孵化した幼虫は木材を食べて成長し、翌年の4~8月には木材に小さな穴を開けて外へ出てきます。キクイムシが何世代にもわたって被害を与えると、外観上は木材に小さな穴が開いているだけに見えても、内部は粉々になっている恐れがあります。

キクイムシの発生源

キクイムシの発生を防ぐためには、その主な要因を理解し対策を講じることが重要です。キクイムシの主な繁殖手段は、既に卵や幼虫が付着している木材や家具を介することが一般的です。しかし、適切に燻蒸処理や熱処理を施した木材を利用することで、キクイムシの定着を防げます。輸入木材を使った家具を購入する際には、燻煙処理や熱処理が施されているかを確認することが大切です。これらの対策を講じることで、キクイムシの被害を未然に防ぐことができます。

家の中でキクイムシが発生する原因

新しく木製家具を購入するタイミングや新築で建付の家具に広葉樹の木材が使われている場合は、家の中でキクイムシが発生してしまうことがあります。以下のようなケースや木材を使っている場合は要注意です。

木材によって家の中に侵入

キクイムシが侵入してしまう主な要因は、キクイムシが付着している木材や家具を家に入れることです。例えば輸入木材のラワン材や合板を使用した家具や家屋にキクイムシの幼虫が潜んでいると、木材を食べ続けて成虫になるまで家の中で増殖します。新たに購入した木製のタンス、テーブルや椅子、学習机などは、特に注意が必要です。

また、新築のクローゼットなどの素材にキクイムシが発生しやすい木材を使っている場合も、注意しましょう。燻煙処理や熱処理などの防虫処理が施されているかを確認してから購入しましょう。

キクイムシが好む木材

キクイムシは一般的に、幼虫の工サになるデンプン質が多い木材や、成虫が産卵するのに適している水を通す穴(導管)がある木材を好みます。キクイムシの被害を受ける主な樹種はタケ、ラワン、ケヤキ、ナラ、シオジ、カバ、タブ、カシ、キリなどです。特に、柔らかい木質が特徴のラワン材の普及に伴い、キクイムシの被害が多発しています。木造建築やフローリング材を使用する際には、キクイムシの対策が必要です。ただし、木材のデンプンは時間の経過と共に変質するという特徴があるため、古くなった木材は食害されにくい傾向にあります。

キクイムシによる被害

キクイムシは森林や建物に影響を及ぼしますが、特に10ヵ月間の幼虫の時期の食害が顕著です。メスが木材の表面付近に産卵し、幼虫は乾燥した木材のデンプンを食べ続けます。木材の内部を食べるので被害を発見するのが難しく、見逃しやすいという問題があります。キクイムシは以下のような被害をもたらします。

人体への被害は?

キクイムシが人を刺す・吸血するといった直接的な被害の報告は、現在のところありません。ダニのように病原菌を運んだり、アレルゲンの原因になったりする可能性も低いようです。しかし、キクイムシが原因で出た木くずや糞を吸い込むことによって、アレルギーを発症する可能性も考えられるので、早めに駆除するのが賢明でしょう。

また、家の中で虫が大量繁殖していたという現実に精神的なショックを受ける可能性もあります。高級家具に多額の費用を払っていた場合や、大量の穴が開いて家具の見た目が悪くなってしまった場合も、精神的なショックを受けるかもしれません。

木材でできている家具への被害

キクイムシは、新しい木材を好んで食害することで知られています。家具に被害を与えると、ポツポツとした穴ができてしまいます。穴が開くことは、家具を大切にしている人にとってショックかもしれません。

家具が返品可能な場合は、返品を検討してください。食害がひどい場合は、返品が受け付けられることがあります。返品が難しい場合は、自治体のごみ処理ルールに従って適切に処理してください。

被害に気付くポイント

キクイムシは小さな虫ではありますが、放っておくと大きな被害をもたらす恐れがあります。木材の家具や床、壁の近くに細かい木くずが落ちていたり、木材表面に小さな穴が開いていたり、家具や壁から木をかじるような音が聞こえたりしたら、キクイムシの被害が疑われるため、注意が必要です。

特に成虫は4〜8月に活動が頻繁で、家の中を飛び回ることもあります。小さな甲虫を発見した場合は、どこから発生しているのかを確認して対処しましょう。

一度繁殖したキクイムシは木材の中に卵を産み続け、被害が広がる可能性があります。被害を見つけたら、早めに駆除することが重要です。

キクイムシを自分で駆除する方法

キクイムシは見つけることが難しく、専門家でも完全に駆除するのは困難とされています。成虫であれば市販の殺虫剤で駆除するのは簡単ですが、問題は幼虫です。木材の内部に潜んでいるため、薬剤を浸透させることが難しく、完璧な駆除は難しいとされています。自分で対処することもできますが、何度も根気よく殺虫剤を散布する必要があります。キクイムシの生態サイクルに合わせて、最低でも1年間は慎重に対応しなければならないため、根絶するのは難しいでしょう。

殺虫剤がおすすめ

キクイムシを撃退するにはエアゾール殺虫剤が有効です。すき間ノズルが付いている商品を使えば、木材の中にいるキクイムシの幼虫にも効果があります。キクイムシ専用のエアゾールタイプの殺虫剤も販売されています。小さな穴や隙間に特殊なノズルで薬剤を注入することが可能です。木材の防腐作用も促進でき、害虫の予防にも役立ちます。以下のように簡単な手順でキクイムシを駆除できるので、被害が小さい場合は自分で試してみる価値があります。

1.虫穴に殺虫剤を注入する
2.幅木の下、部材の接合部など被害場所周辺の隙間にも殺虫剤を噴霧する
3.1と2の手順を2~3回繰り返す
4.できてしまった虫穴は殺虫剤をまいたあとに爪楊枝などの木片でふさぐ

くん煙剤はあまり効かない

キクイムシの駆除にはくん剤が効果的ですが、注意が必要です。成虫に対する効果はあるものの、家具や木材内部に潜む幼虫に対してはほとんど効果がありません。くん剤は家にいるキクイムシ全体に適していないことを理解しましょう。

キクイムシ駆除を業者に依頼する場合

キクイムシの駆除は独自で完璧に行うことが難しいケースが多いため、専門業者に依頼するのが賢明です。被害範囲が広い場合や毎年被害に遭うような場合に特に効果的です。迅速な対応が求められる場合にも頼りになる方法といえるでしょう。

キクイムシ駆除を業者に頼むメリット

キクイムシは、成虫になるまで家具や木材に潜むため、素人の駆除は難しいうえに、不完全な駆除で被害が広がることもあるでしょう。業者に依頼すれば発生源を特定してもらえるだけではなく、丁寧な駆除と予防を行って長期間の効果が期待できます。費用はかかりますが、手間や効果を考えると業者に依頼するほうが良い場合もあります。

業者を選ぶポイント

キクイムシ駆除の専門業者選びでは、最低でも3社以上の見積もり、評判、提供サービスを比較検討することをおすすめします。複数の業者を比べることで、料金の標準やサービス内容を理解しやすくなります。自分の予算に見合った選択を行い、サービスを選ぶことができるでしょう。

また、予約前に疑問点があれば業者へ質問を行うことも重要です。質問への対応が丁寧な業者は、信頼度が高いと考えられます。疑問を積極的に投げかけ、納得の行く回答を得てから依頼するのがおすすめです。

相場や料金設定

キクイムシ駆除の料金相場は、家具の種類や被害の範囲、サービスの料金体系などにより異なります。一般的な相場料金では、被害面積が10㎡程度の場合、3万円前後になります。ただし、場合によっては、1万円台で可能なケースもあるので、複数業者を比較検討することが大切です。費用相場を理解することで、適切な業者と合理的な料金で駆除を依頼することができます。

キクイムシに対する予防法

キクイムシは、駆除だけでなく再発防止が重要です。再発を避けるために以下のような予防法も覚えておくと良いでしょう。

殺虫剤をあらかじめ木材に吹きかけておく

木材をキクイムシから守る方法として、殺虫剤を利用するのが有効です。殺虫剤は駆除のみならず予防にも効果があります。木材を利用した家具が複数ある場合は、もし、ひとつの家具が被害を受けても、別の家具を守ることはできます。ただし、木材の中に既にいるキクイムシの幼虫は駆除できません。木材の表面に殺虫剤を吹きかけることで、家具や木材が長く美しく保たれるだけでなく、外からのキクイムシの侵入を防ぎ、被害を未然に防ぐことができます。

ニスや防腐剤を木材に塗る

家具を長持ちさせたいけれど、殺虫剤を直接使いたくないと思うこともあるでしょう。そんな時は、木材の表面にニスや防腐剤を塗ることをおすすめします。ニスや防腐剤を塗ることで微生物の侵入や増殖を防ぎ、家具をキクイムシなどの害虫から守ることができます。

再発を防ぐには、キクイムシが発生した場所以外にもフローリングや壁、天井などに木材用の防虫防腐剤を使うと効果的です。また、キクイムシは未処理の木材を好む傾向があるため、家具に塗料やニスを塗ることも予防策として考えられます。これらの対策をしっかりと行えば、家具を長く美しく保ちながら、害虫から守ることができるでしょう。

キクイムシが好まない木材を選ぶ

キクイムシが被害を与えやすいのは、タケ、ラワン、ケヤキ、ナラ、シオジ、カバ、タブ、カシ、キリなどの広葉樹です。そのため、家具を選ぶ際は、キクイムシが苦手なスギやヒノキのような針葉樹を選ぶと良いでしょう。

さらに、キクイムシの被害を減らすためには、あらかじめ燻煙処理、熱処理、防虫処理が施された家具を選ぶことも重要です。また、木材に塗装やニスが施されている場合も被害を減らす助けになります。これらの対策を講じることで、家具を長持ちさせることができます。

まとめ

素敵な家具を購入しても、キクイムシによって穴を開けられたらショックを受けてしまいますよね。今回は、キクイムシの特徴をはじめ、家の中に侵入する原因や駆除方法についてまとめました。ただし、キクイムシはプロでも駆除が難しい害虫です。迅速な駆除を希望する方や再発を防止したい方は、業者に任せるのが良いでしょう。予防法についてもご紹介したので、ぜひ参考にしてください。

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