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【チャバネゴキブリ 駆除】食品や家電に侵入してくる、チャバネゴキブリの生態や駆除方法を詳しく解説!

家の中にチャバネゴキブリが侵入することはよくあります。見た目が気持ち悪いだけではなく、さまざまな影響を及ぼすので注意が必要です。今回は、チャバネゴキブリの特徴や家に侵入する経路をはじめ、駆除方法や侵入を防ぐ方法についてくわしく解説します。

目次

・チャバネゴキブリを駆除したい!
・チャバネゴキブリの特徴は?クロゴキブリとの違い
 └チャバネゴキブリの生態
 └チャバネゴキブリの生息場所
 └チャバネゴキブリの発生源
・チャバネゴキブリが家に侵入する条件
 └出没しやすい環境
 └家への侵入経路
・チャバネゴキブリによる被害
 └食品への混入
 └家電製品への侵入
 └病原菌やウイルスなどの媒介
・チャバネゴキブリの駆除方法
 └殺虫剤が効かない!?
 └殺虫剤を使用する場合
 └おすすめはベイト剤による駆除
 └くん煙剤による駆除
 └合成洗剤をかける
 └掃除機で吸う
・チャバネゴキブリの侵入を防ぐ対策
 └侵入口となる隙間をふさぐ
 └ゴキブリ除けの忌避剤を使う
 └部屋を清潔に保つ
 └屋外からの搬入物に注意
・徹底的に駆除するならプロに依頼
 └除作業の内容
 └予防できる期間
・まとめ

チャバネゴキブリを駆除したい!

チャバネゴキブリを見つけても退治できずに、家具の隙間や家電の裏側などに逃げ込まれてしまうと、気になって仕方がありませんよね。しかし、そもそもチャバネゴキブリに近づきたくない方も多いでしょう。チャバネゴキブリは1匹を見つけたら、多くの仲間が潜んでいる可能性があるともいわれています。そのため、早めの対策が必要です。そこで、手軽な方法から徹底的な対策まで、チャバネゴキブリの駆除方法をご紹介します。家に潜むチャバネゴキブリを徹底的に退治するために、適切な方法を選べるようにしましょう。

チャバネゴキブリの特徴は?クロゴキブリとの違い

チャバネゴキブリとクロゴキブリは、日本に生息しているゴキブリの59種類の中でも、私たちが室内でよく見かける10種類に含まれています。チャバネゴキブリは薄茶色で、外見上ゴキブリと判断しにくい特徴を持っています。また、体長もクロゴキブリよりもひとまわり小さいのが特徴です。

チャバネゴキブリは生態サイクルが速く、繁殖力・繁殖スピードにおいてクロゴキブリをしのいでいます。そのため、数が急速に増えることがあり、注意が必要となります。

チャバネゴキブリの生態

チャバネゴキブリは黄褐色で、体長は約1~1.5cmです。成長のサイクルは、卵が孵化するまでの期間が約20日、幼虫の期間が約30~70日となっており、成虫としての寿命は4~7カ月となります。産卵の回数は3~10回で、1匹のメスゴキブリからはおおよそ120~400匹の幼虫が産まれます。

チャバネゴキブリの生息場所

チャバネゴキブリは寒冷な気候には非常に弱く、マイナス5℃で1日で死んでしまうほどです。このため、断熱性や密閉性が高いコンクリート建築を好む性質があり、飲食店やスーパーマーケットの食品売り場、オフィスビルなどで頻繁に目撃されます。
また、家庭内でも見られることが多く、暖房器具の周囲や冷蔵庫などの電化製品の近く、そしてエアコンの内部など、温かく湿度の高い場所を好みます。キッチンや浴室などの水回りもチャバネゴキブリの隠れ家となり得ます。
日本全土で観察されるチャバネゴキブリは、北海道のような寒冷地においても、適切な暖房があれば生息可能です。屋内で温度が20℃を超える場所があれば、一年を通して活動的になるため、気温の低さだけでは彼らの生息を阻止することはできません。そのため、どの地域でもチャバネゴキブリの管理と対策が必要です。

チャバネゴキブリの発生源

チャバネゴキブリは寒冷な環境に弱く、暖房の整っていない場所では越冬できずに絶滅してしまいます。そのため、通気性の良い木造の家よりも、断熱性と機密性が高いコンクリート建築を好むのが特徴です。飲食店、食品売り場、オフィスビルなどでよく見られますが、一般的な家庭でも暖房器具の周囲など、高温環境となる場所に頻繁に生息しています。

チャバネゴキブリは北海道から沖縄まで日本全国で見つけることができ、特に暖房器具の設置されている場所ではよく目撃されます。気温が20℃以上であれば一年中活動し続けるため、常に警戒が必要となります。

チャバネゴキブリが家に侵入する条件

チャバネゴキブリは、わずか2mmの隙間からでも侵入することができます。一度侵入してしまうと、暖かい場所で活発に繁殖を始め、急速に個体数が増えてしまいます。実際、わずか半年程度で大群を形成することも珍しくありません。そのため、侵入経路を遮断することがチャバネゴキブリ対策の基本となります。

もしチャバネゴキブリを発見した場合には、繁殖が本格化する前に早急に駆除を行うことが重要です。

出没しやすい環境

チャバネゴキブリは前項のような方法で侵入してきます。そして、出没しやすい環境もあるので、以下のような条件が当てはまっていれば注意が必要です。

1.部屋が散らかっており、掃除が行き届いていない
水やエサとなるものがあり、隠れ家が多い場所はチャバネゴキブリが出没しやすい環境といえます。また、チャバネゴキブリの糞をそのままにしておくと仲間を呼び寄せる要因になるので注意が必要です。以下のような部屋は特に注意しましょう。

・使った食器などを洗わず水につけたままにしている
・空き缶や食品の容器を洗わずにゴミ箱に捨てる
・食べかけの食品を冷蔵庫に入れない
・生ゴミを処理していない
・植木鉢に水が溜まっている
・雑誌類や段ボールを溜めている
・キッチンに油汚れがある
・チャバネゴキブリの糞を放置している

2.室温が高い
チャバネゴキブリが繁殖しやすくエサ探しなどで活発に動く気温は、25~30度です。快適に過ごしやすい室温でもあるので、室内を25~30度に設定している場合は出没しやすい環境といえるでしょう。

家への侵入経路

チャバネゴキブリが屋内に侵入する経路には、以下のような場所があります。侵入を防ぐためには、侵入経路に警戒し、遮断する対策も必要です。

・荷物の段ボール
・衣服やカバン
・キッチン、トイレ、浴室、洗濯機の排水口
・エアコンの配管や排水管の隙間

チャバネゴキブリによる被害

チャバネゴキブリによる被害は多岐にわたります。こちらでは、チャバネゴキブリが具体的にどのような被害をもたらすのかを解説します。

食品への混入

チャバネゴキブリは排水口を経由してやってくることもあります。チャバネゴキブリが排水口から這い上がり、食品に混入すると、衛生状態を大きく損なうこととなります。チャバネゴキブリの体や足には多種多様な細菌やウイルスが付着しており、それらが食品に触れることで広範囲に広がってしまいます。特に飲食店では、衛生管理が重要となるため、ゴキブリの体の一部が食材や提供する料理に混入すると、大勢の人々が被害を受けることにつながります。飲食物を通じて感染症が広まる危険性もあるため、徹底的な排除と対策が必要です。

家電製品への侵入

ゴキブリは暖かく暗い環境を好むため、電気の通っている家電製品の内部に入り込むことがあります。内部の電気系統に触れることで漏電を引き起こし、火災につながる危険があります。飲食店では、大量のゴキブリがコンセントの中に入り込んで火事になった例もあります。定期的に掃除を行い、ゴキブリの侵入を防ぐ対策をすることが重要です。

病原菌やウイルスなどの媒介

チャバネゴキブリが人間の食品に混入すると、下記のような食中毒や感染症を引き起こす病原菌やウイルスを媒介する危険性があります。

・サルモネラ菌
・チフス菌
・大腸菌など

チャバネゴキブリの排泄物や死骸も、病原体の温床となり、吸い込むとアレルギー症状を引き起こす恐れもあるので、注意が必要です。食品や生活環境を清潔に保ち、ゴキブリの対策を怠らないようにしましょう。

チャバネゴキブリの駆除方法

チャバネゴキブリは、繁殖力・繁殖スピードが早いため、見つけたらすぐに駆除するのが賢明です。こちらでは、さまざまな駆除方法をくわしく解説していきます。

殺虫剤が効かない!?

チャバネゴキブリは、一般的な殺虫剤に対する耐性を持つことがあるため、通常の駆除方法では効果を発揮しない可能性があります。特に、飲食店や他の暖かい室内環境では、衛生管理の一環として繰り返し殺虫剤が使用されます。これにより、反復的に殺虫剤の刺激を受けて生き残ったチャバネゴキブリの子孫が、それらの薬剤に対する耐性を獲得する可能性があります。大都市圏では、このような薬剤に対する耐性を持つチャバネゴキブリが多く見られる傾向にあるようです。

殺虫剤を使用する場合

チャバネゴキブリは、殺虫剤に対して耐性があることが多いですが、生き残るのは「薬剤のかかりが不十分」な場合です。殺虫スプレーを確実に直接噴射できれば、生き残りは難しくなります。直接目で確認でき、単体で移動しているチャバネゴキブリであれば、十分な量のエアゾール殺虫スプレーを使うことで駆除することは可能です。ただし、次にご紹介するベイト剤の近くで噴射した場合、ベイト剤に寄り付かなくなってしまうこともあるので注意しましょう。

おすすめはベイト剤による駆除

毒エサとして知られる「ベイト剤」は、ゴキブリ駆除に効果的な方法です。ホウ酸などの有毒成分を含んだトラップを、チャバネゴキブリが通るであろう台所の下、食器棚や冷蔵庫の裏、トイレの隅、排水管周辺などに設置します。毒エサを巣に持ち帰らせることで、他のゴキブリにも駆除効果を広げることができる仕組みです。ただし、ベイト剤に含まれるホウ酸は人間や他の動物に対しても有害ですので、使用する際は子どもやペットが決して触れないように、十分に注意しましょう。

ベイト剤は効果は高いものの、即効性はありません。ゴキブリが毒エサを摂取してから少し時間が経ってから効果が現れる点にも留意しましょう。

くん煙剤による駆除

くん煙剤は、部屋全体に広がる煙の中に殺虫成分が混ざっていることから、屋内のチャバネゴキブリを全体的に駆除するのに適しています。使用時に気になるのは子どもやペットへの影響かもしれませんが、外出中の使用と使用後の換気を守れば問題はありません。

ただし、家電製品やデジタルデバイス、火災警報器などは、煙が触れると故障するリスクがあるため、使用前にカバーをして保護することが必要です。また、ペットや飼育中の魚については、一時的に外部に避難させるなどの対策が求められます。薬剤がかかって欲しくない寝具や衣類にもカバーを付けておくと良いでしょう。

合成洗剤をかける

合成洗剤を使ったゴキブリ駆除は、驚くほど効果的です。特にチャバネゴキブリは殺虫剤に耐性を持つことが多いですが、洗剤を使うとその気門を塞ぎ、呼吸困難に陥らせ即効で退治できます。この手法は、家庭で手軽に試せる非常に有効な対策です。
ただし、洗剤を使用する際は、界面活性剤が含まれているタイプを選ぶ必要があります。エコ洗剤のように界面活性剤が含まれていないものでは効果が期待できません。また、ゴキブリを処理する際は衛生的に注意し、直接手で触れないようにすることが推奨されます。

掃除機で吸う

ゴキブリを掃除機で吸い込む方法は、手を汚さずに駆除できる便利な手段です。長いホースを利用することで、ゴキブリに直接近づくことなく安全に対処可能です。多くの場合、掃除機の強い吸引力でゴキブリは中で死んでしまうため、生きている心配はほとんどありません。使用後は掃除機の中のゴミをすぐに捨てることで、ゴキブリが再び出現するリスクを低減できます。 ただし、注意が必要なのは卵鞘の扱いです。ゴキブリの卵鞘は硬く、無傷で吸い込まれると中で孵化する恐れがあります。卵鞘に遭遇した際は、掃除機を使わずに潰して処理しましょう。

チャバネゴキブリの侵入を防ぐ対策

チャバネゴキブリを徹底的に駆除しても、再び侵入されてしまっては同じことの繰り返しです。駆除だけではなく、侵入を防ぐ対策も行いましょう。

侵入口となる隙間をふさぐ

ゴキブリが室内に侵入するとき、わずか2mmの隙間さえあれば通過できることを考慮してください。特に以下の場所は、屋外との接続部に隙間がある可能性があります。

・洗濯機の排水口
・エアコン配管と壁の隙間
・シンク下の排水管と壁や床のつなぎ目

上記の隙間をふさぐために、パテやマスキングテープの使用がおすすめです。賃貸住宅の場合は、跡を残さずはがせる素材を選ぶことで、原状回復にかかる余計な費用を避けることができます。また、排水トラップのチェックも重要です。排水トラップは排水管にあるS字形に曲がった部分で、水が溜まることで虫の侵入や下水のにおいを防いでいます。しかし、経年劣化で機能しなくなることがあるため、定期的に確認してください。

ゴキブリ除けの忌避剤を使う

忌避剤には、ゴキブリが嫌うにおいや成分が含まれており、においによって室内への侵入を防ぐ働きがあります。忌避剤には大きく2つの種類があります。1つは、殺虫成分が含まれており、ゴキブリを駆除する効果があるもの。もう1つは、殺虫効果はありませんが、ゴキブリを寄せ付けない働きをするものです。ペットや子どもにやさしいハーブ系の忌避剤は、一般的には殺虫成分が含まれていないことが多いです。使用する際には製品の成分を確認し、ペットや子どもに安全なものを選ぶよう心がけましょう。

部屋を清潔に保つ

部屋を快適に保ち、ゴキブリの出現を抑えるためには、掃除が欠かせません。以下のようなケースは特に注意しましょう。

・食べ残しや生ゴミは、密閉容器や冷蔵庫にしまう
・生ゴミはふた付きのゴミ箱に捨てる
・シンクに食べかすを残さない

さらに、室内のホコリや髪の毛、食べかすなどはチャバネゴキブリのエサになってしまいます。定期的に掃除を行い、エサとなり得るものを取り除く習慣を身につけることも重要です。

屋外からの搬入物に注意

屋外から持ち込む搬入物にゴキブリの卵が潜んでいる可能性もあるため、注意が必要です。特に段ボールは、ゴキブリが卵を産みつけるのによく利用されます。宅配便や買い物で段ボールを家に持ち込む場合は、ゴキブリの卵がついていないか確認しましょう。もし卵を発見したら、すみやかに処理することが重要です。チャバネゴキブリは卵が納められた鞘(卵鞘=らんしょう)を腹に抱えているため、他の虫の卵と混ざっている可能性もあります。家庭ゴミの収集日が近い場合は、なるべく早く資源ゴミに出すのがおすすめです。

徹底的に駆除するならプロに依頼

チャバネゴキブリの駆除が難しい場合は、ゴキブリの駆除業者に相談しましょう。

駆除作業の内容

チャバネゴキブリの駆除は、薬剤散布やベイト剤設置などの方法を用いて行われます。依頼者の事情に応じて、適切な方法を選択します。薬剤噴霧はゴキブリの潜伏場所に薬剤を充てんし、数を減らす効果的な方法です。

薬剤の噴霧はゴキブリが隠れている場所に直接薬剤を充てんし、ゴキブリの数をすみやかに減少させる手法です。

一方、薬剤の散布は壁や床に薬剤を広範囲にわたって散布し、持続的な駆除効果を狙います。

ベイト剤は専門家がゴキブリが潜む場所に配置します。設置から2〜3週間は効果が見えにくいものの、薬剤が直接届かない場所にも有効で、長期間にわたる防除に向いています。

駆除作業後、業者は定期的に捕獲器を設置し、生息状況を確認します。必要に応じてベイト剤の追加設置も行い、継続的な対策を実施します。

予防できる期間

駆除業者が使用する薬剤は、既存の殺虫剤に抵抗性をもつゴキブリにも高い効力を発揮します。薬剤によっては効果が異なるものの、効力が強い薬剤を使用すれば、散布から最短で2~3日程度、最長で1ヵ月程度で効果が現れることがあります。

生息状況にもよりますが、多くの場合は1〜2回の施工でほぼゴキブリは確認されなくなります。3ヵ月以上の殺虫効果があり、耐水・耐熱性にも優れているため、長期間ゴキブリの居ない環境を維持することが期待できます。

まとめ

チャバネゴキブリの特徴や侵入条件、被害について解説しました。万が一食品に紛れ込んだり、排泄物や死骸を吸い込むと人間にも多大な被害を及ぼすため、早めの駆除が重要です。今回は、駆除方法や侵入を防ぐ対策についてもご紹介したので、ぜひ参考にしてください。

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