バイク・原付の鍵が折れたときの対処法　～合鍵を持っている場合～

バイクや原付の鍵が折れることは誰にでも起こり得るトラブルです。 もし鍵が折れた際、予め用意しておいた合鍵があれば安心ですね。新品購入時に同梱されている予備の鍵や、後から鍵屋さんで作った合鍵があるなら、それを使って一時的な問題は解決できます。
ただ、予備鍵を使った後は、折れた鍵の代わりとなる新しい合鍵を作る必要があります。手元に残っている鍵の種類によって、合鍵作成の方法が異なるため、どのように対処するか、その具体的な方法を紹介します。

新品で購入した鍵が手元にある場合

新品で手に入れた「純正キー」は、バイクや原付のメーカーが制作した信頼できる鍵です。この鍵を持っていれば、合鍵の作成が格段に簡単になります。鍵屋、ディーラー、合鍵専門店で手早く複製を依頼できるため、安心して対応可能です。
しかし、イモビライザー付きのような特殊な防犯機能が搭載されている鍵の場合は、専門店や購入先のバイク店での対応が必要です。特殊な技術が求められるため、正確な手順を踏んで正しく鍵を取り寄せましょう。

鍵屋で作成した合鍵が手元に残っている場合

合鍵を鍵屋で作成した後、その合鍵をさらに複製することはおすすめできません。合鍵は元の「純正キー」から作られるため、複製ごとに鍵の精度がわずかに落ちる可能性があります。その結果、合鍵からさらに合鍵を作ると、使用に耐えうる精度を欠く恐れがあるからです。実際、多くの鍵屋では、合鍵からのさらなる複製を避けるようアドバイスしています。
もし新しい鍵が必要な場合は、バイクを購入したお店に鍵番号を伝えて新しい鍵を作ってもらうか、鍵屋に直接鍵穴から新規に鍵を作成してもらうのが最適な解決策です。

バイク・原付の鍵が折れたときの対処法　～合鍵がない場合～

バイクや原付の鍵が途中で折れ、さらに合鍵もない状況は想像以上に厄介です。
このような時、車載工具やピンセットを使って折れた部分を抜く方法、バイク屋や鍵屋へ持ち込んで修理してもらう方法、あるいは専門家を呼んで鍵を抜いてもらう方法など、様々な対応策があります。
さらに、バイク屋に連絡して同じ鍵を再発注したり、鍵屋に直接鍵穴から新しい鍵を作成してもらうことも選択肢の一つです。下記では、合鍵がなく鍵が折れた場合の対処法を、明確かつ具体的に解説しています。

対処法①車載工具で鍵を抜く

バイク・原付に車載工具を積んであれば、ペンチが入っていないか確認しましょう。
ペンチがない場合は、モンキーレンチでも代用可能です。

鍵の折れた部分が鍵穴から出ているなら、ペンチやモンキーレンチでつまんで引き抜きます。
ペンチで引き抜く時は、上下左右に小刻みに揺らしながらゆっくり引っ張るとスムーズに抜けやすいです。
モンキーレンチの場合は、しっかりと挟んだら揺らさず真っすぐ抜きましょう。

車載工具を積んでいても使わないからと、積むのをやめる人が多いですが、万が一の時のためにペンチやドライバーなどは積んでおくことをおすすめします。

対処法②ピンセットで鍵を抜く

車載工具を積んでいなかったり、工具にペンチなどのつまむ物がない場合は、近くにコンビニやドラッグストアがないか探しましょう。
あれば、ピンセットを買ってペンチと同じ方法で鍵を抜くことが可能です。
ピンセットの先が細すぎるとつまむ力が入りにくく、抜くことが難しくなるので、しっかり挟めるピンセットを選ぶようにしましょう。

対処法③バイク屋や鍵屋まで持っていき、鍵を抜いてもらう

近くにバイク屋や鍵屋があれば、お店まで押して持っていき、鍵を抜いてもらう方法もあります。
当然、費用がかかりますが、専門業者に任せることで、鍵穴の損傷などのさらなるトラブルを防ぐことができます。
自分で対処することが難しい時や不安な時は、近くにお店がないか確認してみましょう。

対処法④鍵屋に来てもらって、鍵を抜いてもらう

鍵屋の多くは出張サービスに対応しています。
歩いて行ける距離にバイク屋や鍵屋がなく、自分で抜くのも困難な場合は、鍵屋に来てもらうことで解決できます。
鍵を抜いてもらう作業費用だけでなく、出張費用もかかることがあるので、事前に料金を確認したうえで依頼するようにしましょう。

対処法⑤バイク屋さんに連絡して同じ鍵を取り寄せてもらう

バイクの鍵を紛失した際、バイク店に連絡して鍵を取り寄せる方法が経済的です。
バイク店では、鍵のキー番号を基にメーカーから同じ鍵を手配でき、費用は国産メーカーであれば約2,000円から4,000円と比較的安価です。この方法で得られる鍵は新品の純正キーであり、使用感の問題もありません。 ただし、バイクを店に持ち込む必要があり、外出先での紛失や他の交通手段の利用が必要な場合は、出張鍵屋に依頼する方が便利かもしれません。この方法なら、どこにいても新しい鍵を作成してもらえます。

対処法⑥鍵屋さんに鍵穴からの鍵作成を依頼する

バイクの鍵を紛失したり、鍵が折れたりした際には、出張鍵屋の利用が便利です。特に外出先や通勤途中でのトラブルには、現地で直接鍵を作成してもらえるため、移動手段を失う心配がありません。ただし、外国製バイクの場合、鍵作成コストが高くなることがあります。一方で、バイク店に鍵を取り寄せる方法もありますが、バイクを店まで運ぶ必要があるほか、交通費がかさむ可能性も。どちらの方法を選ぶかは、見積もりを比較し、状況に応じた最適な選択をすることが大切です。信頼できる鍵屋に依頼し、迅速かつ正確なサービスを受けることが重要です。

バイク・原付の鍵が折れたときの対処法　～折れた鍵が中に残っている場合～

バイクや原付の鍵穴に鍵が折れてしまった場合、合鍵がなければ鍵屋に抜き取りと新しい鍵の作成を依頼する方法があります。
自分で折れた鍵を取り除ければ、鍵抜きの料金を節約できますが、不慣れな作業でシリンダーを損傷してしまうリスクも。その結果、シリンダー交換などの高額な修理が必要になることもあるため、慎重に行うか専門家に任せるのが賢明です。 事前に費用とリスクを考慮し、最適な対応を選ぶことが大切です。

バイクから折れた鍵を自分で抜く方法

バイクや原付の鍵が折れてしまい、その破片が鍵穴に残ってしまった場合、多くの方は鍵屋に依頼することをお勧めします。なぜなら、知識がない状態で無理に折れた鍵を引き抜こうとすると、鍵のシリンダー自体を傷つけ、修理が更に複雑になる可能性があるからです。
しかし、どうしても自分で対応したいという強い意志がある方のために、ピンセットを使って折れた鍵を慎重に抜く方法を紹介します。
この方法は簡単なようでいて、実は細心の注意を要するため、試される方は自己責任で慎重に行ってください。絶対にお勧めはしませんが、万が一のための知識としてお伝えします。

ピンセットを使う

バイクの鍵が折れてしまった時は、ピンセットで抜く方法があります。これは、鍵の一部が鍵穴から見えていてつかめる状態で効果的です。
ピンセットを使って、ゆっくりと鍵を挟み、小刻みに揺らしながら引き抜きます。この時、鍵がシリンダーに引っかからない状態であれば成功しやすいです。
しかし、シリンダーを傷つけずに慎重に作業する必要があります。無理に引き抜くとシリンダーを壊してしまい、修理費がかさむことがあるため注意が必要です。自分での取り除きは推奨されず、鍵屋に依頼するのが確実です。自己責任で試みる場合は、細心の注意を払ってください。

折れてしまったバイクの鍵を修理する費用とは

自分で抜くのは不安だけど、業者に頼んだ時に費用が分からないことも不安だと思っている人も多いのではないでしょうか。 鍵を抜くだけの作業であれば、8,000円から10,000円ぐらいが目安です。 スペアキーがないので、鍵を作るとなると、プラス10,000円ぐらいかかります。 もし鍵穴が壊れてしまっていて、鍵穴を交換するとなると、15,000円から20,000円必要です。 これ以外に、出張費用や時間外料金などがかかることもあるので、業者に依頼する時は必ず料金を事前に確認してから依頼をしましょう。

バイク・原付の鍵抜きと鍵作成の相場料金表はこちら

料金は、メーカーや車種、鍵穴の形状によって変わります。同じ車種でも鍵穴が異なる場合があるため、一概に料金を決めることは難しいですが、一般的な相場を示す料金表を参考にしてください。この表は、様々な条件下での平均的な料金をまとめたもので、具体的な料金はサービス提供者によって異なる可能性があります。事前に確認することをお勧めします。

種類	作業内容	一般作業料金	ハイセキュリティ
バイク（国産車）	鍵開け（解錠）	8,800円～	16,500円～
	鍵作製	11,000円～	22,000円～
	鍵折れ/鍵抜き	8,800円～	-
バイク（外国車）	鍵開け（解錠）	33,000円～	-
	鍵作製	55,000円～	-
	鍵折れ/鍵抜き	8,800円～	-
基本料金	出張・見積り・キャンセル料	無料	-
時間外料金	夜間・早朝	8,800円	-

よくある質問

鍵のトラブルは予期せず発生し、どう対処すれば良いか迷うことも多いです。折れた鍵がなくても新規作成が可能か、折れ曲がった鍵の対応方法、シリンダー交換の可否についてのよくある質問に答えます。

折れた鍵以外に1本もなくても作成が可能ですか？

「バイクの鍵が折れて、予備の鍵がない場合でも、新しい鍵を作ることは可能ですか？」という質問をよく受けます。結論から言うと、多くのバイクや原付では、鍵穴から新しい鍵を作成できます。これは鍵屋やバイクショップが提供するサービスですが、外国製の珍しい車種の場合や、イモビライザー付きの鍵の場合は対応できないことがあります。

折れ曲がった鍵を修理してもらうことはできますか？

折れ曲がった鍵を直すことは難しく、修理しても元通りにはなりません。特に、折れ曲がった部分には金属疲労が生じており、使用を続けると鍵が突然折れる恐れがあります。もし鍵が鍵穴の外で折れた場合は、合鍵を使うことができますが、鍵穴内で折れた場合は、新しい鍵を作るか、場合によってはシリンダーの交換が必要になります。このような事態を避けるためにも、曲がった鍵は新規に作成することをお勧めします。

バイク・原付のシリンダー交換は対応可能ですか？

バイクや原付のシリンダー交換は、エンジンの性能に大きく関わる専門的な作業です。鍵屋では扱えないため、この作業を行う際は、メーカー公認の修理工場や経験豊富なバイクショップに相談することが重要です。専門の技術者がいる場所でなければ、適切かつ安全な作業を期待することは難しいでしょう。

バイクの鍵折れを予防する方法

ここまで、バイク・原付の鍵が折れてしまった時の対応についてお伝えしてきましたが、そもそも折らないように予防することはできないのでしょうか。
バイク・原付の鍵折れを防ぐ方法を3つ紹介します。

予防法①無理に回さない

鍵を刺して回りにくいと思ったら、無理に回す事はやめましょう。
鍵が回りにくくなっている時は、パーツクリーナーや潤滑剤を使用し、回りにくさを改善しましょう。
具体的には、まずパーツクリーナーを鍵穴に入れ、鍵を抜き差ししパーツクリーナーをなじませます。
次に潤滑剤を鍵穴に入れ、鍵を再度抜き差しすれば完了です。

予防法②鍵を定期点検する

鍵自体の状態も定期的にチェックしましょう。 ずっと使っていると鍵がすり減り、鍵穴と上手く嚙み合わなくなってしまうこともあります。
特に純正キーではなく複製キーを使っている場合は、すり減りやすく鍵折れを起こしやすいので、注意して使うようにしましょう。
できれば、鍵を複製する時も、費用は多少かかりますが、純正キーを作成するのがおすすめです。
純正キーにしておけば、鍵のすり減りによる鍵折れリスクを下げることができます。

予防法③キーシリンダーをメンテナンスする

鍵穴であるシリンダーも定期的にメンテナンスをしましょう。
シリンダーの動きが悪くなっていると、無理に回してしまうことでの鍵折れリスクが高くなります。
鍵の回りが少しでも悪くなってきたら、すぐにシリンダーをメンテナンスすることで、鍵折れを予防することが大切です。
具体的には、予防法①でも紹介した、パーツクリーナーと潤滑剤を使用し、シリンダーのメンテナンスをします。
手順は、まず鍵穴にパーツクリーナーを入れて、鍵を数回抜き差しすることで、パーツクリーナーをシリンダー全体になじませます。
次に潤滑剤を鍵穴に入れて、鍵を数回抜き差しすれば完了です。
このメンテナンスをしても、シリンダーの状況が改善しない場合は、シリンダーの劣化が進んでおり、シリンダーが寿命を迎えているのかもしれません。
その場合は、シリンダーの交換が必要ですので、早めに交換することを検討しましょう。

鍵折れの対処法を知りつつ、鍵折れを防ぐことが大切

今回、バイク・原付の鍵が折れてしまった時の対処法やバイクの鍵を修理する費用を解説しました。
急に鍵が折れてしまった時も、この記事で紹介した対処法を実践して、適切に対応しましょう。
また、バイクの鍵折れを予防する方法もお伝えしました。
トラブルが起きた時の対処法の知識も重要ですが、トラブルが起きないようにすることも大切です。
今回紹介した鍵折れの防止方法で、ぜひ、鍵折れが起きないように対策を行ってください。